ゆい奈

境界線のない日々

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      本を読み、そこからまた芋づる式に読みたくなった本のことが書かれた日記

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      うつくしいものを、うつくしいといえる幸福よ、と綴っている日記

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    読書日記|0424-0430

    0424 晴れ 木香薔薇と金盞花が満開で、窓からみえる景色は黄色く、心なしか明るいような気もする。私のお腹は痛み、いや、それでも、先週や先々週よりも、随分と良くなっているようで、まあ、元気かと問われれば、元気ではない。隣のステラのPOPがとても可愛くできて嬉しい。働くところで、島田潤一郎『電車のなかで本を読む』、荒川洋治『文庫の読書』を買った。 夜は『モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語』だった。今、私がこうして本を読んでいることも、なにもかもが奇跡の連なりで、だから

      • 読書日記|0417-0423

        20230417 晴れ 朝から『町でいちばんの素人』。「俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった」と某アニメの有名なセリフからはじまった日記に頬が緩む。そこから金髪ジェンダー意識最悪泣き虫野郎などという言葉が続き、月曜日のはじまりかたとしては最高だった。それでこの日の日記の最後にも長男ネタが引用されており、扱い方が完璧で気分が高揚する。なんというか、とても健康的。 労働は、新しい店長と顔あわせ。物腰の柔らかな、真面目で責任感の強そうなお人だった。まあわから

        • 読書日記|0410-0416

          0410 晴れ 書店の人たちが優しくて、ずっと優しくて、だからなんとかなってるみたいなところ、ある。きょうは時短にしてもらっているので、大丈夫だった。気持ちが途絶えるまえに家に帰り、犬と猫に触れられたことはあまりにもおおきい。『そもそも交換日記』を読みはじめる。はじまりから、いいなあ、の連続。 0411 晴れ 今日は時短でもなんでもなくて、だけど、なんとか乗り越えられた。だけど頭も首も目も痛いし、足は浮腫むし、お腹も痛いし、からだはずっと重たい。『そもそも交換日記』は42ペ

          • 読書日記|0403-09

            0403 晴れ なんだっていうのか、ずっと体調は優れないままで、しかし理由はわかっているので、それはそれで凌ぐしかないという状態で、私が選んだ道だからね、と起きたての布団のなかでおもう。夜に通院し、明後日から転院する運びとなった。 0404 晴れ 店長が異動するということが決まり、私たち下の者はもはや心の準備を進めるしかなく、しかし未だに頭を抱え嘆いているわけであって、誰もかれもの口からでるのは、どうしよう、という不安な気持ちで、それもそのはず、みんな店長が大好きでおん

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            読書日記|0327-0402

            0327 晴れ 工務店さんと建築士さんは、10時と約束していたはずなのに、9時に来た。聞くと、お二方だけでそう決まったということで、何も聞かされていない私たちは困惑。悪気が全くといっていいほどないのでより困惑。いそいそと点検をしてもらい、不安なことを伝え、開けにくかった網戸をなおしてもらった。蛾が外壁を食べるらしく、それらの駆除をしなければいけないということをいわれる。 午後から万城目学の『万感のおもい』を読む。はじまりからすきだった。見た目も、中身のひとつずつのエッセイ

            読書日記|0320-0326

            20230320 晴れ 仕事から帰ってくるときの空がとても綺麗。家に帰るとみんな調子が悪い。猫(つゆ、つな)を病院へ連れて行く。痛いのによく頑張った。はやく治るといい。 病院から帰ると、古書善行堂さんから本が届いていた。『じたばたするもの』『埴原一亟 古本小説集』『木の十字架』『シュークリーム』。ついに灯火シリーズ五冊が揃った。大阿久佳乃さんの本はとてもチャーミング。山本さんからのメッセージに喜んだ。会いたいなあ。 夫はウイルス性胃腸炎だった。 0321 曇りのち雨

            読書日記|0313-0319

            0313 曇りのち晴れ きのうまで微睡んでしまうほどの春だったのに、冬にもどった。ストーブをつけると、猫がわらわらと集まってくる。朝から猫の病院。注射が思いのほか痛かったらしく、彼は怒った。それでもこれでよくなってくれれば、と祈る。次は木曜日の夕方に受診。 藤本徹さんの『青葱を切る』を読む。生き物たちが生まれ、花は咲き誇り、人間はあたらしい一歩を踏み出したりする。その、いかにも気怠い、眩い光のもとへ連れ出されるような春が、あまり得意ではなく、いつまでもずっと薄暗い部屋で静

            読書日記|0306-0312

            20230306 晴れ きょうも休み。パンを作ろうかと思っていたのに強力粉がない。買いにいけばいいものを、なんかもういいや、となり、やめた。休みの日は頑なに家から出たくない。窓を全開にし、陽の光を浴びながら、ひかりさんに教えていただいた横光利一の『花園の思想』を読む。はじまりから終わりまでずっと、もうほんとうにずっと、ず〜っと美しくて、なんなんだこれは、という状態。白く発光したような文字が並ぶ、こんな本あったのかと。横光利一もっと読もう。 我が家の枝垂れ梅が満開になった。鳥

            読書日記|20230227-0305

            0227 晴れ 猫も犬も、元気。そのことがなにより嬉しい。水沢なおさん『うみみたい』のゲラを最後まで読む。この世に生まれ落ちたこと、生み出すことへの、途方もない暴力性。しかし、それは時に直視できないほどの美しさに満ちていた。いつだってこの世に存在しているという確かな事実は、私たちを苦しめる。だけど、それは、例えば、彼女が甘いケーキを頬張ってそう思ったように、この作品に巡り会えたことで、生きていてよかったと、簡単にそう思う私も確かに存在していて、ねぇそれって救いだとおもうの。

            読書日記|20230220-26

            0220 昼休み、『トワイライトⅢ-下』を読み、午後からは心のうちでほぼキレていた。 しかし仕事は楽しい。私は私のままでいてもいい、と、そう思わせてもらえるのは、まわりの人の優しさによるものなので、そういうこと、忘れずにいたい。帰宅後、残りの数ページを読み、なんかもう、もう知らん。こんなにも主人公を嫌いになることはとても稀なことで、といいながらも、オースティンのエマの主人公も嫌いだったな、と思って、なんだ、意外と嫌いな人いるやん、とちょっとホッとした。何も断れないイエスマン

            20230130|砂丘律|読書日記

            きょうも忙しなく動いている人、みえないものの存在に、絶え間なく押しつぶされそうになっては、瞬時にSNSを閉じる。こんなにも頑張っている、という圧を、すこしでも避けたくて、限られた人の投稿しかみれなくなってしまったのはいつからだろう。何事もうまくできないのに、世界を狭めることだけは歳を重ねるごとにうまくなっていく。ただ静かに生きていたいだけなのに。 数ヶ月前勤めていた書店の店長は、退院した私に、戻ってくる?と聞いた。迷惑をかけることの恐怖を覚えてしまった人間は、はい、と言えず

            往復書簡#7『本を読むひと』|女ふたり、読んでいます。

            年が明け、とくになにも変わることなく、本を読んでいます。りなさんはいかがお過ごしでしょうか。昨夜、萩原魚雷の『本と怠け者』を読了し、『昔日の客』を読みたくなっては本棚から取り出し、今夜読みはじめ、あまりにもよく、胸がいっぱいになってしまい、すこし時間を置きたくなってきたところ。りなさんが数年前、読み始めにこの本を手にしていたことを今でも覚えていますが、こんな気持ちだったのでしょうか。 それにしても我々は毎年こうして読み納めや読み始めを大事にし、ここぞとばかりに温めていた良き

            往復書簡#4『赤い砂を蹴る』|女ふたり、読んでいます。

            近頃の私は乱読気味で、というのも読めない期間が数ヶ月あったからか、とにかく読みたくて、読みたくて、仕方がないというような、むさぼる読書をしています。いいのか、わるいのか、分からないけれど、そんななかで読まれた『赤い砂を蹴る』はもしかすると、落ち着けよ、と一旦停止させてくれる存在なのかも。とおもいつつ、また次の本を読みはじめようとしているので、なんともいえない曖昧さ。 ま、こんなときもあるよね。 さて、ブラジル、日本、過去、未来、幾度も訪れる誰かの死、すべてを行き来しながら

            往復書簡#5『悲しみよこんにちは』|女ふたり、読んでいます。

            秋晴れが続いておりますが、りなさんはいかがお過ごしでしょうか。我が家の庭には秋桜が青空の下、満開の花を咲かせています。 すっかりとご無沙汰になってしまった往復書簡ですが、読破しようと話していたサガンの『悲しみよこんにちは』を再読したので書いてみようと思った次第。久しく書いていない文章なので読みにくかったら申し訳ないです… それでは本題に。 実はわたし、サガンはこの作品しか読んだことがないのです。 というのも十代の頃に読んだとき、あまりにも自己中心的に恋愛に溺れている彼ら

            20220827|日記

            夫が残業からなかなか帰ってこず、そうして暇を持て余しているあいだにも、ごま豆乳鍋はすっかりと冷め、かなしくなって日記を書きはじめた。こんな理由でしか文章を書くにいたらないじぶんをすこし残念に思うけれど、それでもこうして書こうと思ったのだからそれはとても良いことでしょう。(20:45) 夫が帰ってきたので、あたためなおした鍋を食べて、満腹になったので、眠くなるまえに日記をつけておく。 あいかわらず、猫に鼻を噛まれて目が覚める。数日前から生後七週の子猫が滞在しているということ

            20220729|季節を脱いでふたりは潜る

            朝、酵素ドリンクを飲みながら『波止場日記』をひらいた。猫にちょっかいをかけられながらの読書はおもうよりも捗らず、数頁しかすすまない。 その後、おにぎりを拵え、仕事へ向かう。ドタバタと動きまわりながら、同僚と顔をあわす数分間のあいだにすこし喋り、たくさん笑った。お昼頃には上司がふらっと立ち寄ってくれて、ザクロ酢をくれた。 お昼休みは、拵えたおにぎりを頬張りながらブレイディみかこ著『両手にトカレフ』を手にとり、68頁まで読む。 自分の見ている世界の狭さに愕然とする。忘れたく