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料理の中の機微
料理の中に存在する様々な機微。
炒めるうちに水分が抜けてパチパチと跳ねる油の音。
じっくりことこと煮た時の、ふわっと出汁が香ってくるあの優しい瞬間。
揚げ物をしている時の衣が狐色に変わりゆくのを見るわくわく感。
糠床を混ぜている時、手に当たるふんわり柔らかな糠と瑞々しい野菜の感触。
それらの繊細な機微を愛おしく思う。
「手を入れるほど素材の味は落ちる」
という言葉を聞いたことがある。
あれもこれも調味料を入れたり飾り付けたりする料理はあまり好まない。
味付けはシンプルに、三つぐらいでよい。
一応言及するが、手を入れないとは雑に料理するという意味ではない。
アクを取る、甘皮を剥く、泥を落とす、そういったことは雑味を取るためにきっちりやる。
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残り物をアレンジするのも好きだ。
料理は工作に似ている。
これとこれを組み合わせたら合うんじゃないかな?という自らの想像力を試す。
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少し手の込んだ料理を作った日は、
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写真は野菜たっぷりトマトスープをリメイクしたもの。
食べる人のことを考えて下処理をする時間、
相手意識によって食材に愛が宿る。
手で触れて、目で見て、耳で聞いて、香りを吸い込んで、最後に味見。
そういった行程を経てやっと1品が出来上がる。大切にすればするほど食材は応えてくれる。
飾らなくていい。ありのままがいい。
余り物だって美味しく生まれ変われる。
作っている時から五感で料理を味わうのが幸せ。そして、食べる人も幸せになってくれたらいいな、なんて願いを込めて料理を作る。
…食べるのが自分でも。笑
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