見出し画像

気仙沼市の高校生たちが想いと活動を発表|MY PROJECT AWARD 2024

ぬま大学第10期最終報告会から2週間が経つ2024年12月1日。気仙沼市の高等学校に通う生徒のマイプロジェクトを発表する「MY PROJECT AWARD 2024」が開催された。

「MY PROJECT AWARD 2024」では、気仙沼市の高校生が、自身のやりたい事や探求したい事をマイプロジェクトとして掲げ、その達成に向けて活動した内容の報告を行っている。

2017年から始まり、今年で8回目となる本イベントでは、9組10名の高校生がエントリーし、各々の取り組んだマイプロジェクトについて、90名以上の来場者の前で発表することとなった。マイプロジェクトのラインナップは以下の通りである。

  • 私の技能実習生への熱い思いを語ります!!

  • 医療的ケア児と家族と作る特別な思い出

  • 『CoCoカフェ』〜あなたの居場所 今ここに〜

  • ホヤぼーや全国展開!!

  • アンガーマネジメントのアンガーマネジメント

  • 生徒の声を生かす学校教育

  • シン・鹿踊りのはじまり2.0

  • バリアフリーで観光しやすく

  • 深く謎解く気仙沼!!

「生徒の声を生かす学校教育」は、今回聴けなかったため、全8組9人による発表が行われた。1人多く見えるのは、「ホヤぼーや全国展開!!」が2人で取り組まれたマイプロジェクトだったからである。

MY PROJECT AWARD 2024 の感想をつらつらと書き記す〜内湾朝市とお昼を添えて〜

内湾朝市の様子
内湾朝市の様子

「MY PROJECT AWARD 2024」の会場である、気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ(Pier7)を訪れると、内湾朝市が行われていた。「MY PROJECT AWARD 2024」の開始時間が13時だと思っていたところ、実際には13時30分で時間に余裕が生まれたため、ブラッと歩く。

以前訪れた潮風きくらげとみやかふぇの出店を回った後、RSTに入る。

RST:ホットドッグ
RST:展示
RST:ウェルカムボード

実のところ、ぬま大学第10期最終報告会のときもRSTを訪れている。そして、その時同様にソフトクリームを頂いている。今日はお昼を食べる心の余裕があったので、ホットドッグも頂いた。パリッとしたウインナーの食感とじんわりとした酸味が感じられるソースの味わいが美味である。

MY PROJECT AWARD 2024 の感想

会場の様子

画像は、MY PROJECT AWARD 2024 開始前の様子である。ぬま大学第10期最終報告会のときは、緊張のあまり写真をろくに撮れなかったが、何せ今日は一観客として訪れている。緊張とは無縁の無敵状態であり、写真を撮るのもお茶の子さいさいだった。

会場には、ぬま大学第10期最終報告会より遥かに多い観客が訪れていた。市内外から数多くの申し込みがあったようである。2週間前にこの数の人々が居なくて良かったと心から感じると共に、そんな大勢の前で発表する気仙沼市内の高校生に敬意を覚えた。

筆者なら足が震えてろくに話せなかったと思う。そんな敬意の対象である高校生の発表それぞれについて感想を書いていこうと思う。なお、あくまで筆者個人の感想であり、それ以上でもそれ以下でもない。などと書くと暗雲立ちこめるような雰囲気が漂うが、全体的に素敵な内容だったと感じている。

私の技能実習生への熱い思いを語ります!!

小学校5年生の頃から外国人技能実習生に関する活動をしている生徒による、外国人技能実習生にまつわるマイプロジェクトを実施した報告である。本noteで外国人技能実習生と言うと、アジアカフェが思い浮かぶ可能性があるが、それとは関係ない。

外国人技能実習生にまつわるイベントの実施に伴って課題となる、そもそも外国人技能実習生たちに参加してもらうのが難しい点については、半年以上アジアカフェに参加していた身として、共感が深かった。そうした困難な活動を中高生が主体的に行っている事実それ自体に敬意を感じる。

そうした困難に対して、外国人技能実習生が数多く在籍している株式会社ミヤカンにヒアリングを実施し、課題の根底にある原因を探求した上で、自身が感じている外国人技能実習生の参加者が少ない課題へのアプローチを考えるに到達した点は、素晴らしいの一言だった。

医療的ケア児と家族と作る特別な思い出

インターンシップ活動をきっかけに医療的ケア児の存在に触れ、医療的ケア児と生活する両親たちが抱える願望である『旅行や外出をしたい』に対して、実際に旅行を企画して実践したマイプロジェクトである。

医療的ケア児に関連する活動は、大人であっても非常に困難を極めており、まして外出を伴う企画を実現するのは、そうそう出来ることではない。それを高校生であるマイプロジェクトオーナーが主体となって実現まで漕ぎ着けたのは、感嘆するばかりだった。

困難なマイプロジェクトを実現まで持って行っただけでなく、客観的に反省点を洗い出し、次に繋げようと更なるアクションを検討しているところにも驚かされる。難しい領域なだけでなく、心理的負荷の高い領域でもあるため、あまり気負わずに行って欲しいと願った。

『CoCoカフェ』〜あなたの居場所 今ここに〜

先日、記事にした取り組み「CoCoカフェ」である。ちなみにMY PROJECT AWARD 2024 で発表が行われることは、予め知っていた。”居場所”は、現代において必要性が高まっている概念だと考えている。

そんな”居場所”について、自身の困難に直面した経験から真剣に考え、自らが創始者として居場所づくりに動いたところは、素直に敬意を感じた。何せ、”居場所”と明言していないものの似たようなマイプランを発表した筆者である。

似たようなマイプランを掲げながら、実際に何かを創るまではやれていなかった身としては、賞賛するよりない。マイプロジェクトの内容が素敵だったのもあるが、聴きながら自省の念に駆られる発表だった。

ホヤぼーや全国展開!!

ホヤぼーやとの出会いを生み出してくれたカステラ焼きを再び食べようと思い店に行ったら、ホヤぼーやのカステラが売られていない事実に直面して困った経験に端を発して取り組まれたマイプロジェクトである。

ホヤぼーやのカステラは、上記の記事の一番に載っているものだと思われる。ちなみにAmazonにも置かれていない。もしかして結構レアなんじゃなかろうか。マイプロジェクトは、タイトル通り、ホヤぼーやを全国に広めようというプロジェクトである。

アンケート実施報告から商品企画まで伝えられており、今後の活動についても触れられていた。ホヤぼーやなりきりブランケットは、子どもにウケそうだなと思ったので、クラウドファンディングを活用するなどして、どこかの会社に作ってもらいたい。

https://www.instagram.com/tea.mhoya/?utm_source=ig_web_button_share_sheet

ホヤぼーやを広めるために作成したInstagramがあったらしい。既に筆者のInstagramアカウントよりフォロワーが多い。重ね重ね自省の念に駆られてしまう。

アンガーマネジメントのアンガーマネジメント

今回のMY PROJECT AWARD 2024において、最もプレゼンテーションが上手かったように感じている。上手いというより面白かった。ひょっとして筆者が訪れたこの場は、R-1グランプリだったろうかと一瞬思いそうになった。本当に面白かった。

マイプロジェクト主が意図したのかどうかは定かでないが、言葉選びと言葉運びの双方が絶妙で、会場全体に笑いが生まれたのは当然であったように思う。計画的なものでなければ、類い稀なセンスだと思う。

内容面では、アンガーマネジメントの穴に若くして気付くとはお主中々やるなといった感想で、アンガーマネジメントについて今後も追求して欲しいとまでは言わないにしても、世間一般で良いとされるものに対して疑念を持って探求する姿勢は、今後も伸ばして欲しいと思った。

生徒の声を生かす学校教育

本日お休みだった。最も聴きたいと思わせるテーマだっただけに、残念だった。ぬま大学第10期最終報告会についてもそうだが、欠席せざるを得なかった方々の発表を聴ける機会があると嬉しいと思った。

シン・鹿踊りのはじまり2.0

昨年、太鼓によって会場を沸かせたマイプロジェクト主による2年目の発表である。昨年はパッション100%といった印象だったが、今年は良い意味で大人になった印象を受けた。それでいてパッションは昨年以上に感じられた。

鹿踊りを後世に残したい。その一心で様々な場所を巡り、様々な人々と対話してきた活動量は圧巻で、だからこそ想いが引き立っていたように感じられる。正直なところ、若くして伝統芸能を後世に残したいと活動している人々は、その存在自体が希少に感じており、応援したくなる。

小中高生は鹿踊りに好意的な一方で、40代以上は好意的でない。その調査結果は意外に感じており、気付きを得られたような時間だった。一方で、言われて見ると伝統芸能へのコミットを中高年ほど求められがちな世情を思うに、嫌々やらされている人々は多そうで、それが結果に表れたと見れば、納得感はあるようにも思える。

バリアフリーで観光しやすく

視覚障害者に焦点を当てて、気仙沼の観光マップを検討したマイプロジェクトである。視覚障害者でも楽しめるかの視点に立って、BRTを活用して実際に気仙沼市内を観光し、気付いた点をまとめた点に好感を覚えた。

ある種観光マップめいたnoteを書いている筆者も見習う必要があるとまたぞろ自省の念に駆られたわけだが、それ抜きにしてもとても好いマイプロジェクトだと感じている。何せ、地方の観光は視覚に頼る傾向がある。

本来的に観光は五感で楽しめるものであるべきで、視覚に依存しつつある昨今の観光施策へのアンチテーゼとしての魅力も感じたためだ。マイプロジェクト主の意図とは異なると思われるが、本発表は、誰にとっても考えさせられる内容で、とても魅力的な内容だったと思う。

深く謎解く気仙沼!!

繰り返しになるが、観光は五感で楽しめるものであるべきだと感じている。だから謎解きというエッセンスを取り入れて気仙沼市の魅力を高めようといった視点は、とても貴重なもののように思えた。

屋内型・屋外型に分けて、それぞれ謎解きを絡めた気仙沼市の魅力向上に取り組んだ内容は、ある面では地方の観光施策に一石を投じる内容にも思える。やはり繰り返しになるが、地方の観光施策は、どうにも視覚に依存するものが多い。

体験型にシフトする昨今であるものの、その体験型もアクティビティそのものを楽しむよりも、景観や普段見られないものが見られるといったものに偏りがちである。その意味で、思考を働かせるコンテンツへのアプローチに取り組んだマイプロジェクトは、魅力的に感じられた。

MY PROJECT AWARD 2024を終えて

MY PROJECT AWARD 2024を終えて、昨年行われたMY PROJECT AWARD 2023を思い返しながら、抱いた感想の違いを感じている。昨年は、完全なる観客だった。今年は、ぬま大学を終えた観客になった。

先日書いた通り、筆者はぬま大学においてあまりアクションを行えていなかった(その癖、記事だけはひたすら書き続けていた)。

また、つい最近書いた通り、今後についてもアクションをどれだけ行えるかは不透明な状況になっている。そうした中で、しっかりとアクションを起こし、その上で反省と次への布石を打っている高校生たちの発表を聴くと、どうしたところで自省の念に駆られる。

比較するようなことではないにしても、自身の足りていなさを突きつけられるような想いを抱くのは止めようがない。そう想うならばアクションをすれば良いのだが、そういうわけにもいかないのが悩みどころである。昨今の高校生は凄いと無邪気に感じて終えられれば良かったけれど、そうもいかなかった。人生はかくも悩ましい。そう想わずにいられない。


筆者のnote活動は、皆様からのおひねり・メンバーシップによって支えられております。
本noteをわずかでも良いと思っていただけましたら、ぜひ以下の記事からおひねり・メンバーシップへの参加をお願いいたします。
収益は、本note活動や気仙沼市を中心とした地域での活動に役立たせていただきます。

気仙沼市に関する記事をマガジンにまとめています。ぜひ読んでください:こちら
以下は広告です。ぜひ購入して、豊かな時間を過ごしましょう。


いいなと思ったら応援しよう!

気仙沼の掲示板|地方の暮らし記録
皆様のサポートのお陰で運営を続けられております。今後もぜひサポートをいただけますようお願い申し上げます。