ミルクの利用がなぜインドとミャンマーで異なるのか?

 ミルクの利用がなぜバングラディシュとミャンマーで大きく異なっているかについては、色々な側面から考える必要があると思います。
 まず言語学的にみると、そもそもビルマ語、タイ語、ラオ語、クメール語などは古代インドの言語であるサンスクリット語から派生したのものですので、文化的にはインド(バングラディッシュを含む)と東南アジア諸国の間は共通点が多い地域です。
 一方、ミルクの利用と点からみると、インドを中心とした南アジアでは、調理の際にヨーグルトやギー(英語:Ghee)と呼ばれるバターオイルを利用し、茶にもミルクを入れて飲みます。これに対して、ミャンマーではヨーグルトの消費が少なく、ギーの利用も一般的でなく、茶の発祥地である中国雲南省と国境を接していることから、古くからのラペチョウと呼ばれる緑茶や、ラペソーなどの後発酵茶が飲まれてきており、ミルクの利用方法が大きく異なっています。
 宗教の面からからみると、現在のインドはヒンズー教、バングラディッシュはイスラム教が中心であり、かつ中国と対立している国々であるのに対して、ビルマから東の国々は仏教国であり、かつ中国文化の影響を強く受けている国々です。 
 この様に見ると、元々インドとミャンマーは共通の文化的背景を持つものの、結果的にみてミルクと小麦を利用するアーリア人が到達した東端がバングラディシュ(かつてはインドの一部)であり、それがこの地域において一度の食事の中に米と小麦とミルクが共存する食文化を形成した東端になっているのではないかと推察されます。

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