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記事一覧
狭い世界で生きる生きづらさからの解放-『さいはての彼女』からの学び[431]
文学分析の勉強のために、原田マハさんの『さいはての彼女』を読みました。今回はIBDPの日本語Aの指定作品リスト(PRL)には入っていない作者の方なので、SSSTの生徒が作品として取り入れることはありませんが、いろんな作家の作品を読んで視野を広げたいと思っています。
今回は、4人の女性の短編物語として、それぞれの女性が日常生活の中で感じる苦しみから、旅を通じて解放されていく様子が描かれています。
違いがあってもダメな子なんて一人もいない『窓際のトットちゃん』から学ぶこと[420]
先日、家族で映画「窓際のトットちゃん」を鑑賞しました。この作品は、1981年黒柳徹子さんが自叙伝として出された作品で、2023年に単一の著者で自叙伝として最も多く発行された著書としてギネス記録に認定されたそうです。それと同時に映画化もされました。
私たちがこの映画を鑑賞したきっかけは、私が何か家族で観られる映画はないかと探していたところ、「窓際のトットちゃん」というタイトルを見た妻が小学生の
「普通」とは何か?資本主義社会で「世界の部品」となった私たち〜村田沙耶香『コンビニ人間』より[410]
2020年にIBDP日本語Aのチューターサポートをスタートしてから、私自身も文学作品が描くそれぞれの世界観や作者からのメッセージに魅了されています。それまで実用的な書籍しか読んでこなかった私ですが、文学の魅力に触れてから、仕事として読むこともありますが、そもそも文学作品をもっと読みたい!という気持ちになっています。
今回記録しているのは、2016年に芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの『コンビニ
時代が変わっても変わらない普遍的な「人間の幸せ」とは?〜カミュ『ペスト』を読んで[265]
自分の興味と文学分析の練習を兼ねて、カミュの『ペスト』を読みました。伝染病が流行し、封鎖された街に暮らす人々はこの作品ではどのように描かれているのか、私たちがここ数年で経験したことと、約70年前に書かれたこの作品を読んで比較してみたいと思いました。そして、作品を読んでいく中で本質的な「人間の幸せ」とは何かについて考えることができました。
作品の内容に関して少し触れているところがあるので、まっ
THE COCKPIT(ザ・コクピット) 「音速雷撃隊」(シーズン1エピソード2)を観て[327]
私はこれまで世界史の教員として、ヨーロッパの歴史を学び、生徒たちと共に学んできました。ヨーロッパの歴史たどってみると、度重なる領土争い、宗教戦争、ナショナリズムの高揚によって大規模な戦争が繰り広げられ、多くの命が犠牲になりました。
そして、2度の世界大戦以降は国際的なつながりが強まり、完全とは言えないまでも、比較的平和な世界を手にすることができました。スティーブン・ピンカーの著書などで紹介され
映画「硫黄島からの手紙」からの学び[094]
映画を観て考えたことを記録しています。この映画は、第二次世界大戦時に激戦地であった硫黄島での戦いを日本側からの視点で描かれている作品です。
相手を「知らない」状態というのは、人間に強い恐怖や不安をもたらすということを改めて感じさせられました。
1人のある若い日本兵が、アメリカ人に対してかなりネガティブなイメージを持っているのですが、彼はアメリカ人に一度も会ったことがありせん。
こ
映画「Fukushima50」からの学び[074]
映画「Fukushima50」を観て私が学んだことを記録しています。
ラストシーンに登場する、吉田所長から伊崎当直長に宛てられた手紙の中に、我々が学ぶべきメッセージが込められているように感じました。
この映画は、門田隆将氏著の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』が原作となっている作品です。東北地方太平洋沖地震に伴って発生した福島第一原子力発電所事故が起こった時に、約5