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【書評】『闇の精神史』木澤佐登志[2023] ジャンクな疎外論
本題とは関係のない近況報告――
下に載せるのは、1月1日の朝に書き上げた書評である。その日の夜、校正してnoteに投稿するつもりでいた。
知ってのとおり、その日の16時10分、能登半島地震が発生。金沢市の私の自室では、2メートルを超える本棚が倒れ、床中に本が散乱し、とてもパソコンからnoteを更新するどころではなくなってしまった。
地震発生時、私は外出中だったが、部屋にいたら高確率で死んで
【書評】『アナキズムとキリスト教』ジャック・エリュール[2021]
エリュール,ジャック[2021]『アナキズムとキリスト教』新教出版社編集部訳,新教出版社.評価:☆☆☆★★
キリスト教的思惟の奥深さを思い知らされる一冊だ。あるいは、「根深さを」というべきだろうか。
著者は、1930年代の「非順応主義」と呼ばれる運動を経て、プロテスタント神学の立場から「キリスト教アナキズム」というべき特異な思想を展開するに至ったフランスの知識人、ジャック・エリュールだ。