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書評

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#ラディカリズム

【書評】『連続革命と毛沢東思想 文化大革命と九全大会以後』菅沼正久[1969] 非実在(永久)革命論

菅沼正久[1969]『連続革命と毛沢東思想』三一書房.評価:☆★★★★

 いきなり冒頭から、

という文章で始まる、1969年7月15日発行の文化大革命礼賛本である。新左翼系の理論書を取り揃えていた三一新書(三一書房)の一冊だ。
 著者の菅沼正久の当時の肩書は、奥付によれば、本州大学助教授、協同組合経営研究所研究員、中国研究所所員。親中派の御用学者によるプロパガンダ本と言ってしまえばそれまでだし

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【書評】『闇の精神史』木澤佐登志[2023] ジャンクな疎外論

 本題とは関係のない近況報告――
 下に載せるのは、1月1日の朝に書き上げた書評である。その日の夜、校正してnoteに投稿するつもりでいた。
 知ってのとおり、その日の16時10分、能登半島地震が発生。金沢市の私の自室では、2メートルを超える本棚が倒れ、床中に本が散乱し、とてもパソコンからnoteを更新するどころではなくなってしまった。
 地震発生時、私は外出中だったが、部屋にいたら高確率で死んで

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