#伊集院秀麿さん
小説: ペトリコールの共鳴 ③
←前半
第三話 ネズミへのわずかな恩を
沈痛と悲愴を抱き合わせた冬から、
若葉が目に優しい5月になった。時は疾走する。
「子どもの日か…」意識したのは何十年振りか。
今年は祝ってやりたいがケーキを食わすのも戸惑い、子どもの日と言えば兜や鯉のぼりだが高額な物を買ってやるだけの金はない。
俺は大きな損失を出す寸前に助けられた。
体長がわずか20センチ足らずのキンクマハムスターは、たった1匹で俺を
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第三話 ネズミへのわずかな恩を
沈痛と悲愴を抱き合わせた冬から、
若葉が目に優しい5月になった。時は疾走する。
「子どもの日か…」意識したのは何十年振りか。
今年は祝ってやりたいがケーキを食わすのも戸惑い、子どもの日と言えば兜や鯉のぼりだが高額な物を買ってやるだけの金はない。
俺は大きな損失を出す寸前に助けられた。
体長がわずか20センチ足らずのキンクマハムスターは、たった1匹で俺を