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読みおわった本

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なにかしらの本を読了したときの日記
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#眠れない夜に

読書日記|0313-0319

読書日記|0313-0319

0313 曇りのち晴れ

きのうまで微睡んでしまうほどの春だったのに、冬にもどった。ストーブをつけると、猫がわらわらと集まってくる。朝から猫の病院。注射が思いのほか痛かったらしく、彼は怒った。それでもこれでよくなってくれれば、と祈る。次は木曜日の夕方に受診。

藤本徹さんの『青葱を切る』を読む。生き物たちが生まれ、花は咲き誇り、人間はあたらしい一歩を踏み出したりする。その、いかにも気怠い、眩い光の

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読書日記|0306-0312

読書日記|0306-0312

20230306 晴れ
きょうも休み。パンを作ろうかと思っていたのに強力粉がない。買いにいけばいいものを、なんかもういいや、となり、やめた。休みの日は頑なに家から出たくない。窓を全開にし、陽の光を浴びながら、ひかりさんに教えていただいた横光利一の『花園の思想』を読む。はじまりから終わりまでずっと、もうほんとうにずっと、ず〜っと美しくて、なんなんだこれは、という状態。白く発光したような文字が並ぶ、こ

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20220619|頁をめくる音で息をする

20220619|頁をめくる音で息をする

開店時間は23時、尾道にある古本屋弐捨dBを営む店主(中原中也への情熱が凄い)のエッセイと日記が綴られた一冊。彼の目にうつるもの、触れるもの、心かよわすもの、それらの日々の真ん中に、なんの違和感もなく自然とあらゆる詩が存在する。時に棘のような鋭さを露わにし、あるいは噛み付くような刃をも隠さず、しかし読むものの心は、瞬く間に奪われ、彼の切実な思いに涙ぐむ。

終いには、自分の吐く言葉のすべてが嘘くさ

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20210914|賭博者

20210914|賭博者

雨が寒気を連れてくるとともに猫が布団のなかで眠りはじめ、いそいそと毛布をだしたはいいものの、雨だから洗濯もできず、また押入れにもどすというような、よく分からない時間を朝から過ごした。その後、午前中は車の一年点検へと向かい、午後からは夫と家の掃除をし、昼寝もする。そういえばワクチンの副作用はどうやら私はあまりなさそうですっかり良い休日だった。

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20210915|スースロワの日記

20210915|スースロワの日記

誰がどの場所でどう読んだとしても、そのひとの文章だとわかるような文章を書くひとというのは何を弁えて書き、そしてそれはいつ確立していったのだろう。こうして日記をつけ続けた先にそれらは待っているのだろうかといつも通り思い悩んでいたら、文章が進まず、意識してしまえば何かが損なわれ、結果、日付を跨ぎ、こうして懺悔のような文章を真夜中に綴るのだった。

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