暫しのお別れ@ベルリン新空港BER
とうとうこの日が来てしまった。
昨日辺りからソワソワして何だか落ち着かない。
まずは落ち着こうと、公園に久しぶりに走りに行くことにした。ここ1週間ほど、走りに行く余裕がないほどバタバタしていたのだ。どうしてだろう。
久しぶりに走ると、何だか調子が掴めない。それでも2キロ何とか走り、筋トレも7つのメニューを3セットずつ通してやる。キツいけれど、集中して体を動かすとずいぶん落ち着いた。
家に戻ってシャワーを浴びて出掛ける準備をしていたら、待ちきれなかった子供たちは先に出かけてしまった。今日は友人宅に遊びに行ける最後の日なので、彼らも落ち着かないのだろう。
後からいつもの道を急ぎ足で歩く。ここを歩く機会もこれからは減るのだろうか。もしかしたら、当分は習慣になっているので週に2回くらいは歩いているかもしれない。ありがたいことに、ほぼ同じルート上に行き先もできたからだ。
これだけ長くベルリンに住んでいると、これまでにもすでに何人もの親しくなった友人たちを見送ってきた。
彼らとは不思議なことに、それ以降ほとんど連絡を取り合えてはいないのだ。日本に本帰国した後に、プツンと連絡の途絶える人たちが一定数いる。原因は何となく分かるんだけれど、ここでは敢えて言語化しないでおこう。
今回、見送ることになった友人たちは、これまでのそんな友人たちとはどこか違う。一番辛い時期を一緒に乗り越えた戦友というか、ほとんど家族同然のような。それでいて近すぎもしない不思議な距離感が心地よい。
週に少なくとも1回は必ず会って話ができる、気のおけない友人というのもなかなかいない。これまでベルリンに住んできて、ここまで頻繁に会った友人は、正直初めてかもしれない。だから、「本帰国をする」と聞いたときも全く実感が湧かなかった。「この人たちは当分帰国しないだろう」と、どこかで信じていたからだと思う。正直、見送ったはずの今日でさえまだよく分からない。
まだ外観しか見たことのなかったベルリン新空港BERまで、一緒に行くことにした。そうした方が自分の中でも踏ん切りがつくような気がしたからだ。見送るのは正直苦手で、撮影コーディネーターという仕事上、数日あるいは数週間のロケで一緒になったクルーを見送らなければならないのは本当に辛い。
それが今日は一番見送りたくない友人を見送りに行かなければならなかった。涙腺が崩壊するのでは、と戦々恐々だったが、「また会えるよね」という確信があったからなのだろう。思った以上に平気だった。
今までありがとうございました。これからもよろしくお願いします!
今はそんな気持ちで、次に会える日を楽しみにしている。
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