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詩集

11
大切なあなたと、悩める自分へ。
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【詩】帰り道

【詩】帰り道

橙色の光に包まれて
歩く帰り道

チャイムの音
鳥の鳴き声
車のエンジンが響く

聞きたいのは
あなたの声なのに

【詩】暗闇に溶かして

【詩】暗闇に溶かして

黒いコーヒーを揺らして
甘い砂糖だけじゃなくて
花束の色も
部屋の隅のギターも
金木犀の香水も
カーテンのぬくもりさえも
今すぐに溶かしてしまいたい

忘れたくないと願ったいつかの思い出は
全部破って今日捨てた

だから
何も残らないと思っていたのにね

まだこの部屋に
欠片が散らばっているみたいだ

さぁ
枕元に溜まった
水溜りの三日月を抱いて眠ろう

寝る前によく聴いていた
あの曲はもういらな

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【詩】炭酸刺繍

【詩】炭酸刺繍

膨らんでは
はじけて

浮かんでは
消えて

届かなかった
私の理想(ゆめ)

何度も繕って

誤魔化して

少し不格好になってしまったけれど

これがきっと
ありのままの私

藤家 秋様の企画に参加させていただきました
楽しかったです♪
私もまだまだ初心者なので、これからもたくさん参考にさせてくださいm(_ _)m

【詩】車窓から

【詩】車窓から

茜色の空

点滅中の踏切

ぽつぽつと広がる街の明かり

風の匂い

反対車線の電車

人集り

窓に映る君の横顔

「外の景色を見るのが好き」だなんて、嘘だよ

【詩】私達

【詩】私達

ずっと「私達」だと思っていたよ

なんてね

どうか

お元気で。

【詩】気づいちゃったの、

【詩】気づいちゃったの、

気づいちゃったの

どんなに願っても雨は降るってこと

気づいちゃったの

この声は反対側のホームには届かないってこと

気づいちゃったの

あの日の「再現ドラマ」に過ぎないってこと

気づいちゃったの

時間はカウンセラーじゃないってこと

気づいちゃったの

心に冷たい風が通るようになったってこと

もうきっと

あなたには会わないってこと

【詩】消えた

【詩】消えた

部屋から温もりが消えた
光が消えた
色が抜けた
ご飯が冷めた

あなたは去った

「また会いに来ますから。」 

そんな形だけの置き手紙を残して
夏とともに

【詩】夢見草

【詩】夢見草

風が
優しく頬をなでた

舞う花びらに
そっと
手を伸ばす君

後ろを歩く私

〈追記〉
夢見草は、
夢のように儚く散る桜の異名らしい
なんだかすごく好き

【詩】終止符の唄

【詩】終止符の唄

帰りに寄ったコンビニで買ったアイス
あの時より甘くなかった
この道だって何十回も歩いているけど
こんなに何もない道だったかな

空に浮かびはじめた星を見上げながら
「綺麗だね」って呟くこの声を
あなたに拾って欲しかった
ただ
それだけ

満員になった夕暮れの電車に乗って
1人で揺られながら帰る
本の間から隣をのぞいてみたけど
窓に映るのは茜の街だけみたい

知らない顔だらけの人混みから
そっと手を

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【詩】サイダー

【詩】サイダー

太陽が高く昇った頃に
公園のブランコを二人で揺らしながら

青くて
優しくて
甘くて
やっぱり酸っぱくて
何処か懐かしくて
少し寂しいような

一瞬の夏を味わった

【詩】ハンドクリーム

【詩】ハンドクリーム

クリスマスにあなたがくれたハンドクリーム

明日つけよう

次の月曜日につけよう

卒業までにつけよう

卒業式でつけよう

最後に一緒に遊ぶときにつけよう

入学式でつけよう

そう言ってまだ
机の上に飾っていることは内緒

いつか会う日までには
きっとつけるね