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日々の船出

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美術、小説、音楽などに関する随筆
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文章とミストーン

文章は音楽と似たところがあり、集中力が途切れるとミストーンが生まれる。表現したい内容と言葉のずれ。例えば落ち着いた内容を書きたいなら「ちょっと」「さっき」と言った平すぎる言葉はミストーンになる。自分が下読みなら最初の3ページでここをチェックする。作者の文章に対する意識がわかるので。

作品には声がある。ザ・スミスにはザ・スミスの、オアシスにはオアシスの音があるのと同じだ。その言葉は作品の声からズレ

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Twitterが変らしい

変らしい。思えばあんなに便利なインフラをビッグデータおよび広告係を担うことでタダでつかえていたのがおかしな話だったのかもしれない。
有料にしたら広告係である無料民がいなくなるので、広告インフラとしての機能を失い、サービスは終わるのだろうなと思う。また課金されて出てくる情報は、金で方向付けられたものになるだろう。今でさえイーロン・マスクのナルシスティックな広告にうんざりしているというのに。

黎明期

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左肩と目と耳が痛いこと

それはいつも左である。右目が悪いせいか、左目に負荷がかかり、それが耳にいき、肩に行き……を繰り返して左側の筋が全部石のようになり、寝ても治らない眼精疲労から、耳の聞こえの悪さへ向かう……を周期的に繰り返している。一番ひどい時は左耳が突発難聴直前まで行った。(その時はストレス源の会社を転職した)

この数ヶ月、しばらく大丈夫だったがまたきた。

薬で誤魔化しながらストレス源の仕事を進め、マッサージ、

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平易な言葉で正確に描写する

平易な言葉で正確に描写する

ふと思う。「詩」の言葉が苦手になってきてるかもしれない。

言外の意味があったり、言語化できない意味・強度を含んでいたり。シニフィエとシニフィアンが常に一致していたり。濃密な描写、流麗な流れ、適切な修辞。意外な意味のジャンプ。

一般に評価される要素、というよりそのバトルこそが詩/一部純文学であり、そのような言葉に恍惚としたことは僕も当然何度もある。目指してもいた。

しかし小説を書き始めて3年ほ

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アイスコーヒー

アイスコーヒー

いつからだろう、アイスコーヒーが好きになった。ホットより頭がシャキっとする気がする。季節は問わない。北海道人は真冬にアイスを食べるが、それに近い。ガムシロは基本的に入れないが、たまに使いたくなる。クリームは不要。
家でアイスコーヒーを淹れることはない。店で頼むのが好きなのだ。

ではあるが、こないだふと仕事中にアイスコーヒーが飲みたくなり作成した。
家には象印のコーヒーメーカーがあり、それを愛用し

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ゲルハルト(初稿)

ゲルハルト(初稿)

ゲルハルト・リヒター展、丁度休みがあったので二日目にいった。

心配性の自分が展覧会に行く際、「コロナ感染」を全く考えなかったのだから、季節はアフターコロナに変わったように思う。オミクロン株の実態を周囲で見聞きして許容できるリスクと体が判断するようになったことで、「事後」へ行こうしたのだろう。

自分は長らく肉体的実感、情動を伴う直接的体験こそ美術作品の受容だと信じてきた。今も基本的にはそうだ。だ

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ここまでのこと

第五回仙台短編文学賞に入賞した。プレスアート賞。いつものように電話が来て(薬局にいた)、今回は新聞に記事が載り、4月5日発売のKappo仙台闊歩で作品とインタヴューが発表されるそうである。授賞式に仙台へいくことになった。

2019年に小説らしきものを書き始め、3年目。高校生ならもう卒業だ。地元大会二位でインターハイまでは行った、くらいだろうか。いわば湘北である。

一区切りなので自分の活動を振り

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