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或る若者の思索

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私が日常生活の中で感じた何気ないことを、日記よりちょっとだけ推敲して書いてます。
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2021年5月の記事一覧

雑記②

雑記②

 2021年5月26日、今日あったエピソードをエッセイ仕立てに三本立て。

「仮面ライダーのOP」 朝の駅の雑踏の中で、仮面ライダーのOP曲を聴いてみる。すると、なんだか自分が大きな使命を背負って生きているような感覚に陥る。私はもしかして、天の道を行き、総てを司るために生まれてきたのではないか?そんな気がしてくる。

 一見すると私は普通の人間。しかしその実は、変身ベルトひとつで悪の怪人と闘うライ

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人生はワゴンケースの小説

人生はワゴンケースの小説

 小説を7割ほど読み終えたところで、「あ、これもしかして、つまらないのでは…?」と感じてしまったときの落胆といったらない。

 そう思うともうダメ。一言一句つまらない。100円で買ったから、というアドバンテージを差し引いてもつまらない。作者なりに頭をひねくり回したであろうちょっと洒落た風の言い回しに、もはや殺意さえ覚える。

 安易にタイトルに惹かれて購入するとこういうことがあるから怖い。本だけに

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あの急行列車をもう一度

あの急行列車をもう一度

 少しでも職場に情けをかけると間に合わない、18時12分発の急行列車。この電車に乗るためには、定時とほぼ同時に職場を抜け出さなければならない。

 会社から最寄り駅まで、自転車で約8分を要する。だがこれはあくまで理論上の"最速の"時間。そこに不確定要素である信号機が3か所、さらに天候や通行量といった乱数が加わってくるので、駅までの所用時間は日々細かく変化するのだ。

 今日はすんでのところで、急行

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雑記①

雑記①

 今日撮った写真が一枚もないことに気づく。写真に残したいと思えるような景色に遭遇できなかったこと、そもそも写真を撮るような暇がなかったことに、労働日の虚しさたるものを感じてしまう。モノクロームな憂鬱に徒然としてしまっている!

 ふいに切り取られて然るべき風景が、無機質で単調な労働日の中に存在するわけなかろう。冷房をフル稼働させながら換気している無意味極まりないこの部屋の気持ちを考えたことはあるか

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笑うドッペルゲンガー

笑うドッペルゲンガー

 転職して早1ヶ月が経った。

 海に集団で身投げするレミングの群れのごとく、自分のひとつ下の世代の子たちが新たに社会の荒波に漕ぎだしていったのを見送ったのも束の間、私も少し遅れて後を追うことになったのだが...。まぁ、タイタニック号に乗りこんだつもりでどーんと行こうや。

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 調子は心身ともにすこぶる良い。朝に弱い私ではあったが、"やるならやらねば"の精神が体に染みついた今では、勝手に目が

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