オンライン授業が招く教育改革 Part-2

  オンライン授業を開始して約2ヶ月が経過しました。新学期の開始が4月下旬にずれ込みましたが、3月になって突然「新学期の授業を全てオンラインで行う」という連絡があったことを考えると、この一ヶ月はこれまで全く経験のなかったオンライン授業を行うための貴重な準備期間となりました。

  当初はZoomを使ってリアルタイム授業を開始しましたが、職場での会議等がほぼ全て Ms-Teams で統一され、授業も Ms-Teams の利用が推奨されたため、第3回目の授業からは Ms-Teamsで行うことにしました。

  とは言え、私はこれまで Ms-Teams を全く使ったことがありませんでしたので、身近な同僚との間で「チーム」を作り、お互いに教師役と生徒役を交代で務め基本操作を練習したところ、ただ単に授業を行うだけであればそれほど操作は難しくないことがわかりました。

  ただ、一点だけ気を付けなくてはならないことは、記録のためにレコーディングを行うと、終了後に自動的にStreamにアップロードされてしまい、事後の修正が利かない点です。確かに会議を記録する場合には、事後に修正されては困りますが、授業で使う場合には言い間違えの訂正や、よりわかり易い表現に変更する等の事後修正ができた方が便利だと思います。

 3回目の授業の際に初めて Ms-Teams を使ったところ、受講者からは特に問題ないという反応があったほかに、授業のチームの下に毎回の授業用に「チャネル」を作った方がわかり易いというコメントがありました。

 このコメントは、この受講生が受講した他の授業を担当した教員が「チャネル」機能を使っており、受講者にとっても便利とのことでした。そこで早速私が担当している「チーム」の下に授業の日付と授業名を組み合わせた名前の「チャネル」を作り、「チャネルを編集」機能を使って「すべてのユーザーのチャネルのリストにこのチャネルを自動的に表示します」欄のボックスにチェックを入れて、受講者全員に毎回の授業のチャネルが表示されるように設定しました。

 教員側にとって、このようにして毎回チャネルを作る利点が出席者の管理です。 授業開始前にノートバッドに「 学籍番号と氏名をチャットで送ってください」というメッセージを書き、授業開始10分前くらいからMs-teams を立ち上げて、メッセージを書いたノートパッド画面を共有に設定しておきました。そうすると、Ms-teams にログインした受講生は次々と学籍番号と氏名を送ってくるので、授業が終わった後で、システム上に記録が残る形で出席者を確認することが可能です。

 しかも、受講者がログインした時刻も同時に記録されるので、授業が終わる直前にログインしたような受講生もすぐにわかります。毎回の授業毎に「チャネル」を作っておくと、出席を授業ごとに確認できるので大変便利でした。

 このようにして、1ヶ月ほどMs-teams でリアルタイム授業を行った後、3年生の受講者を対象としてオンライン授業の使い勝手ついてアンケート調査を行ったところ、ほぼ全員のが受講者は特に使い勝手に問題ないと答えました。また、「授業のわかり易さは対面授業と比較してでどうですか」と尋ねたところ、約半数の受講者が対面授業とほぼ同じ、約4分の1の受講生がオンライン授業の方がわかり易かったと答え、残りの4分の一の受講生が、オンライン授業の方がややわかり難かったと答えました。

 このように、少なくとも私が担当している授業に関しては、Ms-Teamsで行うことについて大きな問題はありませんでした。ただし、これは私が今回授業を行ったのが3年生だったことが大きい様に思います。というのは、新入生の授業を担当している同僚に聞くと、まだ学生同士の横の繋がりができていないので、お互いに助け合うことができず、また授業を受ける要領もわからない中で大量のレポートに追われているとのことです。

 学校というコミュニティーの中で、オンライン授業はまだ横の繋がりがない新入生には向かない授業方法だということが良くわかりました。今回状況下では、やむを得なかったことですが・・・。

 今回のコロナ騒ぎをきっかけにして、本当に突然始めざる得なかったオンライン授業ですが、使ってみると便利な点も多々あるので今後いろいろな形で通常の教育活動に組み込まれていくことは確実です。新しい技術や新しい方法が導入されるときはいつもそうですが、オンライン授業についても従来から行われてきた対面法と比べた上で利点と欠点をよく見極め、できるだけ利点が多く、欠点が少なくなるような利用方法をこれから創り上げていく必要があると思います。




 

 
















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