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Poem

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『私たちは絶対、不幸なんかじゃ無かった』

『私たちは絶対、不幸なんかじゃ無かった』

もう二度と会えるはずはない
そう思っている
いま、あなたがどこで何をして
何を見て生きているか
そもそも、まだこの世界に居てくれているの

この季節が来る度、
必ず一度は、あなたを思い出す
私たちの関係が、築いてきた形が
決定的に壊れた、あの日

あなたもきっと、よく憶えているでしょう
私はずっと、覚えている

あなたは確かに泣いていた

身のうちに荒れ狂う嵐
引き返せない悲しみ

予感していた

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Breaking Dawn

きみの一番言いたい事は
きみ自身の中にある
ほら、いまも
ずっと鳴っているよ
聞こえない?

きみの一番聞きたい事は
きみ自身の中にある
だから僕にきいても本当は
きみが聞いている事なんだよ

きみの一番知りたい事は
きみ自身の中に眠っている
だから僕はきみの鏡になる為
ずっと黙って
耳を傾けて頷いている

もどかしいよね

耳を塞いで聞こえる歌
きみに向けて
懸命に訴えている
どうか届きますよう

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supernova

supernova

限りある時間を大切にとかいう言葉
あれ、本当に理解して
実践している人ってどれくらい居るんだろうね

後悔しないように生き切る、なんて
努力して体現してる人
偶に見かけるけど、
本当にそう成れる人ってどのくらい

本当にそう成るといいね

それじゃあ翻ってとうの私は
今日も虚ろな顔で曇空
目だけはやけにギラギラと
神様睨んで無口のまま
汚い言葉を叫んでる

いつまでたっても遠いまま
16からあたた

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Virgo

Virgo

倒れたガラスのうつわを見て分かった
ああ、そうか
君は来なかった

夜を引き裂いて飛んでいく明烏
ビーナスの眠りを妨げて

アポロンはまた
自ら愛しい人を失う道を進む

君が私の神様
ほかの人にはそうは映らずとも
私には分かる、見える
その姿
ほら、器を脱いで

天(そら)が開く
天門を通って
天使たちのお目見えだ

虚ろな恋を何度となく繰り返し
落ち窪んだ瞳は何を語る

ああ、また
小夜啼鳥がま

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about my mother

about my mother

自分のことを消し去りたい
居なくなりたい
意味なんてないよ
はやく此処から出して
わたしを

いつ望んだろう
こんな狭い器の中に入って
限りある生命を生きるということ

いつからこんな具合に
ちぐはぐな毎日を紡いで
いつだって切れそうなぎりぎりのラインで
呼吸を繋いで

祈るように扉を開ける
嗚呼どうか友達から電話が来て
少しでもご機嫌な様子で居て

私は空気
居なくてもそう変わらない
その辺の石

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good for you

good for you

絶対に大丈夫だと言って
たとえ何があっても
取り返しのつかない失敗は起きないと

うまくやって見せるわ
大丈夫、私なら
あなたが守りたいと望んだものすべて
守りぬいて見せるから

そこで待っていて
私のいく末を案じる必要はないよ
必ずあなたの元に帰るから
その日までどうか
くれぐれも元気で居てね

やらなきゃいけない事がある
そのために私は生まれてきた
泣いてる暇なんかない

絶対に大丈夫だと言っ

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