ちゅーりっぷ

23歳です。 いつか、書くことを仕事にできたら。

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記事一覧

無責任な「辞めてもいいんじゃない?」を大切にしたいと思った話

何かを変えたいと思うとき、 どうにかしたいと思うことにぶつかったとき、 本当に大切にするべきなのは、 無責任に「辞めてもいいんじゃない?」って言ってくれる人だと思…

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ファンファーレ

人 物  重本那月(17)高校二年生  坂下悠有(17)那月の幼馴染み  生徒A  生徒B  教師 *************** ○河原(夕)    田舎の町の住宅街の外れ…

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『“誰かのために”が持つ強さ』―平手友梨奈「ダンスの理由」の“私“に触れて

平手友梨奈のソロデビュー曲「ダンスの理由」。グループとして向き合っていた「僕」とは、似ているようで違う存在の「私」と向き合う彼女。そんな彼女に、「角を曲がる」以…

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ショートショート「次世代のコンタクト”オトミル”」

「お前が全部ぶち壊してるのだよ!邪魔なだけだ」  今日もまた、叱られてしまった。音程をそろえる。縦をそろえる。大人数で演奏しているのに、まるで大きな一つの暖気に…

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金木犀の便り

金木犀の香りが、好きだ。 毎年、秋のほんの少しの間だけ、街の至るところからふわっと香ってくる、あの香り。毎年、いろんな気持ちを運んでくれる。 二年前の秋、受験生…

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【異世界の交差点】ーYOASOBI「夜に駆ける」に欅坂46「避雷針」を聴いた日のこと

YOASOBIの「夜に駆ける」。 きっかけは、何となく見ていた朝の情報番組だった。 どうしようもなく耳から離れなくなって、MVを何度も何度も観た。 なぜか分からないけれど、…

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今だからこそ-恩田陸「ドミノ」を読んで

人とすれ違うとき、どうしても気持ちが敏感になってしまう、今。 そんな今だからこそ、家に一人でいると考えてしまう。 毎日何げなく観ているテレビ番組。 今だからこそ、…

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当たり前な特別

西加奈子「i」を読んで ”幸せ”に、後ろめたさを感じることがあるか。 ”幸せ”に浸っている自分を、恥ずかしいと思うことがあるか。 今、自分の手の中に”幸せ”がある…

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note、始めました

「音楽文 powered by rockin'on.com」というサイトに、文章を投稿してみた。 今まで投稿した3つとも、どれも自分の想いをことばにしたくて、「書きたい」と思って書いたも…

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無責任な「辞めてもいいんじゃない?」を大切にしたいと思った話

無責任な「辞めてもいいんじゃない?」を大切にしたいと思った話

何かを変えたいと思うとき、
どうにかしたいと思うことにぶつかったとき、
本当に大切にするべきなのは、
無責任に「辞めてもいいんじゃない?」って言ってくれる人だと思う。

とりあえず生きていくためとか、
安定して収入を得るためとか、
今の生活を崩さないためとか、
「気持ち」に反して、すぐに動けない事情は誰にでもある。

イヤ。だから辞めます。
他に好きな人ができた。だから今すぐ別れて。

そんな風に

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ファンファーレ

ファンファーレ

人 物
 重本那月(17)高校二年生
 坂下悠有(17)那月の幼馴染み
 生徒A
 生徒B
 教師

***************

○河原(夕)
   田舎の町の住宅街の外れ。
   川の向こうは田。さらに奥には紅葉した山が広がっている。
   重本那月(17)がトランペットを吹いている。
   足元には楽器ケース。ケースの上には週刊誌。
   風が吹いて、めくれ上がる週刊誌。開かれたページに

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『“誰かのために”が持つ強さ』―平手友梨奈「ダンスの理由」の“私“に触れて

平手友梨奈のソロデビュー曲「ダンスの理由」。グループとして向き合っていた「僕」とは、似ているようで違う存在の「私」と向き合う彼女。そんな彼女に、「角を曲がる」以来、再会することができた。

『みんなが期待するような人に 絶対になれなくてごめんなさい』と憂いた「私」が、『私にできることなんて』『何もない』と高らかに叫びを上げる。
『独り占めしてたはずの不眠症が 私だけのものじゃなくて落胆した』「私」

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ショートショート「次世代のコンタクト”オトミル”」

「お前が全部ぶち壊してるのだよ!邪魔なだけだ」
 今日もまた、叱られてしまった。音程をそろえる。縦をそろえる。大人数で演奏しているのに、まるで大きな一つの暖気に包まれているような、そんな一体感が、吹奏楽がもつ独特の良さだ。あの頃は、ただただ楽器を吹くことが楽しかった。好きだから続けてきたけれど、迷惑をかけているだけかもしれない。どれだけ練習をしたって、一向にみんなと同じように吹けるようにはならない

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金木犀の便り

金木犀の便り

金木犀の香りが、好きだ。
毎年、秋のほんの少しの間だけ、街の至るところからふわっと香ってくる、あの香り。毎年、いろんな気持ちを運んでくれる。

二年前の秋、受験生だった私は、金木犀の香りが怖かった。
時の流れが速すぎて、まるで自分だけが置いてけぼりを食らっているようで、大好きなはずの香りが、怖かった。
去年の秋、無事大学生になって地元を離れた私は、人生で初めて地元以外の金木犀の匂いを知った。ああ、

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【異世界の交差点】ーYOASOBI「夜に駆ける」に欅坂46「避雷針」を聴いた日のこと

YOASOBIの「夜に駆ける」。
きっかけは、何となく見ていた朝の情報番組だった。
どうしようもなく耳から離れなくなって、MVを何度も何度も観た。
なぜか分からないけれど、ふと気づくと頭の中に流れているのに、ふとしたきっかけで、何かの拍子にぱっと消えてしまいそうな気がする。それと同時に、どこか懐かしい感じもした。

ほぼピンクと青のみで描かれているMVの世界。
中学生の頃の美術の教科書の、補色残像

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今だからこそ-恩田陸「ドミノ」を読んで

今だからこそ-恩田陸「ドミノ」を読んで

人とすれ違うとき、どうしても気持ちが敏感になってしまう、今。
そんな今だからこそ、家に一人でいると考えてしまう。

毎日何げなく観ているテレビ番組。
今だからこそ、何を伝えるべきか考えてくださる方。
こんなときだからこそ、と、笑顔で出演してくださるタレントの皆さん。
いつもどおりの収録ができず、不慣れな方法であろうに、今できる最大限の方法で番組をつくってくださる方。

食べるものがなくなれば、コン

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当たり前な特別

西加奈子「i」を読んで

”幸せ”に、後ろめたさを感じることがあるか。
”幸せ”に浸っている自分を、恥ずかしいと思うことがあるか。
今、自分の手の中に”幸せ”があるのは、どこかの誰かが手に入れるはずだった”幸せ”を横取りしてしまった結果だと、そう思うことがあるか。

毎日めまぐるしくいろいろなことが起こる世界の中で、ときに、自分の無力さが嫌で嫌で仕方なくなることがある。

突き詰めていけば、結局、

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note、始めました

「音楽文 powered by rockin'on.com」というサイトに、文章を投稿してみた。

今まで投稿した3つとも、どれも自分の想いをことばにしたくて、「書きたい」と思って書いたもの。

自分の手元に置いたままにしておいてもよかったのだけれど、もしかすると、誰かが読んでくれたらいいな、と思って投稿してみたのである。

私の文章を読んでくださる方がいらっしゃって、暖かいコメントをしてくださっ

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