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■地方移住

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#移住

ZINE『わたしの移住歳時記』試作品ができました

ZINE『わたしの移住歳時記』試作品ができました

こちらの記事でご紹介していた通り、

今回は予算の関係もあり、全編モノクロ印刷です。ですがその分、ボリュームのある仕上がりとなっており、A5版で二段組み、80ページくらいあります。

季語をめぐるショートエッセイが60本ほど収録されています。また、これまで発表した俳句をそのところどころに添えています。

文学フリマ香川にて販売予定です。
価格は800円に設定しようかと思います。

その後、通販を行

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2024/7 ZINE『わたしの移住歳時記』刊行予定

2024/7 ZINE『わたしの移住歳時記』刊行予定

2024/7/28開催の文学フリマ香川に出店します。四国初の開催!入場無料です。

新刊(予定)についてのご紹介を少し。

わたしは東日本で生まれ育ちました。

三年前、西日本の中でも四国に位置する香川県へ引っ越してきたことによって、これまで当たり前だと思ってきた身の回りのもの、例えば、草花にしても、食べ物にしても、習俗にしても、それらがこれまでとは全く別の一面を見せる場面が増えたように感じました

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心が折れた3月

心が折れた3月

2024年3月は心の折れる音がした月だった。

家族全員で2回も風邪を引いた。
たかが風邪ごときで・・・と侮ることなかれ。Iターンの地方移住家族にとって風邪は天敵だ。
実家は遠い。近所に親戚はいない。咳が苦しそうな鼻の詰まった子供をどこに預ければ?
人と会う予定も、楽しみだった旅行もキャンセルして、夫と子供の看病に追われた。
趣味に打ち込む時間や心の余裕がない。一人になれる場所がない。ボリボリお菓

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【妻目線】地方移住に抵抗がなかった理由

【妻目線】地方移住に抵抗がなかった理由

移住に関する本や雑誌をめくっていると「反対する妻を説得するには」、「家族ときちんと話し合おう」などの記述を見かける。

我が家の地方移住のキーパーソンになったのは夫だ。具体的にいうと、夫の転職にわたしが仕事を辞めてついてきた形である。しかし事後承諾ではなく、移住の一年ほど前に夫からあらかじめ「地方の採用試験に応募しようと思っているが、どうか」という相談があった。相談を受けて、わたしはすぐその場で賛

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過去の植木、未来の植木

過去の植木、未来の植木

移住、移住、移住ってよく言ってるけど、今のあなたのアイデンティティー、そこにしかないわけ?移住してたって、そのことを強調しないで、もう次のステージに行ってる人、たくさんいるでしょ?

…という声が、つい最近、自分のなかで聞こえた。

冒頭の言葉で怖がらせてしまった人がいたら、申し訳ない。これは完全にわたしからわたし自身へ向けた内なる声であることをまずお断りしておく。

実家で暮らしていた頃(子供の

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わたしの移住歳時記 夏の思い出

わたしの移住歳時記 夏の思い出

関東から四国(香川)に引っ越してきて、季節の感じ方も少し変わった気がします。

2023年夏の思い出を3つの季語で振り返ります。

白靴2023年の夏は岡山に用事があったので、「青春18きっぷ」を使い何度も瀬戸大橋をわたった。最初は興奮していたが、3回目4回目ともなると橋や海をわたることに慣れてきてしまった。観光客とおぼしき人たちがいっせいにスマホカメラを掲げる様子を、観光客だったことなど一度もな

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引っ越しと言葉

引っ越しと言葉

家族の転職にともない瀬戸内へ引っ越してきて一ヶ月になる。

親戚も古くからの知り合いもいない、見知らぬ町での暮らしがどうなるのか、期待と不安に満ちた一ヶ月間だったが、生活も次第に落ち着き、日常が始まった。

話に聞いていたとおり、うどん屋が多い。しかも格安だ。小腹がすいたなと思うと、視界の範囲に必ずうどん屋がある。

新旧が絶妙に共存しているのも魅力だ。

商店街を歩いていると、東京でも見掛けるチ

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故郷を離れるという希望

故郷を離れるという希望

閉塞感。
実家にしばらく滞在した時、覚える感覚である。

故郷は甲信越地方の、四方を山に囲まれた小さな町だ。
Google Mapで航空写真を見ると驚く。
こんな隙間みたいなところに住んでいるのか、と。

風景にはテンプレートがある。
川を挟み、似たような景色が鏡像のように向かい合っているのだ。
山の下には墓があり、墓の下に畑、住居、川、と標高を下げながら並んでいる。
違う自分になりたくて川の向こ

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