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宛先のない手紙 vol.2

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ほぼわたしの考えを垂れ流すエッセイのようなもの。その2。
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#思考

結果論に過ぎない、見えないスイカ割りの成功

「これから世の中はおそらくこうなるので、これこれこうしておいたほうがいいですよ」

「今これこれを考えて動いていた人が、きっと成功につながりますよ」

みたいな言葉は前々から見かけられていたもので、別に珍しくも何ともない。「へー、そうなんだー」と、ふんわり受け入れたり受け流したりつまみ食いしたりしてきた。全肯定も全否定もできないことが大半だから。だから、「〜すべき」とまで言い切る言葉には、「すんご

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その感情と思考を錆びつかせるな

その感情と思考を錆びつかせるな

先日、参加しているWasei Salonで開催されたディベートイベントに参加した。テーマは「お金」か「やりがい」。

個人の本来の価値観はさておき、参加したい側に参加して、その立場から論じ反駁する。参加したのは2度目だったのだけれど、今回も非常に有意義な時間だった。

わたしは「やりがい」チームを選んだ。チームでのディスカッション中、「お金に関してモノを言うことを、意地汚いことのように感じてしまう

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グレーのグラデーションを許すこと

グレーのグラデーションを許すこと

スマホがあれば、(時におかしなことになるときもあれど)最短ルートをいつでもどこでも調べられるようになった。効率的なことが是とされて、すぐ得られる答えがもてはやされている。

長い文章を読まない人が増えているといわれ、欲している答えをいの一番に書くことが推奨される。結論しか読まれないから、はじめに答えがわからないと離脱されるから。何なら見出しで答えを述べる。現代人は忙しいから。

ただ冗長なものや蛇

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7月7日。七色の日に未知の色を届け始めます

7月7日。七色の日に未知の色を届け始めます

2018年1月。参加したノオト主催のライター交流会で、わたしは目標にこんなことを書いた。

「市井の人に話を聴きに行く仕事をしたい」

当時、すでに取材の仕事をしはじめていた。お店や、病院や、地域で活動する団体。どれも「市井の人たち」だ。

今は市井の人といえども、SNSで突如著名人になる(なってしまう)可能性がある。だから、どこまでが市井の人なのかといわれると、なかなか難しいなあとも思う。

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脊髄反射と熟慮

脊髄反射と熟慮

高校生3年生の頃、「一人を好むけれど独りを嫌がる若者たち」という小論文を書いた。とある大学のAO入試用に書いたその小論文は、教授たちに大いに面白がってもらえたらしく、なかなかの高倍率だった1次試験を突破した。結局、2次試験の面接で落ちてしまったのだけれど。

当時、ほぼ9割の友達が携帯(ガラケー)を持っているなか、わたしは親が許さず所有していない稀有な女子高生だった。だからこそ、「持っていることに

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怒りを甘い優しさで隠すこと

怒りを甘い優しさで隠すこと

ある人にひどい対応をされたとき、その様子を見ていた人から、「あの人は〜だから、周りも大目に見ているんですよ。かわいそうな方なんです、だから仕方ないんですよ」と言われた。

「〜」の部分は伏せておく。その人の生育歴だとか、そういった「どうしようもないこと」が入ると思ってください。

わからなくはない。自分なりのコミュニケーションの作法は、生きてきた蓄積から作られるから。わたしが考える常識が、相手にと

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光と陰鬱と書くこと

光と陰鬱と書くこと

どことなく陰鬱な日々がつづく。具体的に「何かがあった」わけではない、と思う。まったくのゼロではないけれど、原因として挙げるにはどこか心もとない、というか。

ストイックにはなれないし、常に全力投球、一生懸命でもない。というより、馬力が本当になくなった。おかしいな、昔はもっと全力でやれたはずなのに。そう思ってはみるものの、その「昔」は本当に昔のことだと気付く。

10代で精神を病んでから、わたしの「

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這いつくばってやり過ごす日

這いつくばってやり過ごす日

一本の道がある。わたしが歩いている道だ。曲がりくねったり、時に分かれ道にであったりしながらも、それでも道はつづいていく。

人生を道で例えることに、いつ頃であったのかはおぼえていない。おぼえてはいないのだけれど、小学生時代に友達とつくっていた創作冊子の名を「さんぽみち」と名づけたのはわたしだ。道、というものに惹かれていたのかもしれない。(名づけた理由は忘れてしまった)



時に、わたしの歩く道

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漢方薬と早食い

漢方薬と早食い

時間が過ぎるのが本当に早くなった。

すでに4月も下旬に差し掛かってしまった。そうこうしているうちに連休がきて、平成は令和に変わるのだろう。

なんとなく気ぜわしさを抱えながら、だからこそサクッと取り入れられるものが選ばれる。

「時短」だとか「効率的」だとか、短時間で済むものが是とされる現代社会。即効果が得られるもの、即結果が出るもの、即戦力になり得る人。

好まれる「即」。どんどん、わたしたち

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上滑りしていく足を地につける、夜

上滑りしていく足を地につける、夜

エネルギーが弱まってくると、夜のほうが何かと捗るようになる。



子どものワアキャアいう声に、わたしはいともたやすく侵食される。前までは踏ん張っていられたようにも思うのに、今や抗うすべなく思考回路はショート。一挙に睡魔が襲ってくる。まるで気絶か充電切れかを起こすかのように。

わたしがめっきり弱くなってしまったのか、はたまた子どものエネルギーが増強されているのか。まあ、両方なんだろう。

わた

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「つらい」は誰にも侵されない

「つらい」は誰にも侵されない

書き上げては下書きに放り込むことを繰り返していた。思考回路がブツ切れで、靄の中にいるみたいだ。小さな虫が頭の中を這いずり回って、回路を食い散らかしているような気がする。ブツン、ブツンと遮断され、スムーズに思考が働かない。リハビリがてらnoteを書き、下書きに送り込む。今日は公開できたらいい。



以前よりも音に弱くなった。特に子どもたちが騒いだりはしゃいだりする声がダメで、母親なのに我が子の声

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潰しがきかない選択

潰しがきかない選択

昔から、何かと考えることが好きだった。レベルとしては、書くことと同じくらい。「考える」と「書く」はわたしのなかでワンセットだから、「書くことが好き」に「考えることも好き」が含まれるのだけれど。

高校時代、「そろそろ進路を考えなければいけません」、となったとき、わたしは希死念慮真っ最中だった。そのため、「進路」を考えられる余裕はなかったのだけれど、親に希死念慮志望をスルーされたため、無理やり「それ

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終わりを迎えるのは、まだ早い

終わりを迎えるのは、まだ早い

今日から長男は2学期だ。火曜日という何とも半端な時期。なぜ今日からなのだろう。

昨夜、学校の用意をしていなかった彼は、今朝バタバタと出かけて行った。……上履きを置いたまま。

1学期は通学に苦戦した長男。無理やり行かせるつもりはないけれど、行けることに越したことはないから、学校が彼にとって楽しい場であればいいなと思う。



2学期の開始だけが、何となくネガティブに捉えられがちかもしれない。

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消費されるニュースたち

消費されるニュースたち

話題の移り変わりが濁流のようだ。

少し前まではTOKIOの山口だらけで、追ってアメフト、突如5歳の子の虐待事件が持ち上げられたかと思うと、新幹線の殺傷事件が起きて、今日は米朝首脳会談で大きな動きがあった。そのうちW杯一色気味になるのだろう。(たぶん)

基本的には、悪いニュースがバーンと報道され、その話題で持ちきりになったところに、また新たな事件がバーン!と起こり、前の出来事は嘘みたいに存在感を

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