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ロンドン テート・モダン

さて、久しぶりのイギリス投稿である。以前にヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(以下 “V&A”)についての記事を書いたのだが、ロンドンでV&Aと双璧を成すもう一つの洗練されたアートサイトは、個人的にはテート・モダンだと思っており、(V&Aについて書いたなら)ここについても書かないわけにはいかぬ、そういう流れからの本稿である。

現代アートが好きな方や、こういった文化的なサイトが好きな方にもとっておきの場所、テート・モダン。写真と共に、私なりの視点でご紹介したいと思う。


意匠的な建築

重厚な、けれどまるで折り紙のように凹みのあるこの意匠的な建築は、スイス人の建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンによるもの。元々発電所だったところを美術館に鞍替えしたものだそうで、建築としても見応えあり、この壮観なヴィジュアルを目の前に入場前からのワクワク感と言ったら、如何いかんとも表現し難かった。

ロンドン テート・モダン 美術館 現代アート 建築 タービン・ホール ヘルツォーク&ド・ムーロン
子どもたちも大手おおでを広げて走り回りたくなるような広いレセプション、タービン・ホール

重厚なコンクリートの中に足を踏み入れると、外からは想像もし得ない開放感ある広い空間に驚かされる。イギリスお決まりの天窓もあり、お天気の良い日は陽の光を感じられて殊更ことさら気持ちいい。

ロンドン テート・モダン 美術館 現代アート 建築 タービン・ホール ヘルツォーク&ド・ムーロン
ロンドン テート・モダン 美術館 現代アート 建築 タービン・ホール ヘルツォーク&ド・ムーロン
展示されているトラックがおもちゃのように見えるほど広いタービン・ホール。元々は火力発電所らしい鉄骨の重量感ある構造も一般的な “美術館” らしくなく、その点も魅力の一つ

ついカメラを向けたくなるような、美しい曲線を描く階段。アートだけではなく建築も存分に楽しめるサイトでもある。

ロンドン テート・モダン 美術館 現代アート ヘルツォーク&ド・ムーロン
コンクリート打ちっぱなしの空間に設置された作品の数々。無造作に置かれているように見えるけれど、空間と作品が調和よくまとまっており、洗練された雰囲気
ロンドン テート・モダン 美術館 アート 建築  ヘルツォーク&ド・ムーロン
大きな鏡を見つけてセルフィー(筆者)。訪れたのは7月、この日のロンドンは涼しく、私はライダース(革ジャケット)にタイツという出で立ち

カフェでランチ

ロンドン テート・モダン 美術館 カフェ 現代アート 建築 ヘルツォーク&ド・ムーロン
カプチーノとサンドイッチの軽めランチ。メニューも充実していて居心地も良く、洗練されたカフェだった

他の大きな美術館と同様、テート・モダンにもカフェやレストランがある。写真は撮らなかったのだが、カフェは広く開放的、席数も多くメニューも充実していた。週末やお昼時など時間帯によっては混み合うが、私はこの日早め(午前11時台)に入ったので、静かにゆったりと過ごすことができた。ランチやカフェのために外に出る必要はなく、一日テート・モダンで過ごす、というのも可能である。

Food and Drink at Tate Modern

展望台

2016年にオープンしたスイッチ・ハウス(後述の “スイッチ・ハウス” をご参照ください)には “Level 10” という展望台があり、現在はクローズしているが、私が訪れた2019年はオープンしていた。

Level 10 is currently closed

LEVEL 10 - Tate Modern

360度、ロンドンの街並みを見渡すことができ、素晴らしい眺望ちょうぼうだったので、そこで撮影した写真もいくつかシェアしようと思う。

ロンドン 現代アート テムズ川 テート・モダン 煙突 火力発電所 ヘルツォーク&
テート・モダンの煙突を左側に、テムズ川方面を望む。お天気は回復しすてきな眺望に恵まれた午後
テムズ川を挟んで正面に見えるのはセント・ポール大聖堂
再開発が進むロンドン、工事の様子もそこここに

中央奥に見えるのは、シティ・オブ・ロンドンと呼ばれる金融街の高層ビル群。

この日の午前、ロンドンは雨がぱらつく曇り空だったのでこの晴れ間は一際うれしく、多くのロンドナーにとっても週末のうれしいご褒美だったに違いない。

Toki Minami on Instagram: "Archives 20 July 2019 #London, #England * * "Everything is going to be alright." "みんなうまくいくよ、大丈夫" #テートモダン の屋上で見つけた言葉。なぜこんな言葉がここに…?と思いましたが、すてきだったこちらでもシェア ♪ * * #ロンドン #イギリス #🇬🇧 #loveLondon #loveart #lovearchtecture #tate #アート好きな人と繋がりたい #海外旅行好きな人と繋がりたい #海外旅行好きと繋がりたい #建築好きな人と繋がりたい #ヘルツォークドムーロン #herzogdemeuron #quotestagram #美術館巡り #コンテンポラリーアート #現代アート #モダンアート #建築巡り #写真日記 #海外旅行記 #tatemodern #lovemuseums #travelog #travelgram #fotographie #ロンドン旅行 #美術館巡り" 17 likes, 0 comments - tokixminamiJuly 9, 2022 on : "Archiv www.instagram.com

展望台フロアで見つけた “Everything is going to be alright”(みんなきっと上手くいくよ)のメッセージ。

降りる途中、上から階下を覗く。かたつむりのようなこの構図も、美しくてまた楽しい。

Toki Minami on Instagram: "Archives 20 July 2019 #London, #England * * テートモダンの屋上を満喫した後は、降りるのはスイスイと階段で。早送りで撮りましたが、かなり長い道のりでした…🏃‍♀️ Music: "Carmen" composed by G. Bizet * * #イギリス #ロンドン #🇬🇧 #loveLondon #loveart #lovemuseums #lovecontemporaryart #lovetravelling #lovephotography #travelog #travelgram #fotographie #美術館巡り #アート好きな人と繋がりたい #tate #ロンドン生活 #海外旅行好きな人と繋がりたい #写真日記 #explorelondon #現代アート #ヘルツォークドムーロン #コンテンポラリーアート #現代アート #建築デザイン #建築好きな人と繋がりたい #建築巡り #architecturedesign #architecturelover" 27 likes, 0 comments - tokixminamiJuly 10, 2022 on : "Archi www.instagram.com

こちらは、10階の展望台から階段で降りた様子。あまりにも長かったので、途中からビデオを撮り始めたのだが、ひたすら周回する長い階段もなんだか迷宮に迷い込んだようで、まるで楽しい探検のようだった。

スイッチ・ハウス

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広い空間を贅沢に使って設置されて大きな作品。何だかよくわからない、でもそれが楽しい現代アート

“Level10” からの帰り道、私はスイッチ・ハウスのスペースを覗きながらくだっていくことにした。

「ウエスタン・ブロック」のすぐ南側の建物外部には、ヘルツォーク&ド・ムーロンの設計による新館「スイッチ・ハウス」(Switch House)が建つ。(中略)2016年6月17日にスイッチ・ハウスがオープンした後のテート・モダンは展示面積が従来の60パーセント増となり、これまで以上にコレクションが公開できるようになった。

テート・モダン - Wikipedia
ロンドン テート・モダン 美術館 現代アート 建築 タービン・ホール ヘルツォーク&ド・ムーロン
そこかしこに点在する作品に、思い思いにカメラを向け撮影するのも楽しい瞬間

駆け足で巡ったミュージアムショップには草間彌生さんの商品も。テート・モダンのそれはかなり充実していて、見るだけでも存分に楽しめる場所だった。

ロンドン テート・モダン 美術館 現代アート 建築 スイッチ・ハウス ヘルツォーク&ド・ムーロン
雲がちだったお天気も、出る頃には素晴らしい晴れ間に
ロンドン テート・モダン 美術館 現代アート 建築 スイッチ・ハウス ヘルツォーク&ド・ムーロン
優に一日は過ごせるテート・モダン

私はこの後予定があったので、4時間ほどの滞在でテート・モダンを後にしたが、それではとても周りきれない、広く充実した、洗練された美術館だった。一部の展示を除いて入場料は無料。雨の多いロンドンでも室内で、そしてランチやお茶を挟んで楽しめるのも有り難い。

ロンドンの中でもとびきり気に入りのこの場所は、今も私の再訪リストのトップである。

Tate Modern
Bankside, London SE1 9TG
https://www.tate.org.uk/visit/tate-modern

※ 挿入されている写真及び画像、動画コンテンツはすべて筆者によるものです。また、施設等の情報は、当記事執筆時点(2024年4月)のものとなります。

(London, 20 July 2019)

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