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ベルリンの非日常

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非難せずただ聞くだけ

非難せずただ聞くだけ

今日は昼前に突風が吹いたかと思うと、一気に外が暗くなり、ゼルダの伝説に出てくるような激しい雷雨になった。そして、なんとなく外に出るタイミングを失ってしまった。雷雨のあと、一瞬だけ涼しくなったが今はまた蒸している。

変な天気のせいか、これまた明るくない話を一気に読んでしまい、ふと昔友人から聞かされたエピソードを思い出してしまった。なぜ今になって。はぁ。

「〇〇さん(私のこと)は善悪で判断しないで

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今頃になってコロナ禍の振り返り

今頃になってコロナ禍の振り返り

「コロナ再評価が近づく」というドイツの公共放送局、第2ドイツテレビ(ZDF)の記事を昨日見かけた。今回の欧州議会選挙の結果を受けて、コロナ禍の政治責任が問われている、といった内容のものだ。

ただ、全ての原因をコロナ禍の「政策ミス」にあるとするのはお門違いである。ベルリンの壁崩壊から東西ドイツ統一の経緯など、これまでに積み重なってきた東西格差などの問題が数多くあると思うからだ。

ドイツの政治につ

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時間を忘れる

時間を忘れる

子どもの時からそうだったが、ひとつのことにハマりやすい。それを早々に見抜いたのかはわからないが、両親は私にファミコンを与えようとはしなかった。その代わりに、と言ってはなんだが父親は毎週のように私に本を買ってきてくれた。

当時、何度も読み返した本は以下のとおりである。

・はてしない物語
・モモ
・ガンバとカワウソの冒険
・ナルニア国物語
・少年少女世界文学シリーズ

最後のシリーズについては正式

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嫌でもコミットすること

嫌でもコミットすること

急に辺りが暗くなり雹まじりの雨が降ってきた。しかも大粒である。息子をサッカーに送り出したのは失敗だった。しかし、この天気。4月下旬にしてはあまりにも寒すぎる。まるで誰かさんの胸中を表すかのような天気である。もう勘弁してほしい。

仕事のメールが来たのかと思ったら、2通目のお祈りメールだった。この応募案件は面接に呼ばれるのかどうかを試すために締め切りギリギリに出したものだったので初めから期待はしてい

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立つ鳥は跡を濁すな〜過去にあったイタイ話①〜

立つ鳥は跡を濁すな〜過去にあったイタイ話①〜

もう時効だから書いていいと思うんだけれど、既婚者の某友人から一方的に縁を切られたことがある。そのメールをもらったときは、なんて失礼な人なんだと呆れると同時に相当精神的に病んでいるのだろう、と僅かな同情を抱きつつ返答を出しておいた。今から思えば、失礼すぎてこちらがブチギレても全く問題のない案件である。

ヤフーメールにはその後、ログインできなくなったので細かなことまでは記憶をもとに書くしかないのだが

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「マルチエントリービザの効用」という走り書き

「マルチエントリービザの効用」という走り書き

古いノートが出てきた。以前、ロシア語の勉強に使っていたらしい。パラパラとめくっていると、後ろの方に走り書きのようなものが見つかった。

日付が見当たらないが、おそらく半年ほどのモスクワでの生活を終え、ベルリンに戻ったくらいのタイミングで書いたものなんだと思う。2001年の夏以降に書かれたものだろう。あの時ほど、ベルリンにふらっと無計画に来てしまった自分の先行きが見えなくなってしまったことはない。

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「いる」の確保

「いる」の確保

お昼を食べながら、読んでいた本の一文に目がとまった。自分ではあまり手に取らない類の本なのだけれど、こういう一文に出会えたりもするので乱読もいいものである。

「いる」をもたらしてくれる人たちの存在。それがないと、人は安心して眠れないらしい。

ううむ。ちょっと唸ってしまった。これまで不眠のようなものに悩まされたことが一度だけあるからだ。

「家」「家族」「居場所」なんかは常に自分の中で解けない類の

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モスクワにリベンジできなくなった

モスクワにリベンジできなくなった

2001年にインターンをしながら半年住んでいたモスクワで感じたそこはかとない違和感。あの時の印象は、残念ながら正しかったようだ。

「ロシアという国も文化もロシア人も大好きだが、どう頑張ってもここには住めない」という苦渋の決断を下して、後ろ髪を引かれつつベルリンに戻ったこと。ベルリンのシューネフェルト空港に着いた途端に、緊張が解けたのか立ち上がる気力すらなかったこと。当時はモスクワでの生活において

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オンラインで繋がるということ

オンラインで繋がるということ

先週の水曜日から世の中が一変してしまったが、まだ1週間しか経っていない。だが、すでにもう1週間も経ってしまったともいえる。状況が好転する兆しは全くない。

Facebookでモスクワ在住の友人の動向を追っていたら、尊敬する友人がキエフの地下鉄の写真を上げているのを見つけた。なぜ彼は今、よりにもよってキエフにいるんだろう。

天才肌の彼のことだ、何か思うことがあって現地に向かったのだろうか。投稿やコ

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久しぶりに3キロ走ってみた

久しぶりに3キロ走ってみた

今日も相変わらず世界情勢に好転は見られず。

それでもベルリンには太陽の日差しが戻ってきて、少しずつ春に近づいているのがわかる。

こんな時は体を動かすのが何よりのクスリ。ロックダウンの時もそれこそ半ばヤケクソになって、毎日取り憑かれたように走っていた気がする。

そこまで追い込むことは足の調子もあるのでできないが、整形外科の先生に言われたように、行けそうであれば3キロ走ってみることにした。

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とうとう書くことがなくなってしまった

とうとう書くことがなくなってしまった

何かが自分の許容範囲を超えてしまったのだろう。今日も全く仕事に手がつかなかった。かろうじて日本へメールを1通送ったくらいだろうか。

コロナ禍やその他の非日常の中では、仕事をしたり、書くことに没頭することでかろうじて正気が保てていたような気がするのだけれど、今回の「戦争」に関してはどうしようもない無気力感に襲われている。

自分の想像力をはるかに超えたことが身近に起こると、それを現実だと捉えること

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また非日常になるのか

また非日常になるのか

いつまでも続くはずの日常生活がある日を境に非日常になる、というのを経験した2020年の春。ベルリンで初めてのロックダウンが施行された時期だ。日常生活ってこんなふうに呆気なく崩れ去ってしまうものなのか、と思わせるできことが続いた。

あれから2年弱。まさか起こらないだろう、とどこかで思い込もうとしていた数日前。それが一瞬で崩れ去った2022年の2月24日。今日の朝から一気に事態が急変した。

ほんと

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また例の夢を見た

また例の夢を見た

今朝方もまた例の夢を見た。

どう考えても大きすぎるモスクワの空港から、モスクワへ向かおうとしている夢だ。

大体、出発空港が到着空港なのだから辻褄が合っていない。夢だからこういうことが自然に起こる。

・・・・・・・・・・

「あ、またここに来たんだな。」

夢を見ながらそんなことを考えたくらい、何度か来たことのある見覚えのある場所。中は迷路みたいになっていて、目的の場所まで辿り着けるようには到

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予想もしないできごと

予想もしないできごと

ひとりで自宅で作業している際に、ふと我に返るような瞬間がある。そしてしみじみこう思うのだ。

「まさか自分が生きている間に、今みたいな状況に陥るなんて一ミリも考えたことなかったな」と。

ここでいう「今みたいな状況」とは、もちろんコロナ禍のことなんだけれど、それ以外にもそう感じた瞬間がこれまでに何度かあった。

こんな風に予想もしないことが起こりうるから人生は不思議かつ面白いんだろうけど、残念なが

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