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自分は無力だと感じたときの考え方3選【中編】

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2. 自分が理解できるものに集中しよう

ブルシット・ジョブがあなたの未来を奪う

月収50万円貰えるが、延々と石を積んでは崩されるような仕事に就きたいと思うでしょうか?

「石を積むだけなんてラッキーじゃん」と思う人もいるかもしれませんが、その直感は外れている可能性があるようです。「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」によると、人は何もしない見返りに十分な給料をもらっても幸せになれない可能性があるようです。いや、むしろ、精神的にも肉体的にも(!)深い傷を負う可能性があります。

「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」で紹介されていたエリックのエピソードを簡単に紹介します。

エリックは大学卒業後、ある会社に雇用されました。しかし、実際にはエリックの仕事によって社内の状況が改善されることはほとんど誰にも望まれておらず、やるべき仕事は何もないことを悟ります。それからエリックは反乱行動を見せるようになります。遅刻と早退の繰り返し、デスクで小説を読む、ランチタイムに3時間費やす、フランスの新聞を眺めて時間を潰す。そんな態度をとり続けたにもかかわらず、エリックが仕事を辞めようとするとなんと昇給を提案され辞職を引きとめられました。それからも架空の出張を理由に経費でゴルフに行ったり、ロンドンで飲み明かしたりとエリックの反乱行動はエスカレートしていったのですが、なんとその後もさらなる昇給を提案され、結果的に大金をもらうまでになっていたようです。しかし、エリックは幸せではありませんでした。最終的に架空の出張先で合法麻薬をやりながら3日間過ごしたのち、事の深刻さに気づき、仕事を辞めるに至りました。

なぜ何もせず大金をもらっていたエリックは幸せになれなかったのでしょうか?

本書では心理学で「筋書きの欠如(スクリプトレスネス)」と呼ばれるジレンマが紹介されています。筋書きの欠如とは、みずからの置かれた状況について、どう表現すればいいのか、どのように感じればいいのかが分からないことをいいます。つまり、労働階級出身のエリックは、自分が会社の役に立たないことを歓迎され、会社のために何もしないことによって会社から評価されるというまったく筋が通らない現実と折り合いをつけることができなかったため、現実に対する無力感や惨めさによって心を蝕まれてしまったということです。


あなたのフィールドで活躍しよう

ここから導きだせる教訓は、自分の意志で能力を発揮する機会を作るべきだということです。

エリックに必要だったのは、その機会を自分の目的のために利用することだったのではないでしょうか。つまり、その会社で働きがいを得ることはとっとと諦め、外を自由に歩きまわることができる環境を利用して次の就職のために行動することも可能だったはずです。エリックは仕事を辞めたあと、モロッコの小さい町に移り、空き家を無断占拠して自給自足生活を始めたようですが、他の選択肢も当然あったはずですよね。

では他の選択肢を考える際、何をヒントにすれば良さそうでしょうか?

世界で最も成功している投資家のひとりであるウォーレン・バフェットがヒントをくれています。それは「自分の能力の輪を知り、その輪の中にとどまること」です。能力の輪とは、自分が理解し自信を持って判断できる範囲のことを指します。例えば、得意なこと、興味があること、経験のあること、分かることなどです。それらの中から次の選択肢を考えると良さそうです。

逆にいえば、自分が不得意なこと、興味のないこと、経験のないこと、分からないことはできるだけ避けるべきということでしょうか。あくまで自分の能力の輪に集中し、その範囲内で自分の能力を発揮するのが良さそうです。

例えば、今転職を考えるならAIに関連する分野への転職をすぐに思い浮かべる人が多いかと思います。あなたが本当に興味を持っていたり、プログラミングやその他AIに関連する知識を持っていたりするなら有力な選択肢の1つといえそうです。しかし、もしそうではなく、「今だとAIかな」というトレンドを意識しただけの短絡的な思考になっているなら注意です。確かにAIの分野は今急成長している最中ですが、それはあなたが発揮できる能力とはほとんど関係がないのではないでしょうか。

バフェットでさえ、IT企業への投資に安易に飛びつくわけではありません。


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