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私たちはストーリーを買う

ここ数年、買い物をするときの自分の意識が変わってきました。
今日は私なりの”モノを買う”ことへの考えを書いてみようと思います。

失敗続きの消費時代

学生の頃はアルバイト代から欲しいものを買っていました。大してお金もなかったし、モノを買うという行為に対して何か考えることもありませんでした。

特別ファッションに関心があったわけではない私でさえ、大学生というのはお金がかかるもので、それなりに見える服と化粧品が必要でした。

自分の好きなものやスタイルが不確かな時期だったこともあり、いろいろ買って試してみては「なんか違うかも」という失敗を繰り返しました。

着なくなったり、使わなくなったりして、結局は行き場がなくなる。それに対して罪悪感を感じてしまう。

環境問題へのアクション

少し意識が変わったのは、2020年初め。年を跨いでも続いたオーストラリアの森林火災にショックを受けたことがきっかけでした。

それまでも環境問題や異常気象についてはニュースでも長い間目にしてきたけれど、”自分の行動が変わる”までは行きつきませんでした。

野生動物たちが逃げ惑う姿や、青々と茂っていた森林が炎で覆われていく光景にはひどく胸が痛みました。オーストラリアが滞在したことのある地域だったからかもしれません。

「このままじゃきっといけない」
直感的にそう感じたはいいけれど、自分が環境に対して貢献できることなんてたかが知れていて。それでもまずはゴミになるものを減らそうと思いました。

ペットボトルの飲料をできるだけ買わずに、丈夫で機能的なマイボトルを持ち歩くようになり、スーパーをはじめ買い物の時はマイバッグを持参。

それから「なんとなく使えそう」とか「安いから買っとこうかな」みたいな惰性で買うことをやめました。たとえ100均で買う時でさえも、「これは本当に私にとって100円を払う価値があるだろうか」「生活を豊かにするだろうか」と問いかけるもんだから、買い物に時間はかかってしまうのですが…。

ストーリーを買う

その頃にちょうど基礎化粧品を変えました。自分の肌に合っていたのと、このブランドの環境への取り組みにも賛同できて、その一部に加われているということが心地よく感じられました。

この辺りから、ブランドの理念や取り組み、製品ができる過程などに興味を持ち始めました。

どんな思いでこのブランドができたのか、その背景が見えたり、ものづくりへのこだわりや作り手の熱量が感じられるもの。それらのストーリーに共感できるかどうかも買うときのこだわりです。

ストーリーを知ることで、その商品の価格が適正だと思えるか、納得ができるかの判断をするヒントにもなっていると思います。ただ安ければいいとか、はたまた高価であれば安心とか、そうした見方はもうしないかな。

購入するもの全てをチェックしているわけではないけれど、欲しいなと思っているものがあると、ついついそのブランドや企業のホームページをチェックしてしまいます。

消費は応援

2020年、パンデミックが起こってからは「消費は売り手に対しての応援」という見方が加わりました。

多くの飲食店や小売店が厳しい状況にあったと思います。何度も通っているジェラート屋さんに、静かな時間が流れるカフェ、取り揃えの良いワインショップに、どれを注文しても全部美味しい居酒屋さん。歩いて行けるいつものお花屋さん。

この街にはお気に入りの小さなお店がたくさんあって、そこには人がいて、その人の顔を思い浮かべる。

大好きなお店たちに無くなられては困るし、続いてほしい。私一人が支払える額なんかはやっぱりたかが知れている程度だけど、何か機会があればいつもお世話になっているお店を利用するようにしています。

ものに溢れて、たくさんのオプションがある今だからこそ、自分の生活や未来にとってより豊かでいられる消費をしていけたらいいなと思っています。

素敵な週末を、それではまた。

#買うときのこだわり

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