伊藤コウ_忘日舎(通院中)

関心事:心身のリハビリ。整体。書物。音楽。人類の行く末。 仕事と暮らしぶり:介護。校正…

伊藤コウ_忘日舎(通院中)

関心事:心身のリハビリ。整体。書物。音楽。人類の行く末。 仕事と暮らしぶり:介護。校正。編集。勉強中。 方向:また場所をつくります。 趣味:料理(やる気があるとき)。散歩。 注 ヘッダーの写真は著者本人。母のデイが決まり、身体が壊れはじめ、介護に疲れ始めた頃を忘れないために。

記事一覧

あいまいさに耐えること

(殴り書きであるが、公表しておく。いま考えていることを記録しておきたいと直感したから) 宮地尚子『傷を愛せるか』を読んでいて、感銘を受けている。シンプルな言葉遣…

遅い台風に思うこと おじさん考 その3

(ハートネットTVで尾崎世界観、井手上漠、松本俊彦、ヨシタケシンスケによる若者向けの番組を見ながら) 2024年8月末の1週間。自転車程度のスピードで進む台風に、気分的…

認知症ー「いま、ここ」で生きている人

今日8月24日は母の誕生日だ。90歳を迎えた。卒寿だ。おめでとう。 グループホームに入居したのが先月の7月13日。なんとかいいところに入居ができたから、安堵している。 …

緊急事態宣言下の誤植に思うこと

(この文章は4年前のものです。ただ、どうしても記録として残したいと思い、振り返りを兼ねて下書きとしてひとまず書き記しておきます) 2020年4月からは営業時間を変えて…

景色の見えかた おじさん考 その2 本を読むおじさん

かれこれ20年以上も前のことだが、京王井の頭線永福町駅前のドトールで見かけた男性を思い出す。そのドトールは井の頭通りに面していて、道路の沿うように作られた細長いつ…

景色の見えかた おじさん考

京王線の代田橋駅から歩いてすぐのところに、和田堀給水所という大正時代に作られた施設がある。その中に、配水池として活躍していた建物があって、その上部に塔のようなも…

あいまいさに耐えること

(殴り書きであるが、公表しておく。いま考えていることを記録しておきたいと直感したから)

宮地尚子『傷を愛せるか』を読んでいて、感銘を受けている。シンプルな言葉遣いで、生きるうえで大切なことが書かれている。これを読んでいる時、というか今週は酷い有様であった。体調不良もあるが、また例の人間との行き違いが発生し、無駄な精神の浪費をしたから。この本はその意味で、少し気分を楽にさせてくれるところもあった。

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遅い台風に思うこと おじさん考 その3

(ハートネットTVで尾崎世界観、井手上漠、松本俊彦、ヨシタケシンスケによる若者向けの番組を見ながら)

2024年8月末の1週間。自転車程度のスピードで進む台風に、気分的にも大いに振り回される。月曜日。頭がとにかく回らず、人の名前もうまく思い出せないような、強いブレインフォグに見舞われる。仕事帰りの疲労が激しく、そのまま銭湯に向かったもののうまく眠れず難儀。火曜はほとんど役立たず。水曜の仕事はかろ

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認知症ー「いま、ここ」で生きている人

今日8月24日は母の誕生日だ。90歳を迎えた。卒寿だ。おめでとう。
グループホームに入居したのが先月の7月13日。なんとかいいところに入居ができたから、安堵している。

彼女が認知症の診断を受けてから今年で5年目。そのかん、二人暮らしの生活は少しずつ変容していった。介護を経験したことがある人なら、この容易に言葉にできない、厳しく、かつ異様な困難さをきっとわかってくれるだろう。

私は介護と仕事で、

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緊急事態宣言下の誤植に思うこと

(この文章は4年前のものです。ただ、どうしても記録として残したいと思い、振り返りを兼ねて下書きとしてひとまず書き記しておきます)

2020年4月からは営業時間を変えて、意気揚々と次の展開を目論んでいたのだったが、そうは問屋がおろさなかった。店で手を動かしながら、別のことをぼんやり考えてみたり、仕事を離れて、例えば散歩の途中で書き留めておきたいことが浮かぶことは、少なくない人が経験しているはずであ

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景色の見えかた おじさん考 その2 本を読むおじさん

かれこれ20年以上も前のことだが、京王井の頭線永福町駅前のドトールで見かけた男性を思い出す。そのドトールは井の頭通りに面していて、道路の沿うように作られた細長いつくりだ。おじさんは、その通りを背にして、カウンターでいつも本を読んでいた。私は彼の、ちょうど真向かいの丸机に座ることが多かった。

このドトールにはお世話になった。私の数少ない正社員時代である。平日の朝はモーニングセットを食し、仕事へ出か

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景色の見えかた おじさん考

京王線の代田橋駅から歩いてすぐのところに、和田堀給水所という大正時代に作られた施設がある。その中に、配水池として活躍していた建物があって、その上部に塔のようなものがある。

私の実家のある最寄りの駅は、もう一つあるのだが、自分が営んでいた書店を閉じて以来、最近は代田橋駅をよく使うようになった。理由は、介護施設でのアルバイトのためだ。私は1年前からそこで週に3日ほどお手伝いしている。なぜ、どうして、

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