- 運営しているクリエイター
記事一覧
世界はルールを変えた
先ほど世界は、ルールを変えた。
今朝のことだ。
なくなったんだよ、カード類が一式ごっそり全部。
まあ失せものには慣れっこだ。昨晩、カード類一式をテーブルの上に出して見ていたのは憶えているが、そこから何処に仕舞ったのか分からない。
そのへんにあるだろう、と探しはじめたが見つからない。財布の中身もカバンの中身をすべて出した。
上着のポケットを探っていて「おっと、昨日着ていた服はこいつじゃない」と気づ
〈著者紹介〉22世紀、ジャスビガン。 山泊リョウ
皆さんは、ご存じだろうか。21世紀が終わったことを。
21世紀を終わらせたのは、山泊リョウ。22世紀をはじめた男だ。
「新しい世紀は、時の到来と共に訪れるのではなく、自覚した瞬間にはじまる」
彼が新世紀の到来を高らかに宣言した時、本気で取り合う人は一人もいなかった。
世界は、らせん状に進歩する。22世紀は、世界が裏返って上るタイミングだ。
多様性が叫ばれた世界は、一様性を求めるように
〈キューバ紀行13〉他人の不倫ではしゃぐ日本、亡命のために婚活するキューバ。
不倫って、なんだろう。
22世紀には不倫など無いが、2020年の日本では、まだ月替わりで有名人の不倫が報道されている。
ユーチューブに視聴者を奪われたテレビが必死に視聴者をつなぎとめ、CMの合間を埋めるためだ。
テレビを主たる情報源にしている人たちは、不倫と政権批判を不満のはけ口にし、リズムネタとモノマネがユーモアだと信じ、ドラマとお笑いで気持ちを慰める。
芸能人は、次のCMまで視聴者
〈キューバ紀行12〉「戦争をする人は賢いか、賢くないか」の話
賢いって、なんだろう。
「戦争をする人は賢いか、賢くないか」
小学生の時分、担任にホームルームで問いかけられた。
「賢くないと思います」
誰かが答え、みんなが、なんとなく賛同する。
「じゃあ戦争を起こすのは、どんな人?」
また誰かが、答えた。
「総理大臣とか、偉い人だと思います」
「じゃあ偉い人は、どうして偉くなったんだろう?」
「頭がよかったからだと思います」
「そうか。じゃあ戦争をす
〈キューバ紀行11〉思い出を、家電に換えて生きていく。
思い出って、なんだろう。
2017年3月。帰国したばかりの日本は、ワールドベースボールクラッシック第4回大会に沸いていた。
キューバ代表も参加していて、2次ラウンドまで勝ち進んだが、敗退。
話は、キューバ敗退の前日に遡る。
仕事の打ち合わせのため、私は紀尾井町のホテルニューオータニでクライアントを待っていた。
ニューオータニは政治外交で要人を接待する際に多用される。そのせいか、い
〈キューバ紀行10〉周回おくれの、トップランナー。
美しいって、なんだろう。
ハバナは美しい。スペイン占領時代からのコロニアルな建物は、ピンク、水色、ライムグリーンと色鮮やかに目を楽しませてくれる。道ゆく人々は陽気で闊達だ。なのに街は、どこか静けさを感じさせる。
その理由が、ハバナで撮影した写真を見返して分かった。広告だ。広告がない。街のどこにも宣伝が見当たらない。
日本はどこへ行っても、宣伝だらけだ。「お得」だの「便利」だの「今だけ」だ