木澤佐登志

我〈闇の時代の騎士〉たらんとす
+6

我〈闇の時代の騎士〉たらんとす

書評:江永泉、木澤佐登志、ひでシス、役所暁『闇の自己啓発』(早川書房) とても面白く読ませてもらった。オススメである。 本書についての総合的な評価は、先行「蛸」氏のレビューが、過不足なく当を得ているので、そちらを是非ともお読みいただきたい。 一一したがって、私のレビューは、個人的な観点から、本書の「存在価値」について考えてみたいと思う。 当読書会の4人のメンバーに共通するのは「生きづらさ」を感じている、ということであろう。「蛸」氏も『4人の参加者の議論の根底には、「このど

スキ
4
〈エリート小児病〉的世界

〈エリート小児病〉的世界

書評:木澤佐登志『ニック・ランドと新保守主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』(星海社新書) 本書は、ニック・ランドという陰鬱かつユニークな思想家の出自と、その影響下にある「新保守主義」の思想を紹介している。 ごく大雑把に言えば、彼らの思想の根底にあるのは「制限された生への苛立ちに発する、破壊的な自由願望」だとでも言えるだろう。 彼らは、基本的に、自分たちが「優秀」であると自認している。だからこそ、国家や民主主義という卑俗な制度は、自分たちの聖なる自由を制限し、自分たちの

サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』から10年――再来を遂げた「リバタリアニズム(自由原理主義)」とは?

サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』から10年――再来を遂げた「リバタリアニズム(自由原理主義)」とは?

by 早川書房ノンフィクション編集部 2010年5月22日、一冊の哲学書が刊行された。ハーバード大学のマイケル・サンデル教授による『これからの「正義」の話をしよう』。 NHK「ハーバード白熱教室」の効果もあり、本書はこの年を、そして2010年代を代表するベストセラーのひとつとなった(2020年2月10日現在99万部。電子版を含む)。 さまざまな事例を出して「君ならどう考えるか」と学生に問いかける講義スタイルで人気を博したが、サンデル教授自身の立場はコミュニタリアニズム(

スキ
44
友の会会員が選ぶ「今年の3冊」DAY.8

友の会会員が選ぶ「今年の3冊」DAY.8

かご選:若手著者による人文書3冊 歳を取ったということもあり、話題の本や著名な作家の作品を読むより、次世代の著者を発掘したいという思いに至り、ここ数年は、小説は芥川賞の候補作を読んだり、人文分野の気鋭の著者・訳者のトークイベントに足を運ぶということをしている。 その中から今年の3冊を挙げると、偶然にも著者(及び訳者)が、揃って昭和の終わり頃の1988年生まれだった。 ①『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』(木澤 佐登志、星海社新書) 現代思想の

スキ
5