ロンドン テート・モダン
さて、久しぶりのイギリス投稿である。以前にヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(以下 “V&A”)についての記事を書いたのだが、ロンドンでV&Aと双璧を成すもう一つの洗練されたアートサイトは、個人的にはテート・モダンだと思っており、(V&Aについて書いたなら)ここについても書かないわけにはいかぬ、そういう流れからの本稿である。
現代アートが好きな方や、こういった文化的なサイトが好きな方にもとっておきの場所、テート・モダン。写真と共に、私なりの視点でご紹介したいと思う。
意匠的な建築
重厚な、けれどまるで折り紙のように凹みのあるこの意匠的な建築は、スイス人の建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンによるもの。元々発電所だったところを美術館に鞍替えしたものだそうで、建築としても見応えあり、この壮観なヴィジュアルを目の前に入場前からのワクワク感と言ったら、如何とも表現し難かった。
重厚なコンクリートの中に足を踏み入れると、外からは想像もし得ない開放感ある広い空間に驚かされる。イギリスお決まりの天窓もあり、お天気の良い日は陽の光を感じられて殊更気持ちいい。
ついカメラを向けたくなるような、美しい曲線を描く階段。アートだけではなく建築も存分に楽しめるサイトでもある。
カフェでランチ
他の大きな美術館と同様、テート・モダンにもカフェやレストランがある。写真は撮らなかったのだが、カフェは広く開放的、席数も多くメニューも充実していた。週末やお昼時など時間帯によっては混み合うが、私はこの日早め(午前11時台)に入ったので、静かにゆったりと過ごすことができた。ランチやカフェのために外に出る必要はなく、一日テート・モダンで過ごす、というのも可能である。
Food and Drink at Tate Modern
展望台
2016年にオープンしたスイッチ・ハウス(後述の “スイッチ・ハウス” をご参照ください)には “Level 10” という展望台があり、現在はクローズしているが、私が訪れた2019年はオープンしていた。
360度、ロンドンの街並みを見渡すことができ、素晴らしい眺望だったので、そこで撮影した写真もいくつかシェアしようと思う。
中央奥に見えるのは、シティ・オブ・ロンドンと呼ばれる金融街の高層ビル群。
この日の午前、ロンドンは雨がぱらつく曇り空だったのでこの晴れ間は一際うれしく、多くのロンドナーにとっても週末のうれしいご褒美だったに違いない。
展望台フロアで見つけた “Everything is going to be alright”(みんなきっと上手くいくよ)のメッセージ。
降りる途中、上から階下を覗く。かたつむりのようなこの構図も、美しくてまた楽しい。
こちらは、10階の展望台から階段で降りた様子。あまりにも長かったので、途中からビデオを撮り始めたのだが、ひたすら周回する長い階段もなんだか迷宮に迷い込んだようで、まるで楽しい探検のようだった。
スイッチ・ハウス
“Level10” からの帰り道、私はスイッチ・ハウスのスペースを覗きながら下っていくことにした。
駆け足で巡ったミュージアムショップには草間彌生さんの商品も。テート・モダンのそれはかなり充実していて、見るだけでも存分に楽しめる場所だった。
私はこの後予定があったので、4時間ほどの滞在でテート・モダンを後にしたが、それではとても周りきれない、広く充実した、洗練された美術館だった。一部の展示を除いて入場料は無料。雨の多いロンドンでも室内で、そしてランチやお茶を挟んで楽しめるのも有り難い。
ロンドンの中でもとびきり気に入りのこの場所は、今も私の再訪リストのトップである。
Tate Modern
Bankside, London SE1 9TG
https://www.tate.org.uk/visit/tate-modern
※ 挿入されている写真及び画像、動画コンテンツはすべて筆者によるものです。また、施設等の情報は、当記事執筆時点(2024年4月)のものとなります。
(London, 20 July 2019)
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