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穂生窯別注|TUTU-MUG(つつまぐ)ができるまで
地元、燕市国上山で2018年から薪窯を築き、作陶している「穂生窯」という場所があることは知ってはいたものの、今回製作するにあたってはじめて9月になろうかという暑い夏の日に訪問した。
これまでの経緯も含めて、ざっくりと要望をまとめてお話しつつ、どういうものをつくっているのかを聞きながら、ディテールを詰めていく。
最終的に4種に決めて、試作をしてもらうことになった。次の窯焚きで、とのことだった。
お
トークイベント「カルチベイト2023」開催
ちょうど1か月ほどまえに福岡に行くことがあり、工芸風向に立ち寄り、高木さんと長い立ち話をしました。ふと「高木さんがいま関心があることってなんですか?」というぼくのざつな質問に対し、「素材と継承」ということを教えていただきました。国内で調達できる素材が減り、円安で輸入物での対応も難しくなり、あらためて素材を担う「産地」の意味が問われるのではないか、とのことでした。あとは、跡継ぎ問題。今ではない、過去
もっとみるワイスケドリッパーの欠点について
ワイスケドリッパーの欠点と思われうることは何か?について語ろうと思う。
それは、サーバーに載せたときの安定度についてのことだ。
円錐型ドリッパーの元祖としてのコーノの「名門フィルター」と比較してみる。
既存の樹脂製、陶器製のほぼすべてのドリッパーには、サーバーの上に置かれたときの安定性を与える(ずれて倒れてしまわない)ために口径の内側に出っ張った小さな口径を持っている。これがあることで、左右への
もっともスタンダードなコーヒードリッパーとはなにか?
いよいよ「もっともスタンダードなコーヒードリッパーとはなにか?」のひとつの回答として発売される「ワイスケドリッパー」が工場の祭典初日である10月26日(木)に発売されます。
「ワイスケドリッパー」は、ツバメコーヒー店主がとことん考えるなかで辿り着いた「デザイン性・使い勝手・長く使える」という3つの要素に加え、経年変化を劣化ではなく味わいであるとする感性を「フォーク(民俗性)」と捉える価値観に基づ
三拍子そろった「ワイスケドリッパー」の魅力とは
TSUBAME COFFEE× FD.incによる燕三条製オリジナルドリッパーである「ワイヤースケルトンドリッパー」(略して「ワイスケドリッパー」)は、ツバメコーヒー店主の「①デザイン性②使い勝手③長く使える」の三拍子そろっているドリッパーがほしい!ということが開発のきっかけとなっている。以下にそれをざっくりとまとめてみたい。
シンプルな設計で、サーバーの雰囲気を選ばず、何にでもコーディネートで
「WASH AND BOOKS」の敗北宣言と今後の方針変更について
「WASH AND BOOKS」という入場料制のランドリー機能付きのブックショップを2021年12月にはじめてもうすぐ1年が経とうとしている。ほとんどすべての家に洗濯機はあるわけだし、大物は幹線道路沿いの大型コインランドリーに行くだろうし、デリケートなものは今でもクリーニング屋さんに持ち込む。となると、コインランドリーを待つ間に本を読む風景っていいですよね...という身勝手で一方的な提案をおもしろ
もっとみるWASH AND BOOKSがはじまるきかっけとなったテキスト
「洗う」とは「問う」ことなのではないか。
ぐるぐるまわる洗濯機は、もやもやした頭のなかに似ている。
洗い終わって止まった洗濯機は、ひとつの答えにたどり着いたように見えるが、それを淀みの始まりと捉えることもできる。
「本は頭のなかを洗うもの」と定義することはできないだろうか。
わからないことを知るために本をひらき、わかることでまたべつの本をひらく。
わからないとわかるを繰り返すことは、洗濯
センスとはなにか?をあえて定義してみる
まず「定義」という言葉をぼくは次のように定義しています。
「飛んでいるちょうちょをつかまえて虫かごに入れる行為」
飛んでいるからこそうつくしいちょうちょを捕まえることによって損なわれるうつくしさについてわからないわけではありません。
多義性を持つ言葉を一義的なものに固定する傲慢さというのもあるでしょう。
ひとがいればその数だけ(そのひとなりの)定義があるというようなすべてを包摂する意見を言いた