「北海道」ラノベは(大体)Eat or Fight !!|「国内の地名」が付くタイトルの研究(3)
5秒でわかる本記事の要点
タイトルに「北海道」が付くラノベは、①美食系、②戦闘・アクション系、③美食+戦闘・アクション系、④その他に類型できる。
概要
本記事は、1975~2018年の44年間に刊行されたラノベの内、「国内の地名」が付くタイトルをピックアップ★徹底分析する特集「『国内の地名』が付くタイトルの研究」の……第3回である!
※注:「『国内の地名』が付くタイトル」とは、例えば以下のような作品を指します。
<特集全体の目次>
第1回:タイトルに「都道府県」が付く作品と、「妹」が付く作品、どちらが多いと思う?
第3回(本記事):「北海道」ラノベは(大体)Eat or Fight !!
第4回:「全47作★全ての都道府県を網羅したご当地ラノベシリーズ」っていかがでしょう?
第5回:ニンジャ v.s 絶世のブス……あなたはどちらがお好み?
第7回:京都を舞台にしたラノベを執筆するあなたのためのパーフェクガイド★
第8回:「奈良」ラノベを志すあなたには、「京都」ラノベが参考になるかも
第9回:【総まとめ】「タイトルに『国内の地名』が付くラノベ」のススメ
第1回からご覧になることをオススメします★
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「北海道」タイトルに迫る★
三葉「さて、都道府県ごとに具体的な作品を見ていきましょう!」
清水「承知しました」
三葉「最初に取り上げるのは……北の大地!北海道!」
清水「おー!」
三葉「前回ご説明した通り、タイトルに『北海道』が付く作品は9冊!これは『東京』、『京都』、『埼玉』に次いで4番目に多いのですが……まずは、この9冊のタイトルをざっとご覧いただきましょう……こちら!」
清水「ふむ……『ガンパレード・マーチ 2K 北海道独立』が4冊あるんですね」
三葉「ええ。したがって、シリーズものをまとめてカウントすると『6作』ということになります」
清水「ふむ」
三葉「でね」
清水「ええ」
三葉「この6作品をざっくり整理できるのではないかと思いまして」
清水「ほぉ!」
三葉「すなわち……以下の通り!」
三葉「ここからは、このタイプごとにご説明していきましょう」
タイプ①:美食系
三葉「まずは『美食系』!」
清水「該当するのは『ベン・トー 5 北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円』ですね」
※「ベン・トー」シリーズ:「閉店間際のスーパーの半額弁当」を巡る争奪戦!……本作は、この激しい戦いに挑む高校生たちを描いたコメディである。つまり、「ベン・トー」とは「弁当」のこと。
三葉「2011年にアニメ化された人気作なのでご存知の方も多いかと思いますが」
清水「ふむ」
三葉「『ベン・トー』シリーズのサブタイトルは『弁当名+値段』なんですよ」
三葉「で、ご覧の通り5巻のサブタイトルに『北海道』が入っているんですね」
清水「ふむふむ。『北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円』……って、あれ?ちょっと値段が安すぎません?」
三葉「んー……半額後の値段なんですかね?」
清水「なるほど」
タイプ②:戦闘・アクション系
三葉「続いて2つ目のタイプ……『戦闘・アクション系』にまいりましょう!」
清水「まずは『ガンパレード・マーチ 2K 北海道独立 (1-4)』ですね」
※『ガンパレード・マーチ』シリーズ:ゲーム『高機動幻想ガンパレード・マーチ』をベースにした作品。謎の生命体『幻獣』との戦いを描いた『架空戦記もの』として知られる。全45作で、『北海道独立 (1-4)』は28~31作目にあたる。
清水「もう1つが、『ブラッドアイズ 北海道絶対防衛戦線』」
三葉「あらすじをご紹介すると……火山が噴火するは、バイオハザードが発生して野生生物が凶暴化するは、そんな壊滅寸前の北海道を救うべく派遣された主人公たちの戦いを描いた作品です」
タイプ③:美食+戦闘・アクション系
三葉「以上、『美食系』と『戦闘・アクション系』をご覧いただきましたが……この両者にまたがるのが『道-MEN 北海道を喰いに来た乙女』!」
三葉「大雑把にストーリーを見てみると……舞台は、日本から独立し、1つの国家となった北海道」
清水「ほぉ」
三葉「ある日、北海道特殊機密部隊『道MEN』(ドウメン)が工作員と思しき少女を捕縛する……」
清水「おお!『戦闘・アクション系』っぽい!」
三葉「ところが……彼女は、北海道の幸を味わいに来たのだと言う」
清水「……ん?」
三葉「で、あれこやこれやあって、『道MEN』のリーダーが彼女の食い倒れの旅に付き合うことになるんですが、今度は本物の工作員が現れて戦闘となって大騒ぎ!……という具合に『美食系』と『戦闘・アクション系』の両方の要素が入った物語です」
清水「なるほど」
三葉「ちなみに、作者は『ベン・トー』と同じくアサウラ氏!」
タイプ④:その他
三葉「最後に『美食系』、『戦闘・アクション系』のいずれにも該当しない作品を2つご紹介しましょう」
清水「承知しました」
三葉「まずは、『北海道幽霊事件』!これは寝台特急『北斗星』が登場するミステリです」
清水「『北斗星』ってのが、いまとなっては時代を感じますね」
※北斗星:1988~2015年に運行していた特急で、東京の上野駅から札幌駅までを繋いでいた。現在は廃線。なお、『北海道幽霊事件』が刊行されたのは1990年。すなわち、北斗星の運行開始から3年目である。
三葉「続いて、『北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた』!」
清水「これはタイトルに『異世界』という単語が入っていることから察するに……」
三葉「ズバリ、『異世界転生もの』です」
清水「ふむ」
三葉「大筋をご紹介すると……北海道の現役ハンターが事故死して、異世界に転生。猟銃を手に活躍する物語です……って、まぁタイトルに全部書いてありますが」
清水「『ハンター』というのが北海道らしくてよいですね!」
三葉「確かに。これが『大阪の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた』なんてタイトルだったら、『いや、それはアレでしょ?人を狩るハンターでしょ?』って感じですもんね」
清水「うーむ……じつに物騒だ」
三葉「ところで、筒井康隆さんに『歌と饒舌の戦記』という傑作小説がありますが」
清水「ええ」
三葉「サバゲー好きの軍事オタクが、ソ連軍を相手に無双するシーンがあるんですよ。これが超面白いんですがね」
清水「ふむ」
三葉「タイトルが『大阪の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた』になると、あんな感じになるのかなぁと妄想した次第です」
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(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)
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