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日商簿記は転職でのコスパ最強資格!?



【Co-WARCサイトオープン】

WARCに所属している公認会計士・税理士の皆さんで組織された会計コンサルチームであるCo-WARC(コワーク)のサービスサイトがオープンしました。
是非御覧ください。


はじめに

この連載では、主にベンチャー企業に勤めている方々、及びベンチャー業界への転職を検討している方々向けに、転職で役に立つ(かもしれない)資格の解説をしております。

今回取り上げる資格は「日商簿記」です。


1.日商簿記とは

認知度でいえば全資格の中でもトップクラスに入ると思いますので、説明は不要かもしれませんが、一応日商簿記とは何なのかというところから解説させていただきます。

日商簿記とは、日本商工会議所が主催している簿記の検定でございまして、日本で最も知名度の高い資格の一つです。
ただ、これだけの知名度がありながら、実は国家資格ではありません
一方で、ただの民間資格なのかというとそうでもなく、日商簿記1級を持っていると国家資格である税理士の受験資格が得られることなどから、公的な側面を持っています。
そのため、諸説あるものの、一応公的資格として位置づけられています。

なお、念のため「簿記」についても解説しておきます。

簿記とは、企業が行う経済活動を記録・計算・整理して、帳簿に記載することをいいます。
要するに、お金の出し入れの記録を帳簿に正確に記載する技術を測る検定試験です。

企業の主な目的の一つは、利益を出すことであり、株式会社のオーナーである株主等にその経営成績(利益がどのくらい出たのか)を開示する必要があります。
また、税金を支払う際にも、どのくらい利益が出ているのかを申告する必要が出てきます。
その「利益」を計算するためには、簿記の技術が必須なのです。

日商簿記を取得しておくと、どの程度の簿記能力があるのかを証明することができます。
ちなみに、簿記という分野は「会計学」に属し、会計学の基礎といえば簿記なので、一般的には会計学を学ぶ ≒ 簿記を学ぶということになります。



2.受験資格及び試験料

日商簿記には受験資格がありませんので、誰でも受験することができます!

試験料は級によって異なりまして、以下のようになっております。

3級:2,850円 年3回開催
2級:4,720円 年3回開催
1級:7,850円 年2回開催

なお、日商簿記3級と2級については、CBTというパソコンで受ける形式もありまして、その場合は極論すると毎週でも試験を受けることができます!
最近では、CBTの方が主流になってきていると思います。
自分で決めた時間にテストセンターに行って気楽に受けられるので、2級まではCBTで取得するという方が多いと思われます。



3.試験の内容

試験の内容は簿記そのもので、基本的には電卓で計算して、正確な数値を書き込む(CBTの場合はキーボードで打ち込む)という作業です。

各級におけるレベル感は以下のとおりです。

【3級】
業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。

公式ホームページより

【2級】
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。

公式ホームページより

【1級】
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。 合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。

公式ホームページより


3級までは商業簿記のみが試験範囲となっておりますが、2級以上からは工業簿記も入ってきます。

商業簿記とは、主に商業(サービス業など)を対象とした簿記で、比較的身近な分野なので学びやすい科目です。

一方で、工業簿記とは、主に製造業などの工業分野に適用される応用的な簿記で、イメージがし辛い分野です。
工学部などを出ている人にとっては理解しやすい分野なのですが、一般的には難易度が高い分野かなと思います。
ただ、2級までの範囲であれば何度もやっていればコツがわかってきて「ほぼ同じような出題」なので慣れで解けるようになります。

なお、2級と1級との間には恐ろしいほどの隔たりがありまして、急激に難易度が上がります。

目安としては、3級なら1~2ヶ月あれば誰でも合格でき、2級でも2~5ヶ月程度で合格可能だと思います。
しかし、1級は1年で合格したら早い方だと思うくらいの難易度です🙄

この記事の発行母体である株式会社WARCは、公認会計士らが創業した会社なので、今でも社内に公認会計士がゴロゴロいます。
彼らのほとんどが日商簿記1級を持っているので、社内にいると感覚がバグりそうになりますが、けして会計の初歩的な試験ではございません。

公認会計士のメンバーに聞いた限りでも「2級までは独学で全然いけるけど、1級を独学で取るのは効率が悪いので普通は予備校に行く」というレベルです。
もし1級を目指そうかなと考えている方がいれば、予備校を検討しましょう!



4.日商簿記は転職で役に立つか

では、本題に入ります。
日商簿記がどれだけ転職で役に立つのかについて話していきましょう!


(1)転職での有利性


まず、転職での有利性についてですが、これは言うまでもなく高いです。
日商簿記を持っていてマイナスの評価を受けるなんてことはまずありません。
知名度、ビジネスでの活用度、費用対効果など、すべてにおいてトップクラスの資格といって良いかと思います。

そして、日商簿記の優れている点は、経理や財務以外の職種であっても有効であるという点でしょう。
一部の例外的な職種を除いて、ほぼ全ての職種で有益な資格だろうと思います。

そもそも会計はビジネスの共通言語と呼ばれているほど重要なものです。
管理職になって経営に参画するようになっていくと、その重要性はさらに増していきます
会計の基礎的なところがわかっていない状態では、マネジメントなんてできません。

「全社員に日商簿記を取らせたい」と言う経営者も多いので、職種に関係なく、学んでおいて損はないと思われます。
そのため、資格を実際に取得するかどうかは別として、できればビジネスマンの全員が学ぶべき分野です。

会計がわからないと経営なんてできない



(2)何級を取ればいいのか


もし取得する場合は、目安として2級までの取得が推奨されます。

ただし、経理財務、経営企画、IRなどの会計専門職として活躍したいのであれば、できれば日商簿記1級の取得を目指しましょう!
実際に取得できるかどうかはさておき、一度は1級の全体を学んだことがあるという状態にしておくべきです。

転職市場での評価についても具体的にお話していきます。

まず、転職市場を見る限り、2級取得者は相当数存在します。
2ヶ月~5ヶ月程度で取得できる資格であるがゆえに、保有者も多いのです。
営業職であっても、優秀な方は大抵2級までは取得しています。

しかし、1級の保有者はほとんどおらず、会計専門職の中でも1割程度しか保有者がいません。
ということは、それだけ希少価値が高い資格であるということです。

以前、とある転職サイトで会計専門職を探していたとき、ふと気になったので日商簿記1級保有者の現在の年収帯を調べてみたことがあります。
すると、そのサイト内に存在する日商簿記1級保有者の年収平均値は750万円程度でした。

相当高いですよね?
肩書についても、大半の人が「経理マネージャー」「経営管理部長」「経営企画室長」「会計コンサルタント」などとなっていて、社会的に地位の高い役職に就いているようでした。

一方で、数が多くて全員を調べることはしませんでしたが、同じく日商簿記2級保有者を1級のときと同じくらいの人数で無作為に選んで、平均値を出してみたところ450万円程度でした。

2級保有者の年齢は比較的若い人が多いので、資格だけの差異であるとはいえませんが、少なくとも1級を保有していて年収が下がってしまうということはなさそうです。

知人経営者らに聞く限りでも、日商簿記1級保有者は「経理メンバー」ではなく「経理マネジャーや管理部の部長クラス」の候補者だと認識されているので、提示する年収帯も相対的に高くなることが多いです。
これはとても大きなメリットです。
年収帯が200万円くらい跳ね上がりますから😍

1級はけして優しい試験ではありませんが、会計専門職として生きていくのであれば是非とも取得したい資格です。
そして、すでに1級を持っている人や実務経験を積みながら今も1級合格を目指している方、是非WARCのコンサルタント職をご検討ください🤣



(3)今からでも取るべきか


今からでも日商簿記を取るべきかどうかは、年齢や職種次第だと思うので、場合分けして考えていきます。

まず、年齢が20代であれば取得するメリットは大きいと思います。

若い頃に会計の基礎を学んでおくと、会社の事業活動を会計的視点で見ることができるようになります。
日頃何気なく使っている備品やPCが会計上どういう扱いになっているのかを考えたり、自分が上げている売上のうち、どの程度が利益になっているのかを考えたりできるようになります。

こういう視点は、先々管理職になったときに極めて重要な視点で、会計的に経営を見られるマネージャーはとても貴重で優秀です。
だからこそ、先々管理職を目指すのであれば、若いうちから簿記を学んでおくべきだと思います。

その他にも、経理財務、経営企画、事業部長等を目指している人たちにもオススメの資格です。
そういう職種を目指す人にとっては、2級までは必須といえます。
そして、先々管理職まで上り詰めたいと考えているのであれば、1級まで取得しておきましょう!


一方で、30代以降の人で、会計専門職以外の職種に就いている人の場合は、簿記を取得することにそこまで大きなメリットはありません。
そのため、資格の取得自体は不要かもしれません。

しかし、30代以降で会計の基礎がわかっていないというのは、ビジネスマンにとっては致命傷になり得ると思うので、常識として学んでおいた方が良いと思います。
このとき、簿記のメイン科目である「仕訳」を中心に学ぶのではなく、BSとPLの読み方を中心に学ぶと良いでしょう。
その方が即効性があります。


おわりに

ということで今日は日商簿記について解説させていただきました。
数ある資格の中で1,2を争うほどコスパの良い資格なので、全ビジネスマンが学んでおくべき内容だろうと思います。

そして、経営管理部門の転職市場においては、簿記2級以上を持っていると様々なメリットがあります。
ある程度会計がわかる人という目安になるため、候補者検索で引っかかりやすくなるのです😁
その分、スカウトも来やすくなります。

すでに簿記2級までは持っているという人も多いと思うので、取得済みの皆さんは是非SYNCAにご登録ください👍
ベンチャー企業の経営管理部門に特化した転職サイトなので、ベンチャーへの転職を検討している人にとっては有益なサイトだと思います。


では、また書きます!


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この記事は、株式会社WARCの瀧田が担当させていただいております。
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【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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