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あなたの「いらっしゃいませ」が聞きたくて

私にとってのショッピングとは笑顔で始まり、笑顔で終わります。そう心掛けているのは、かつて接客業という立場だったからというだけではありません。私は店員さんという職業の人がとても好きです。

そのため、多くの人が敬遠することの一つである「何かございましたらお声掛け下さい」と言ってもらえることも嬉しいです。そして実際に何か質問することもショッピングにおける楽しみの一つです。流行の商品について話を聞いたりとわいわい接客してもらえるのが楽しいのです。

「お買い上げありがとうございました」と声をかけてもらえるのなら、感じよく接客してもらえたことに対して「ありがとうございました」とこちらも笑顔で応じるようにしています。お互いにいい気分でショッピングを終えることができるようにと少しばかりの努力をしているのです。


私のモットーのはじまり

随分前に私はとある化粧品メーカーの美容部員の方に担当して頂いてとても良くしてもらったことがあります。その方はいつもとても一生懸命に仕事をしている方で、カウンターが空いているときには新商品について説明してくれたり少しの雑談などもしてくれました。

「スピカさんは何かお肌に対してのトラブルなどで気になることはありますか?」
「そうですね……てかりが気になることがあります」
「その場合ですとこの商品ならサンプルもありますよ。いかがですか」
「ありがとうございます。試してみますね」

これが実際に私にとってすごく合う商品で、リピートすることになったこともありました。肌質に合うメーカーだったこともあるのかもしれません。また、唇が荒れて大変だったときに根気強くつけられるリップを選んでくれたりもしました。そして、何より嬉しかったのは年齢が近いゆえに気が合ったことでした。

「あ、スピカさん。それって○○(服のブランド)の袋じゃないですか!お好きなんですか?」
「そうなんです。好きでけっこう着ていて」
「私も好きなんですよ。こういうスカートがふんわりするデザインがいいんですよね」

美容部員さんは他にも気に入っているブランドを教えてくれて、実際に私が気に入って買いに行くこともあるくらいに仲が良かったです。この美容部員さんが3~4年後に異動してしまうまでその関係は続きました。異動が決まったときにはお互いに泣きそうになったくらいでした。

そのころから服屋などでも店員さんに「自分に似合うものは」「どういうものが流行っているのか」などと相談して、商品を選ぶまでが自分にとってのショッピングになっていました。


反対側から見たやりがい

そして気付いたら私自身が接客業を選んでいました。

自分が店員の立場になってみてわかったことがたくさんありました。それは心を込めて接客をするとどうやらお客様には届くことが多いらしいということでした。要望をきちんと聞いて商品を提案することができたとき、嬉しそうな顔をして下さる方が何人もいたからです。

一番印象的だったのは、私が接客した後に「他のお店も見てみてみるわ」と言っていったん店を離れたお客様が「やっぱりきちんと商品を提案してくれたあなたに決めてほしいわ」と戻ってきて下さったときでした。

このときは本当に嬉しかったですし、接客業をやっていて良かったと感じた瞬間でした。だからこそ私は店員さんとの会話や、商品に対する相談などをさらに大切にするようになったのだと思います。


あなたの努力に報いたい

店員さんの裏側も知っているのであまり深入りしたらいけないことも知っています。けれどもできるだけいい印象になるようにと笑顔を作ったりしている人を見ると「頑張ってね」と思いますし、接客自体もちゃんとできている人を見るとすごいなと感じます。

それに何より話せるだけで心癒されるのです。基本的にお客さんには良く接しようとしてくれます。お客さんだからと分かっていてもとても嬉しくなります。自分自身もできるだけ親切にしようとか、気持ちよく買って頂こうと努力したことを思い出すからです。

自分が新人のときにかけられた温かい「頑張ってね」との言葉を思い出したりもします。もちろんいい思い出ばかりではありませんが、もう普通には働けないだろう私にとって頑張っていた日々は宝物のようなものです。

そして店員さんの気持ちも考えながら、今もお互いに楽しく過ごせるショッピングをしています。世の中には私たちの要望を一生懸命叶えようとしてくれる店員さんがたくさんいるのです。私はこれからも、努力しているあなたたちが「頑張って良かった」と思える客でいたいです。


ここまで読んで下さってありがとうございました。



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