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ベルリンの非日常

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#毎日note

「いる」の確保

「いる」の確保

お昼を食べながら、読んでいた本の一文に目がとまった。自分ではあまり手に取らない類の本なのだけれど、こういう一文に出会えたりもするので乱読もいいものである。

「いる」をもたらしてくれる人たちの存在。それがないと、人は安心して眠れないらしい。

ううむ。ちょっと唸ってしまった。これまで不眠のようなものに悩まされたことが一度だけあるからだ。

「家」「家族」「居場所」なんかは常に自分の中で解けない類の

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モスクワにリベンジできなくなった

モスクワにリベンジできなくなった

2001年にインターンをしながら半年住んでいたモスクワで感じたそこはかとない違和感。あの時の印象は、残念ながら正しかったようだ。

「ロシアという国も文化もロシア人も大好きだが、どう頑張ってもここには住めない」という苦渋の決断を下して、後ろ髪を引かれつつベルリンに戻ったこと。ベルリンのシューネフェルト空港に着いた途端に、緊張が解けたのか立ち上がる気力すらなかったこと。当時はモスクワでの生活において

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オンラインで繋がるということ

オンラインで繋がるということ

先週の水曜日から世の中が一変してしまったが、まだ1週間しか経っていない。だが、すでにもう1週間も経ってしまったともいえる。状況が好転する兆しは全くない。

Facebookでモスクワ在住の友人の動向を追っていたら、尊敬する友人がキエフの地下鉄の写真を上げているのを見つけた。なぜ彼は今、よりにもよってキエフにいるんだろう。

天才肌の彼のことだ、何か思うことがあって現地に向かったのだろうか。投稿やコ

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久しぶりに3キロ走ってみた

久しぶりに3キロ走ってみた

今日も相変わらず世界情勢に好転は見られず。

それでもベルリンには太陽の日差しが戻ってきて、少しずつ春に近づいているのがわかる。

こんな時は体を動かすのが何よりのクスリ。ロックダウンの時もそれこそ半ばヤケクソになって、毎日取り憑かれたように走っていた気がする。

そこまで追い込むことは足の調子もあるのでできないが、整形外科の先生に言われたように、行けそうであれば3キロ走ってみることにした。

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とうとう書くことがなくなってしまった

とうとう書くことがなくなってしまった

何かが自分の許容範囲を超えてしまったのだろう。今日も全く仕事に手がつかなかった。かろうじて日本へメールを1通送ったくらいだろうか。

コロナ禍やその他の非日常の中では、仕事をしたり、書くことに没頭することでかろうじて正気が保てていたような気がするのだけれど、今回の「戦争」に関してはどうしようもない無気力感に襲われている。

自分の想像力をはるかに超えたことが身近に起こると、それを現実だと捉えること

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また非日常になるのか

また非日常になるのか

いつまでも続くはずの日常生活がある日を境に非日常になる、というのを経験した2020年の春。ベルリンで初めてのロックダウンが施行された時期だ。日常生活ってこんなふうに呆気なく崩れ去ってしまうものなのか、と思わせるできことが続いた。

あれから2年弱。まさか起こらないだろう、とどこかで思い込もうとしていた数日前。それが一瞬で崩れ去った2022年の2月24日。今日の朝から一気に事態が急変した。

ほんと

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また例の夢を見た

また例の夢を見た

今朝方もまた例の夢を見た。

どう考えても大きすぎるモスクワの空港から、モスクワへ向かおうとしている夢だ。

大体、出発空港が到着空港なのだから辻褄が合っていない。夢だからこういうことが自然に起こる。

・・・・・・・・・・

「あ、またここに来たんだな。」

夢を見ながらそんなことを考えたくらい、何度か来たことのある見覚えのある場所。中は迷路みたいになっていて、目的の場所まで辿り着けるようには到

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予想もしないできごと

予想もしないできごと

ひとりで自宅で作業している際に、ふと我に返るような瞬間がある。そしてしみじみこう思うのだ。

「まさか自分が生きている間に、今みたいな状況に陥るなんて一ミリも考えたことなかったな」と。

ここでいう「今みたいな状況」とは、もちろんコロナ禍のことなんだけれど、それ以外にもそう感じた瞬間がこれまでに何度かあった。

こんな風に予想もしないことが起こりうるから人生は不思議かつ面白いんだろうけど、残念なが

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昼間から映画を観て涙を流す

昼間から映画を観て涙を流す

NETFLIXはなぜかそれほど好きではない。あまりいい思い出がないのでなおさらだ。

Tenetを観ようと日本のアマゾンでレンタルしようと思ったのだが、引き落としに日本のクレジットカードが必要なので弾かれてしまった。

ドイツのアマゾンの方ではレンタルできず、購入という選択肢しかなかった。それほど何度も観たくなるような映画でもないかもしれず、踏ん切りがつかない。

他でもググったが、どうやらNET

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じわじわと浸食される感覚

じわじわと浸食される感覚

なんだろう。何かが心の底の方でザワザワとする感じ。

こういうのを「不安」とか「心許なさ」と呼ぶのだろうか。

先行きが見えないとか、簡単には解決しない問題などを抱えていると、常にザワザワと落ち着かず夜も眠れなくなってしまうものだ。

2021年の夏になっても、たまに今日みたいにどこか落ち着かない日がある。

子供たちを見ていても、特に息子の方がコロナ前と今とで何かが変わってしまったような気がする

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普段とは違う時間の使い方

普段とは違う時間の使い方

今週は相方が子供たちと3人でキャンプに出かけているので、本当に久しぶりに自分だけのペースで生活ができている。月曜日から金曜日まで、わずか5日間。

結局、何をしているかと言えば、実は普段とそれほど大きくは変わらない。行きたいアートの展示を見に行き、友人に会い、映画を観て、本を読む。そして、毎日の日課をこなす。ピアノを弾いたり、音楽を聴いたりもする。

やっていることは変わらないが、何が大きく違うの

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暫しのお別れ@ベルリン新空港BER

暫しのお別れ@ベルリン新空港BER

とうとうこの日が来てしまった。

昨日辺りからソワソワして何だか落ち着かない。

まずは落ち着こうと、公園に久しぶりに走りに行くことにした。ここ1週間ほど、走りに行く余裕がないほどバタバタしていたのだ。どうしてだろう。

久しぶりに走ると、何だか調子が掴めない。それでも2キロ何とか走り、筋トレも7つのメニューを3セットずつ通してやる。キツいけれど、集中して体を動かすとずいぶん落ち着いた。

家に戻

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ベルリン廃墟ツアー②ベトナム人居住区のアパート群

ベルリン廃墟ツアー②ベトナム人居住区のアパート群

風も強く肌寒い日曜日の朝。今朝は抗原テストを受け、その足で待ち合わせ場所のSバーンへ。そこからトラムをふたつ乗り継いで目的の場所へ。

今日は打ち捨てられたままの「ベトナム人居住区」があるというので、リヒテンベルク区へ向かう。一つ目のトラムを降り、鄙びたトラムの停留所でトラムを待っている間にカメラを取り出して撮影開始。

あれ?モニターに見慣れない色の警告が出ているではないか。いやーな予感がする。

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悪い知らせと良い知らせ〜ベルリンのワクチン接種予約について〜

悪い知らせと良い知らせ〜ベルリンのワクチン接種予約について〜

今朝は朝ごはんを食べる前に、近所のホームドクターのところで血液検査の予約が入っていた。

5月27日に投稿した「ワクチン接種のタイミング」でも少し触れたが、電話連絡をしてワクチン接種のウエィティングリスト上に名前を載せてもらっている診療所である。

5月中旬くらいに連絡を入れたものの、そこから全く音沙汰がなかった。検査ついでに看護師に予約状況を尋ねたところ、こんなことを言われた。

皆さん、連絡が

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