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脱ランキングの視点 noteの運営に学ぶ「個」と「自分」を大切にする工夫とは?

「noteが考える『創作活動の継続』とはこんな崇高な想いがベースにあったのか…」

最近、改めて知ったnoteのポリシーに感銘を受けました。noteには一般的なメディアには実装されているある機能がありません。それは「ランキング表示」。

この事実を知った時、自分が日々の生活でいかにランキングに頼った毎日を過ごしているかに気付きました。そして、その裏で見落としたり気づいていない事、失っている事がたくさんあることも同時に自覚しました。

今回は「ランキング」がもたらすものについて、豊かに生きていくための工夫を考えます。

ランキングの功罪

例えば、レストランを探す時、家電を購入する時、何かアプリをダウンロードする時、多用しているのがランキング情報ではないでしょうか。サービスによっては「ランキング表示」は有料会員のみに提供する、といったケースもあります。それほどランキング情報に人々は価値を感じているということです。

では我々はどうしてこれほどランキング情報を気にしてしまうのでしょうか。そこにはランキング表示が人の心に影響を与え、態度変容を促すからくりがあります。そのひとつがバンドワゴン効果。

バンドワゴン効果
「人が持っているから自分も欲しい、流行に乗り遅れたくない」と言う心理が作用し、他者の所有や利用が増えるほど需要が増加する効果のこと。 「バンドワゴン」は行列の先頭をいく楽隊車を意味します。「バンドワゴンに乗る」とは、時流に乗る、多勢に与するということを意味します。

ランキング1位の商品やサービスには「こんなに人気があるのなら、きっと良い商品なんだろう」と期待してしまいます。自分が詳しく知らないカテゴリーであればあるほど、自分の価値観に自信がなかったりします。そんな時は多くの人に支持されているものに関心を寄せやすく、「みんなが支持しているものは良いものだ」と無意識のうちに思ってしまいがちです。

ランキングを重視する考え方を仮に「ランキング思考」と呼ぶなら、この思考パターンは効率の視点を優先した思考と言えます。短時間で自分に利のあるものを探すという考え方です。日々忙しく生活している我々にとって、効率良く情報にたどり着くためのランキング思考は有効なケースも多いです。

一方で、常にランキング思考ばかりでいるのは良くない側面もあります。3つのポイントでまとめます。

1.思考停止
一番の負の側面は「思考停止」、つまり考えることをやめることにあります。「ランキング上位だから大丈夫」と思った時点で、それ以外の選択肢に目が行きません。また、「みんなが選んでいる」ことと「自分の価値観」がシンクロするかは分かりません。

2.多様性を失う
ランキング思考はいわばメジャーなものだけに目を向けるということです。それは一方でマイナーな価値のあるものを除外するということであり、多様性を失い、可能性を狭める行為でもあります。

3.自分を見失う
「ランキングに頼る」とは、「自分を頼らない」という言い方もできます。同調圧力という言葉があります。これは少数意見を有する者に対して、暗黙のうちに多数意見に合わせるように誘導するという意味。ランキング思考でいると自分の意見の優先順位を下げることにつながり、ひいては自分を見失う可能性もあります。

ランキングは便利ですが、頼り過ぎると自分にマイナスの影響を与えかねないのでうまく付き合っていきたいですね。

noteにランキングがない理由

noteのミッションステートメントは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」です。とても優れたステートメントだとつくづく感じます。このミッションを実現するためにnoteが大切にしているのが「作り手のモチベーション維持」だと言います。

以下、ピースオブケイクCEOの加藤貞顕さんのイベントでお話された言葉です。

noteには特徴的な点があって、ランキングがないんですよね。サービスの思想として、置かないと決めているんです。ランキングがあると、段々とコンテンツがそこに収斂していきます。人はみんな、ランキングが大好きです。僕もニュースサイトなどを見ている時にはつい押してしまいます。でもそうすると、結局刺激的な見出しや、悪口のようなものになりがちですよね。僕はnoteをそういう「街」にしたくない。当然、ランキングなしでも読者にしっかり読んでもらうとなると、よりインテリジェントな(読んでもらうための)仕組みが必要になりますが、それでもです。そこまでしてコンテンツの多様性を担保したい、と考えています。

とても素敵な考え方だと思います。加藤さんはnoteというサービスを創る上で「心地よい街づくり」を目指しているとのこと。このnoteを読んでいるみなさんも、この記事を書いている私も、この「心地よい街」の住人ということですね。

今は誰もが発信者になれる時代です。youtube、SNS、最近は音声による配信サービスも増えています。このnoteというフィールドも正にそうですね。ただ、それを「続ける」のは難しい。その要因の一つが「モチベーションの低下」です。

例えばある記事を発信した時にディスられると気持ちが折れそうになります。私も過去に心無い言葉をもらったことがあります。「そんなつもりじゃなかったのに…」「書くんじゃなかった…」と凹んだ経験があります。

誰しも発信したものは「作品」ですのでディスられたくありません。ランキングがあることで、誰もが上位を目指すことがゴールになってしまい、注目を集めるためにどんどん刺激が強まっていく。刺激的な内容には刺激的な反応が返ってきます。

ディスられた結果、疲弊し、モチベーションが低下し、創作活動が続かない。つまり、ランキングは創作活動を「続ける」上で、障壁になるケースが多いということです。

ランキング思考で人の上に立つのを目指すのではなく、自分のアウトプットに価値を置き、創作を続ける。そのプロセスで学び、成長することを目指したいと改めて思います。

一人ひとりの「ありがとう」の見える化

ランキング思考の良くない点の一つが先にも紹介した「多様性を失う」、つまり「個」が見えなくなる点です。ランキング上位に視線が集中し、ランキング外の「その他大勢」にはスポットライトが当たりません。しかし、その中にもキラリと光る原石はたくさん転がっています。

また、ランキング上位を支えている人達の顔も見えません。なぜなら数字で語られるからです。例えばnoteがランキングを採用し、ビュー数、スキの数で記事をランキングした時に、その数字ばかりに注目が集まりますが、その数字の奥には人がいます。その人の温度が感じられなくなります。

noteがランキングを採用しないことで、この「人の温度」が感じられるコミュニケーションが生まれているように思います。そして、この「人の温度」を感じる上で、noteには非常に素晴らしい仕組みがあります。それは「サポート」機能。

これは言わば「チップ」の文化を取り入れているということだと思います。海外に行ってレストランやホテルで素敵なサービスを受けたらチップをはずみます。私はこの「ありがとうの見える化」としてチップを渡す文化がとても好きです。

noteでは有料の記事を「買う」だけでなく、無料の記事に対しても読み手が「ためになった!」「良い内容だ!」と思ったら、自主的にサポートという形でチップを渡せる仕組みになっています。

こうしたミニマムな感謝のやりとり、個人が個人とつながり、そのコミュニケーションに価値が生まれる場所になっているのがnoteの素晴らしいところだと思います。

加藤さんはこんな言葉を取材の中で残されています。

続けて(発信して)いる人の特徴を見ていると、コンテンツを通じて仲間ができているんですよね。見てもらって、共感してもらって、仲間ができる。それはお金だけの話じゃなくて、人生の幸福の一番の要素なのではないでしょうか。

これはとても共感できる素敵な言葉ですね。私もこのnoteというフィールドで仲間を創っていけたらと思います。共感いただける方は是非コメントください(^^)

まとめ

今回はランキングがもたらすものについて考えをまとめてみました。ランキングは使い方次第で非常に効率的に情報を集め、判断することができる便利なものです。

しかし、その一方で、ランキング思考に頼り過ぎると、思考停止、多様性の欠如、最悪自分を見失うあるいは自分に自信が持てなくなるといった、ネガティブな影響を与えかねない側面を持っています。上手に付き合っていきたいですね。

そして、noteというこのサービスがランキングを実装していない「理由」を知ることで、改めてnoteが個人の創作活動をサポートしていること、またその創作活動を「続ける」ことを応援していることを再認識しました。

これからも「個人の創作」を大切にしていきたいですし、「感謝のやり取り」の中で、良いコミュニケーションが生まれて行けたら良いですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


どんな感想でも構いません。この記事を読んで、思ったことがあれば一言でも結構です、コメントを残して頂ければと思います。そこから「会話」が始まっていくように思います。


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