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定食屋さん

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食を通じて感じたこと
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#エッセイ部門

お翼けお涙いらないの

お翼けお涙いらないの

校長先生から放課後にお話。
「今年度は専科で、一人だから寂しい思いをさせてるよね。大丈夫?ごめんね…」
と。

その通り。分かり切ったことを聞かないで欲しい。
悪い方じゃ決して無いのだが、『それでも私を選んだのは貴方ですよね?』という暗い感情が頭をもたげる。
学年部で皆さんが動いている中、入りづらく思うこと。
生き生きと活躍する同期や後輩と比べて、感じてしまう劣等感や羞恥心。
私なんて居なくてもい

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平日休みの日は少し遠出したい

平日休みの日は少し遠出したい

今日は珍しく平日休みの日だった。
平日にできることをしておかないと!
朝から張り切ってやるべきことを書き出す。

・病院に行く
・銀行に行く

…これだけじゃ味気ないな。
折角の平日休みだし、何か行きたいところ無かったかな?

そうだ!いつもは行列で泣く泣く諦めるカレー屋さんに行きたい!

ということで、やるべき事を午前中に済ませて車でカレー屋さんへ。
ちょっと遠いけれど、ラジオ2本分の距離と思え

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置かれた場所で咲く花に

置かれた場所で咲く花に

今日は、コメダ珈琲でモーニングをするって決めていた。
たっぷりサイズの珈琲を頼んで、ゆっくり考えたいことがあったから。



来年度は担任外になるかもしれない。
なんだかんだ言いながら、教員の仕事が好きだし、教員であることに誇りを持ってる。
特に担任として、一番近くで子どもたちの成長を見守れることに大きな魅力を感じてきた。
だからこそ、この人事に傷ついた自分がいる。
戦力外通告ってこと?私は必要

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休日の朝が好き

休日の朝が好き

今週は珍しく何も予定の無い週末。
平日の朝はあんなにうだうだ布団の中に居るのに、今朝は6時半にはスッキリ目覚められた。
やっぱり休日の朝が一番好き。

彼と会う土曜日の朝も楽しみだけれど、準備と彼の住む町へ向かう運転で一瞬にして過ぎ去ってしまう。
その点、1人の休日の朝は自分のやりたいことだけで埋め尽くせる。

平日、帰ったらバタンキューでなにも出来ない。寝に帰るだけ。
その分、家事は土曜の朝にす

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食べる 笑う 生きる

食べる 笑う 生きる

「ただいま。」
仕事から帰り、誰もいない部屋に向かって声を掛ける。
今日はちょっと授業が上手くいった。
いつもは帰って一人反省会鬱々タイムを過ごすことが多いけど、今夜は珍しくご飯を作りたい。自分にご褒美だ。

かぼちゃと人参たっぷりのクリームシチューにしよう。
一口大に切った鶏もも肉、玉ねぎをバターで炒める。
くたっとなったら、レンジでチンした人参とかぼちゃを入れる。
コンソメの代わりに、魔法の調

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料理の中の機微

料理の中の機微

料理の中に存在する様々な機微。
炒めるうちに水分が抜けてパチパチと跳ねる油の音。
じっくりことこと煮た時の、ふわっと出汁が香ってくるあの優しい瞬間。
揚げ物をしている時の衣が狐色に変わりゆくのを見るわくわく感。
糠床を混ぜている時、手に当たるふんわり柔らかな糠と瑞々しい野菜の感触。
それらの繊細な機微を愛おしく思う。

「手を入れるほど素材の味は落ちる」
という言葉を聞いたことがある。
あれもこれ

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