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日常雑感

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2020年10月の記事一覧

猫日和   75   台風11号猫イワン  多分こうだったんじゃないか劇場

猫日和 75 台風11号猫イワン 多分こうだったんじゃないか劇場

飼い主が莫大な借金を抱えてしまい、返済の目処が立たず、世にはよくあることだが、夜逃げ同然で引越した。
その時、私は10歳になっていた。

「すまないね、ひとりで生きていってくれ」

飼い主は飼い猫に心を残しながらも、去った。猫を連れて行く余裕はなかった。私は誰もいなくなってしまった理由が分からず、何度も灯りのついていない家に戻ったが、飼い主は戻って来なかった。

食べ物もなく腹を空かして公園に行く

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雑記   50   不思議の国のアリスの庭の塗りかけの赤いバラ

雑記 50 不思議の国のアリスの庭の塗りかけの赤いバラ

A large rose-tree stood near the entrance of the garden: the roses growing on it were white, but there were three gardeners at it, busily painting them red.(『不思議の国のアリス』女王のクローケー・グラウンド より。Lewis Carroll)

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雑記   51   Yoshieさんの薔薇

雑記 51 Yoshieさんの薔薇



今年の秋もまた薔薇が咲いた。
毎年5月と9月、薔薇は忘れず咲く。もう10年以上、春、秋、春、秋、と繰り返し美しい花を開く。これをあの世の親友からの通信と私は感じている。

親友のYさんが、癌を発症したのは、もう10何年も前のある年の5月だった。Yさんは母親を60歳で乳癌でなくしていた。「うちは癌の家系だから」と言って、50歳を過ぎてからは誕生日には必ず毎年区民健康検診を受け、加えて、追加の癌検

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雑記   53   高原の日々はいつもと同じように過ぎていく

雑記 53 高原の日々はいつもと同じように過ぎていく



秋になり、木々は紅葉し、ハロウィン用のカボチャがエントランスを彩る。

暖炉に火が入り、

暖炉の火の燃え具合の管理をかって出る消防士が、毎晩

活躍中。

冬支度に忙しい友人は

もう3ヶ月以上、楢の木と闘い、薪作りに精を出している。

清里の萌木の村にあるオルゴール館近くの店の猫は、普段レジのところで寝ているが、時々散歩に出かける。もうだいぶお年のようです。

日暮れには、雲間から太陽が恵

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雑記   54   オジギソウ再び。眠りの不思議ー体内時計

雑記 54 オジギソウ再び。眠りの不思議ー体内時計

オジギソウの栽培は、小学校の理科の教材に取り入れられているらしいが、私は記憶がない。アサガオやヘチマは辛うじてやった記憶があるが、育てて、先生は何を知って欲しいと思っていたのだろうか。
植物は、種を蒔き、水をやり、日に当てれば育つ、ということか。
発芽して、育ち、花が咲いたら実がなり、種が出来る、その種を蒔いたら、また、、、という無限の生命のサイクルのことか。

オジギソウの種が、しまじろうの「こ

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雑記   55   きみ歌えよ

雑記 55 きみ歌えよ

全日本合唱連盟•朝日新聞社主催の「全日本おかあさんコーラス大会」は1978年に始まり、今年で43回目を迎えるはずだった。
その長い歴史の間に、私は、おかあさんコーラスと言われるものに所属したことも、大会を聞きに行ったこともないのだが。
新型コロナによるロックダウンなどの影響で、音楽に関わること全ての機会が、私達から奪われた。
2月から合唱の練習は中止。こちらに意欲があっても、会場が貸してくれない。

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前世への冒険

前世への冒険

『デジデリオラビリンスーー1464、フィレンツェの遺言』(集英社)。森下典子著。
デジデリオ•ダ•セッティニャーノの生まれ変わりだ、と言われた著者が、前世の自分を探す旅に出た時のノンフィクション作品である。
デジデリオは、ダヴィンチやミケランジェロより一世代前の人物である。
大理石を彫刻することについては天才的で、彼の彫った天使の像は、柔らかな子供の頬や巻き毛が、とても石の作品には思えないと言われ

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雑記   59   猫好き国際政治学者 猫の新入社員のいる事務所

雑記 59 猫好き国際政治学者 猫の新入社員のいる事務所

叶わぬ願いだが、万が一もしまた学生に戻れるなら、理論物理学者の佐治晴夫先生と、国際政治学者の藤井厳喜氏には教えを乞いたいと思う。
雑記59は、日本の国際問題アナリスト、政治学者、評論家である藤井厳喜氏の話。
(NASAで働き、ボイジャーにまだ見ぬ星の住人に向けて地球人からのメッセージCDを搭載、中にバッハの曲を入れた佐治晴夫先生の話は、機会を改める。)

藤井厳喜氏には、政治経済関係の沢山の著書が

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