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イノベーションとはなにか〜エンタメ・ゲームとテクノロジー〜

2018年の暮頃、依頼があり情報工学系の大学院生向けに講義を1コマ担当することになった。エンタメ企業への就職を視野に入れてもらうのが目的だったので、エンタメ・ゲーム分野におけるイノベーションについて話した。

エンターテインメントというと音楽や映画など範囲は広いが、ゲーム分野だと1962年の世界最初のシューティングゲーム「Spacewar!」が重要な存在だ。PDP-1という巨大なコンピュータで学生が開発したもので、今でも開発者自身のデモンストレーションにより実機でプレイできる(カバー写真)。

マイクロプロセッサの発展による高性能化・低価格化によって、スマートフォンなど手のひらの上で、精細な3Dモデルによるフォトリアルなゲームをプレイを出来たりと、デジタルゲーム分野が技術革新の恩恵を受けているのは言うまでもない。

ところで「イノベーション」は「技術革新」と訳されることが多い。この言葉は1990年代のいわゆる「IT革命」以降に特に頻繁に使われるようになったが、100年以上前の1911(明治44)年に経済学者シュンペーターにより5つに分類して定義されたものだ。

ゲーム分野に当てはめて一例を示すと以下の通りだ。

(1)プロダクション・イノベーション(従来なかった新しい製品創出)
   ゲーム専用機 → スマートフォン → xR(VR/AR/MR)でエンタメを楽しむ波
(2)プロセス・イノベーション (新しい生産方法による品質・コスト改善)
   ソフトウェア設計・実装手法・テストの高度化やゲームエンジン利用の波
(3)マーケット・イノベーション(新しい販路の開拓)
   ガラケー公式サイト課金 / スマホアプリでエンタメを提供する波
(4)サプライチェーン・イノベーション (原料・半製品の新しい供給源の獲得)
   多種多様なミドルウェアやアセットストアの出現と活用の波
(5)オルガニゼーション・イノベーション (新しい組織の実現)
   チャットツール等の利活用によるコミュニケーションのフラット化の波

これらは、リモートワークシフトにより、さらに加速している。

ところで、テクノロジーが発展していくことで、さらに新しい発展が加速していくことを未来学者レイ・カーツワイルは「収穫加速の法則」と呼んでいる。エンジニアにとっては日常的に当たり前のことでも、それらしい名前を付けると言葉が独り歩きしたりもするので、ネーミングセンスは大事だ。

日本では起業後3年以内に70%の企業が消滅する中、市場変化が激しいエンタメ企業がイノベーションを推進し、加速するのは生き残るための必然だ。エンタメだからこそテクノロジーが重要であり、エンタメだからこそイノベーションが重要であり、イノベーティブであり続ける姿勢が必要だ。

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1999年にコンテンツサービス事業会社を創業、研究開発の他、エンタメ系、基幹系システムなどの開発にも携わる。最近では社外CTOや顧問として技術・組織支援業務にも携わる。 また、専門学校の非常勤講師としてプログラミングの指導や、STEM教育メディアで連載も執筆する。

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