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エン・ジャパン(株)が行った「転職理由の本音と建て前」に関するアンケートによると、

「2人に1人の転職者は、本当の理由を企業に伝えていない」という結果が出た。

当たり前と言えば当たり前の話だが、辞めるときぐらいはお互いに気持ちよくしたいものではあるが、企業にとって建て前的な意見を言われるのは、とてももったいないことです。

退職者する者の本当の退職理由には、業務の改善や組織体制、採用、人事制度、人間関係などその企業が抱えている様々な問題の解決の糸口になり、離職率の低下にもつなげることができます。

 



【転職理由の建て前】


調査の結果トップ5は次の通りです。

1.「仕事の領域を広げたい」 68%

2.「専門スキルや知恵を発揮したい」 59%

3.「会社の将来に不安を感じる」  28%

4.「今後成長できるイメージが持てない」 26%

5.「報酬を上げたい」 25%

 

建て前の1位は、「仕事の領域を広げたい」。

これは、企業が引き留めることが難しく、転職者側としても無難で当たり障りがなく日本人らしい大人な意見と言えます。

その他の理由として、自分・会社の成長に対する不安といった理由を挙げています。

本音が言いづらい環境、社風が退職の原因となっている面も少なからずあるでしょう。

そういった企業は、退職者の退職理由を額面どおり受け取り、退職に対するリスクを考えることができず、入っては辞めの繰り返しが起こってしまっています。しかし、入ってくる人がいれば、良いかもしれませんが、退職者が本当の理由を言うことを止めることは出来ません。悪い噂が広がり、求人を出しても人が来ないといったことも人手不足が叫ばれている昨今では、よく聞く話です。

 


 

【転職理由の本音】


1.報酬を上げたい 57%

2.職場の人間関係が合わない 48%

3.評価に納得できない 48%

4.上司と合わない 48%

5.会社の将来に不安を感じる 37%


本当の理由の1位は賃金面でした。

今や、給与に関する情報がネットを通して入ってくる時代の中、人手不足で多くの求人が出ている現代において自分がいまもらっている給料に納得がいかない、自分の市場価値の把握による不満が大きいようです。

その他の理由としては、職場の人間関係。

嫌な上司、合わない同僚と起きているうちの1日のうちの半分を共に生活するのは苦痛ですし、お金のためだからでは割り切れないところまで行ってしまった結果の退職です。

大企業ですと、転勤やジョブローテーションを行い、人間関係の清算ができたり、1人ぐらい配置換えを行っても業務に支障をきたさないかと思いますが、小規模の企業では厳しいものがあります。話し合いや人事の方に相談したところで解決されないのは目に見えています。選択肢が退職しかない取ったところでしょう。

 

 

 

日本の企業の多くは、人事部や採用担当といった部門や人が存在しています。

人を採用する際、人事部の人間や配属予定の長、または役員などが面接を行い採用します。

しかし、そういった方々の賃金に対する市場調査や持っているスキルに対しての評価を社内だけの価値観ではなく、社会全体の価値観としてとらえることができているか、また自社の認知度や社会貢献度は採用に大きくかかわる要素です。

会社の中にいるとよく勘違いしてしまいがちですが、その業界内では有名でもその業界を知らない人には全く知られておらず、良い人材が集まらないといった話をよく耳にします。企業ブランディングを行い、情報発信をしていかなければ、会社は衰退していく時代となっていくことを理解し、行動に移さなければなりません。

そして、退職する者の本当の退職理由を聞き出すことが、今後企業の発展に大きくかかわっていくことを頭に入れ、表面上での『良い別れ』に満足するのではなく、現状の問題点の把握と社会の流れを察知し前もって退職リスクに備えることが大切です。