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即決断&即行動のススメ? ファーストチェス理論に学ぶ意思決定の時間術

「コレ、なかなか悩ましい問題ですね…。次のミーティングで議論しましょう」

こういうやり取り、仕事でよくありますよね。私も先日このようなシーンに遭遇しました。個人的には仮説でも良いので1つの解を決めて、検証しながらよりベターなプランへ改善していくスタンスをとっています。そのせいか「議論を持ち越す」のがどうも苦手です。

これは性格もありますよね。慎重に決断したい人はより確からしい情報を集めがちです。しかし、情報を集めたからと言って結論が変わらないことも多いです。一方で、不確実な情報だけでズバズバ意思決定する人もいます。

そこで、今回は意思決定のスピードについて考えます。先行き不透明な今、世の中的に「不確実なシチュエーション」に遭遇している人は多いと思います。そんな中で、いかに状況を判断して前に進むのか、その工夫を見てみましょう。ご参考ください。

考える時間は『5秒』(ファーストチェス理論)

ビジネスの業界では意思決定を驚異的なスピードで下す意思決定のスペシャリストがいます。その代表例がソフトバンク孫正義社長。実際に孫社長にプレゼンをした人から話を聞いたことがありますが、本当のエレベーターピッチで、エレベーターに乗っている数十秒でプレゼンされた情報で意思決定をズバズバ下しているとのこと。

「どんなことでも10秒考えればわかる。10秒考えてもわからない問題は、それ以上考えても無駄だ」

これは孫社長の発言。この考え方はファーストチェス理論という理論に則った思考法です。

【ファーストチェス理論】
ファーストチェスとは、チェスを競技する際に5秒以内に打つというルールを指す。「5秒で考えた手」と「30分かけて考えた手」は実際のところ86%が同じ手であることが明らかになった。このことをファーストチェス理論と呼ぶ。

孫社長の言う「10秒考えれば十分」という言葉には、まさにこの理論に裏付けされた言葉ですね。

孫社長はアリババ創業者のジャック・マー氏と面談し2000万ドルの出資を決断しました。その面談時間はたったの6分だったというのは有名な話です。その後アリババが大成功を収め、莫大なリターンを得ることになります。

この孫社長の10秒で意思決定するスピーディな判断についてはこちらの書籍でも紹介されています。リスクを成功に導くメソッドがぎっしり詰まっているので、ビジネスで判断が求められる人には是非オススメの一冊です。


会議とは「決定」する場所

冒頭のような「議論を持ち越す会議」は極めて生産性が低い仕事と言えます。会議には複数の参加者が一同に集います。その会議のタイムコストを考えた事があるでしょうか。これは経営層の意思決定会議など、上層部になればなるほど莫大なタイムコストが掛かっています。

そのコストを掛ける価値はどこにあるのか。それはビジネスが前に進むための「決定」をすることにあります。「議論を持ち越す」とはそこに掛けたタイムコストを活用していないとも言えますね。非常にもったいない行為なのです。

このタイムコスト意識があれば「より短時間で」「より良い決定をする」ということに意識が向きます。これらを追求することが生産性の高い会議となっていきます。

逆に会議の時間が長ければ長いほど、人は自分の答えに理屈や言い訳を探す時間を見つけてしまい、非生産的な会議の色が濃くなっていきます。

決定を下す時は「ファーストチェス」の理論を活用し、参加者の脳みそをフル回転で働かせ有意義で効率的な会議を目指しましょう。


「悩む」 と 「考える」 は違う

冒頭で挙げたシチュエーションでは「悩ましいですね」という言葉があります。この「悩む」「悩ましい」という状況はどういう状況なのでしょうか。似た言葉で「考える」という言葉もあります。

この「悩む」と「考える」は大きく異るニュアンスがあります。私の感じるこの2つの比較はこんな感じです。

「悩む」
・思考が堂々巡りしている
・解決の糸口が見えない
・答えが出ない
・息苦しい

「考える」
・次のアクションに向かっている
・前に進んでいる
・答えが出る
・創造的
・前向き


会議で結論が出ないのは考えているフリをして、悩んでいる状態です。でも本人達は悩んでいることに気づいていない。大事なのは、「悩んでいる」状態に気づき、なるべく早く「考える」にスイッチすることです。

そして、「悩んでいる」時にやりがちなのが新しい情報を探すことです。情報が不足しているから答えが出ないと思いがちです。しかし、大切なのは何に対して考える必要があるのか、という「問い」です。そもそもの「問い」がずれているから考えられずに悩んでいる状態に入ってしまうケースが多いです。

何を考えるべきなのか、については以前記事にまとめましたのでこちらもご参考ください。


「悩む」は病気?

そもそも「悩む」とはどういう意味の言葉でしょうか。辞書で調べるとこう説明があります。

【悩む】
1 思いわずらうこと。心の苦しみ。
2 やまい。病気。

「やまい」、「病気」という言葉が載っているのは穏やかではないですね。結構深刻な状態と言えます。なるべくなら未病のまま切り抜けたいところですね…。

考えても答えが出ないシチュエーションに出くわしたら、それは「悩んでいる」状態の入り口にいます。そんな時は、何を考えるのかという問いを見直し、正しく「考える」方向に舵を切り直しましょう。この意識を持つことで、無駄に悩まずにより良く考える習慣が身についていきます。


まとめ

仕事では「悩ましい」状況に出くわすシーンは多いです。うんうん考えて思考や議論が堂々巡りしてしまいます。それは非常に生産性の低い状況と言えます。

そんな時は「ファーストチェス」の理論を活用し、短時間で決めてしまうことです。短時間で出した結論も、熟考して出した結論も大差はありません。それよりも決めて前に進むことです。その先で、学び、修正し、改善していけばよいのです。

決めずに進まず、時間だけが過ぎていくことがビジネスでは大きな機会損失となり、避けなければならないリスクです。

とは言え、結論を出せないシーンもあります。そんな時は、考えるテーマや問い自体が本質とズレている可能性があります。「今自分は何を考えなければならないのか?」という疑問に立ち戻り、考えるべきことを考えるのが解決の糸口となりえます。

今、自分は「考えて」いるのか?
今、自分は「悩んで」いないか?

そんな「?」を自分に問い、思考のループに陥らないようにしましょう。

正しい問いと対峙し、建設的に考えを進めて行けるとよいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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