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「#買うときのこだわり」素敵な作品をピックアップ! vol.2「接客」「ファン心理」

noteさんと一緒に開催したコンテスト「 #買うときのこだわり 」にご応募いただいた作品の中から、6つのテーマ別に素敵な作品をご紹介する連載企画。vol.2のテーマは「接客」と「ファン心理」です。

■ vol.1のテーマ「判断基準」と「6つのテーマ」の紹介はこちらからご覧ください。
【御礼】「#買うときのこだわり」 素敵な作品をピックアップ!vol.1~6つのテーマに分けてご紹介します。


「接客」にまつわる“買うときのこだわり”

私たちはnoteで、リアル店舗の価値や役割に関する記事をいくつか投稿してきましたが、その中でも「接客」はブランドの世界観を体現する一つの重要な要素でした。
一方、コロナ禍で外出する機会が減り、ECを利用する頻度が増えたり、リアルでも「非接触」や「ソーシャルディスタンス」を意識しながら行動するようになった人も多いと思います。
そのような中で「人とのコミュニケーション」にまつわる作品が多く寄せられたことは新しい発見でした。

今回は接客を「誰から買うか?」「接客の質」という2つの切り口に分けてピックアップ。さらに「なぜ店員さんとのコミュニケーションにこだわるのか?」という視点で興味深いストーリーをいくつかご紹介していきたいと思います。

1. 誰から買うか?

最初に紹介するのは、お気に入りの店員さんに関するエピソードや、店員さんの接客や人柄を重視するという「#買うときのこだわり」です。

同じお店の中でも、特にお気に入りの店員さんがいることはありませんか?そんなエピソードを紹介してくれたのが、manaha_storyさん。いい気分でお店を後にできるように、レジの店員さんを選んでレジに並ぶようにしていると言います。頻繁に通うスーパーのようなお店には“推し店員さん”が何人かいるようで、推し店員さんのレジに並ぶことで、機嫌良く買い物ができるようになったそうです。日常の買い物を自分にとって心地良いものにする工夫が素敵ですね。

ものを買うときも、サービスを買うときも、人が決め手で通い続けるという、有紀/yuukiさん。引っ越しをするまで約10年間、美容室もネイルサロンも同じところに通い続け、“絶対に可愛くしてくれる”という技術への信頼はもちろん、会話が楽しかったり、価値観が近いところも選ぶポイントになっているようです。そんな有紀/yuukiさんは、インターネットでは“人”を感じづらいと思っていたのですが、たまに問い合わせをする中で“人”を感じるような文章に出会えることがあり、何か欲しいものを探すときはその会社さんから探すようになったそうです。インターネットでの買い物は“人”を感じる機会があまりないからこそ、それが感じられるお店は強く印象に残るのかもしれませんね。

2. 接客の質

続いて紹介するのは、店員さんの接客が良くて思わず買ってしまった、購入の決め手になったというエピソードです。

髪を切るついでにローファーを買おうと百貨店の靴売り場に足を運んだ、しばまるさん。そこで出会った店員さんの的確な受け答えや押し付けがましくないアドバイスに感動しながら、気に入った靴を購入します。店員さんの素敵な接客のおかげで「心がホクホク豊かな気持ち」になり、買った靴にも愛着が湧いてくる。この体験は同じモノを買うという行為であってもネットショッピングでは味わうことができないものだという、素敵なエピソードが詰まった作品です。

しづき ふみかさんは、ランジェリーショップで接客を受けた際、サイズを測ってもらった店員さんから3つの商品をおすすめされ、その着け心地の良さや見栄えの良さに感嘆し、3つとも購入することに。この体験のポイントは「楽」かどうか。ネットショッピングの情報を調べながら自分であれこれ考えるよりも、実際にプロの接客を受けたほうが、すぐにフィットするものを手に得られるという体験を綴ってくれました。自分にぴったりなものを探しに店舗に足を運んで接客を受けてみたくなる、そんな作品ですね。

とある化粧品メーカーの美容部員の方とのエピソードを投稿いただいた、スピカさん。お肌の相談を通して信頼関係が生まれ、いつしか化粧品のことだけではなくファッションに関する好きなブランドの話までするほど気の合う仲になったそうです。接客サービスを丁寧に行うことで、お客様に満足いただくだけではなく、その先にあるお客様との新しい関係性が生まれる。“店員”と“客”という関係なのでお互いに良く接しようとするのかもしれませんが、結局のところ、お互いを思いやることで良い人間関係が生まれるというのは、すべてのコミュニケーションに共通することなのかもしれませんね。そんなことを感じさせられる作品です。

スピンオフ編:店員さんとのコミュニケーションを重視する理由

今回集まった「接客」に関する作品の中には、店員さんとのコミュニケーションを重視する理由に言及しているものがありました。

例えば、長島聡(きづきアーキテクト株式会社代表)さんは、デジタル化で「記憶に残らないほどスムーズな買い物に囲まれている」ことに違和感を覚え、その理由を突き詰めた結果、「強い思いやこだわりのある人を深く知り、対話をして、もっと繋がりたい。そうした想いやこだわりを買いたい」と改めて思ったそうです。

大之輔(だいのすけ)さんも、洋服のイロハを教えてくれたスタッフさんとの出会いから、人とのコミュニケーションが「パラダイムシフト(価値観の転換)」や「もっと知りたい」という知的好奇心につながることに気づき、人とのコミュニケーションを通して納得してから買うようにしていると言います。

買い物がどんどん便利に、効率的になることで良いこともたくさんありますが、その中でも人とのつながりや人の温かさを大切にしていきたいと、皆様から寄せられたエピソードを読んで思いました。


「ファン心理」にまつわる“買うときのこだわり”

「接客」と近いようでまた少し異なる視点として興味深かったのが、皆様の「ファン心理」にまつわるエピソードです。単純に安いから買う、便利だから買うのではなく、商品やサービスの背景にある情報をしっかりと吟味し、共感できるかどうかで購入を決めている人が多くいたことは、今回のコンテストで印象的だった傾向の一つです。自分の買い物が単なる消費ではなく応援につながるという意識が広がりつつあることは、これからの購買行動を考える上で大切なポイントになりそうな気がします。また、ここ数年話題の「推し活」について語ってくれた作品も多数ありました。

そこで“ファン心理”では「背景にあるストーリーに共感」「企業や“推し”を応援」という2つの視点から作品をピックアップしたいと思います。

1. 背景にあるストーリーに共感

最初に紹介するのは、商品やサービスの背景にあるストーリーを知り、そこから生まれた共感が購入につながったというエピソードです。

SNSのおかげでファッションブランドのデザイナーやディテクター、バイヤーなど、商品の背景にいる人たちの存在を意識するようになったという、ぼぅさん。デザインに対するこだわりや考え方、使っている技術、環境に配慮した売り方など背景を調べてから買った商品は、「届いただけで嬉しい」と言います。確かに背景を深く理解した上で購入したものは、自然と思い入れが強くなりそうですよね。また、そのような商品はリユースする際も「人に推せる」「気持ちよく手放せる」という視点は新しい気づきだと思いました。

オーストラリアの森林火災にショックを受けたことがきっかけで、惰性で買うことをやめたという、sholaさん。そこから、ブランドの理念や取り組み、過程などに興味を持つようになり、背景やものづくりへのこだわり、作り手の熱量といった「ストーリー」に共感できるかどうかが買うときのこだわりになったと言います。今はクリック一つで簡単にモノが変える時代ですが、同時に商品のことを深く理解するための情報も簡単に探すことができる時代ではないでしょうか。sholaさんのように、考え方や意識の持ちようで、日常の買い物であっても自分の生活や未来にとってより豊かな消費に変えていくことができるかもしれません。

カルビーのポテトチップスを贔屓ひいきにしているいちさんは、農家さんの写真をパッケージにしたカルビーのポテトチップスに「農家さんと、自然へのリスペクト」を感じたと言います。なんでも2016年、北海道のじゃがいも農家が台風で被災し、一時的にカルビーのポテトチップスが店頭から消えたことで、いちさんは農家さんへの感謝を改めて実感したそうです。だからこそ、その気持ちを体現してくれるようなポテトチップスのパッケージに感動したのではないでしょうか。商品が完成する過程にある作り手の努力や想いを感じられると、一枚のポテトチップスの味わいもより深いものになりそうですね。

2. 企業や “推し”を応援

続いて紹介するのは、企業に対する応援の気持ちを込めた買い物行動や、“推し活”にまつわるエピソードです。

お金の使い方を振り返ってくれた、こやと/キャリアコンサルタント×育休1年パパさん。その中で印象的だったのが、以前はなるべく安く買いたいという思いから中古を買っていたのが、なるべく生産元にお金を落としたいという考えに変わり、本は新品一択になったという話。「どこにお金を落としたいか」を考えるようになったと、まさに応援する気持ちを重視した買い物をされています。実際、要るか要らないかで悩んだ時は「推し(ファン)だから買おうかな」という一押しが購入の決め手になることも多々あるそうです。お金を払うことはただの消費ではなく応援だ、というメッセージが印象的な作品です。

「推し活」や「イミ消費」という現象を分かりやすく解説してくれた、コタニ│お金の話を書くnoteさん。モノ消費→コト消費と世の中が移行していく中、新しい消費行動として出てきたのが、消費に社会的・文化的な意味を見出す「イミ消費」だと言います。そして、「推し活」も「イミ消費」の一つであり、推しにお金を使うことにイミを見出しているのだそう。そう考えると、ここまで紹介してきた商品の背景にあるストーリーや作り手の思いに共感して買う行為も、そこに「イミ」を感じられることが購買行動につながっていると考えることもできそうです。「推し活」と聞くとアイドルやアニメ、音楽などサブカルチャーのファンの行動をイメージしがちですが、実は多くの人の身近な日常の買い物行動にも通じる新しい価値観の一つなのかもしれませんね。


以上、「接客」と「ファン心理」に関する、皆様からの「#買うときのこだわり」を紹介させていただきました。

次回は「サステナビリティ」と「本・ファッション」をテーマに、素敵な作品を紹介していきたいと思います。

noteコンテスト「#買うときのこだわり」の受賞作品は、こちらをご覧ください。


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