地球上のあらゆる場所に人間が住むことができる理由

 動物が生きていくための最低条件は食べ物がある事であり、草食動物には草が必要であり、肉食動物には餌となる動物がいることが必要です。草食動物といっても草であればなんでも食べられるわけでなく、パンダの様に笹しか食べない動物は笹の生えている地域にしか住めませんし、肉食動物は補色の対象となる動物がいる場所でしか生きていかれません。その意味で、人間が地球上のあらゆる場所に人間が住むことができる理由の一つは人間が雑食性の動物だからです。

 つまり、生きていくために必要な栄養素をほぼすべて植物性の食材から摂取するインドのジャイナ教の様な人々から、アラスカのイヌイットの人たちの様に動物性の食材にほぼ依存して生きている民族までおり、栄養源として利用できる食材がこれほど広い人間は、動物界の中では珍しい存在です。

 一方で、動物が子供から大人に至るまでの成長段階に応じて必要な栄養素の質と量は、基本的に体重と運動量により決まりますので、人間における栄養素の必要量は住んでいる地域や宗教、民族等とは全く関係ありません。

 そこで、人類は自分が住んでいる地域に存在する生物の中で、人間にとって必要な栄養素を含み、かつ人間にとって有害な成分を含まない動植物を組み合わせて食べることにより、生きていくために必要な栄養を摂取して生き延びてきたと考えられます。

 その中で、日本を含む東南アジア諸国は米を中心とした食事を組み立ててきたのに対し、米が栽培できない地球上の大多数の地域では、植物性の食材、具体的には主に小麦、大麦又はトウモロコシと動物性の食材を組み合わせた食事を組み立ててきました。

 世界の色々な国を訪問する楽しみの一つは、その地域にしかない食べ物を食べられることです。その時は、なぜその場所にその食材があるのかに注目すると、とても面白い発見があります。

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