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読書日記|0403-09



0403 晴れ

なんだっていうのか、ずっと体調は優れないままで、しかし理由はわかっているので、それはそれで凌ぐしかないという状態で、私が選んだ道だからね、と起きたての布団のなかでおもう。夜に通院し、明後日から転院する運びとなった。

 ひきつづき、体調悪し。原因はわかってるのでいいのだけれど、早くよくなってくれないと毎日の動きが鈍いのだ。時間が重く沈むのだ。ーーーなにかがうっかり死んでしまいそうなくらいのもので、でてくる言葉は「とほほ」だけ。
『安心毛布』P.29




0404 晴れ

店長が異動するということが決まり、私たち下の者はもはや心の準備を進めるしかなく、しかし未だに頭を抱え嘆いているわけであって、誰もかれもの口からでるのは、どうしよう、という不安な気持ちで、それもそのはず、みんな店長が大好きでおんぶに抱っこで甘えっぱなしの下の者達なのだ。どこまでも自由にやらせてくれて、それでどこまでも大丈夫、責任は私がとるから、とへらへら笑ってくれる店長は来週までしかいない。いつかこの人のように笑えるひとになりたいなあと思うその人がいなくなってしまうことを受け入れるにはどうすればいいのだろう。


スパイファミリーとチェンソーマンが笑えてくるほど入荷してきて、それで子どもたちはお小遣いを握りしめ、それらを買っていった。

 こんな状態では本など読めない、と思ったときこそ、本を開くべきだ。開くだけで、言葉は目にはいってくるし、はいってきたら、それは、自らが身のうちに隠し持つ本のなかに書きこまれた、ということではないか。白いページは、言葉が見つけてくれる。
『ある日2』P.4




0405 晴れのち雨、ときに強風。

転院先ではじめての診察。二時間半待ち。来院してから四時間後に受付で会計を済ませ、隣にある図書館へ行く。『消失した惑星』『眠る前に読む短いエッセイ』を借りた。不安だらけだけれど、これからは通院するたびに煉瓦造りの美しい図書館に行くことができるということは私を遥かに勇気づけ、だってほら、椅子がすべてYチェアで、そんなことあっていいのかしら、と夢心地。

二時間半の待ち時間のあいだに川上未映子『安心毛布』を読了する。再読なのだけど、とても素晴らしいと思うようなことがつらつらと並び、待ち時間なんてものはあってないようなもので、これだから本読みはいい。「お待たせしてすみません」といわれても、「いえいえ、気にしないでください」などとにこにこ言えてしまうんだもの。どうぞ、おかまいなく。

さてさて、川上未映子の小説には近づきすぎるな、という私なりの警戒心が常にある一方で、川上未映子のエッセイにはそばにいてもらえ、というなんとも都合の良い私も存在し、つまりは彼女の思考と、それらをついついとわかりやすいような、わかりにくいような、そんなふうにやんわりと書かれたものが大変に好ましく、何度読んでもやはり付箋をぺたぺたと貼り巡らせるのだった。

生きてることは、最初から、悲しくって、無茶苦茶だもの。でも、だからって、どうしろっていうのでしょう。
『安心毛布』P.168




0406 曇り、強風

風の音で目が覚める。猫たちも順に起きてくる。犬は風の音が怖くて布団の中で震えている。体調が優れないのはもはや仕方あるまい、さりとて仕事はあるし、それも力仕事だし、なるようになると信じるしかないという境地に立たされ、今日も私は生きています。ところで月曜日から少しずつ、ほんとうに少しずつ読みすすめていた『ある日2』を読み終えてしまって、どんどんと過ぎていく時間に嫌気がさす。読めば、読み終わってしまうというのは、本読みにとって、結構なショックを伴わせてくるもので、永遠に読み終わらない読み物はあるかしら、なんてことを思って、本棚に並べてある『失われたときを求めて』と睨めっこしたのはいいものの、永遠に読み終わりそうにない書物に手を伸ばす勇気は今の私にはないらしかった。

 本をてきとうに開いてよむのがすきなのは、そこにささやかな自由があるからだと思う。どこから入ってもいい部屋。勝手に通路をつくっていい空間。
 何かを成した、という実感のない日には、ただ、ひとつの詩をよんだ、ということだけを、だれかに、知らせたくなる。
『ある日2』P.5



0407 晴れ
春だから、とかそんなの関係なく、体調があまりにも悪い。精神的にとかそんなことではなく、すっかり39度台の発熱を繰り出すなど、結構な大惨事であって、それで喉も痛くて、さて、これは、と鏡でみると扁桃腺がある場所に白い膿がたまっているではないか、ということで、朝一に仕事へいき、諸々と引き継ぎ、早退させていただく。だめ、もうほんとうに、だめ。



0408、09
布団から動かない。動かないけれど、なにをするって、なにもすることがなくて、鬼滅の刃をはじめから読みなおすなどして号泣していた。当時はそこまでだったのに、すっかりと虜になって、冨岡義勇推しとみせかけての、宇髄天元推しであった。しかし喉は痛く、熱は上がったり下がったりで、しんどい。なにをするのも、しんどい。店長が休みを調整してくれて、三日間休めたのはかなり大きい。明日は時短にしていただいているのでなけなしの根性を振り絞る。





それでは、また。

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