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世の中どうよ

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世の中、社会、不満もありましょう。憤りもありましょう。ほっとするニュースがあればいいですね。自分もその中に確かに存在する、その世の中。少しでも別の視点があれば、シェアしたいなと思…
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2023年8月の記事一覧

『現代思想2023vol.51-10 9月臨時増刊号 総特集 関東大震災100年』(青土社)

『現代思想2023vol.51-10 9月臨時増刊号 総特集 関東大震災100年』(青土社)

1923年9月1日の正午1分半前、推定神奈川県を震央とする巨大地震が発生。関東全般を呑み込み、犠牲者は、これも推定であるが、10万人以上であったといわれる。このため、いまもなお「防災の日」は、この9月1日に定められている。
 
2023年は、それから百年の記念すべき年である。直接知る人は殆どいないけれども、この震災は、大きな意義をもって見つめられている。その後「震災」と呼ぶものとしては、阪神淡路大

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失敗とまちがい

失敗とまちがい

タクシーに、轢かれそうになった。こちらは横断歩道を渡っていた。タクシーは右折の機会を待っていた。対向車が途切れたとき、そのタクシーはアクセルをぐっと踏んで曲がってきた。横断歩道を歩いている私は道の中央あたりにいた。通常タクシーからそこは真正面に見えるはずであった。だが、さらにアクセルは加速した。これは明らかに、横断歩道や歩行者を、全く見ていなかったことを意味する。私は飛び退いた。タクシーは構わずそ

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言論が含みもつ危険性について

言論が含みもつ危険性について

慎重に、いろいろなケースを想定しながら話をする人がいると、聞いていてもやもやする。それに対して、自信満々に物事をきっぱりと言い切る人は、言うことが分かりやすくて、なんだかカッコいい。これはこうなんだ。何々は何々に決まっている。そんな強い言い方をぐいぐいと続ける人は、正しいことを言っているように見えて仕方がない。
 
その心理が、理解できないわけではない。だがもちろん、それは危険なことだ、というのが

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猫の写真家に

猫の写真家に

猫の写真家の本に対して、吠えている書き込みがあった。この写真家は汚い猫の写真を撮らないが、世の中には傷つき病気になり死んでいく猫がいることを知らないのか、そのために尽力しないで自分だけ猫の写真で金儲けをしているのはけしからん、というのだ。どうも、このような考えを呈する人は時折いるようで、ちょつと検索すると、ブログなどでも複数見かけた。
 
私が猫が好きだから、というわけでもないし、その写真家の写真

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不愉快なことは聞きたくもない

不愉快なことは聞きたくもない

自分にチクりと刺さるような指摘があっても、それを好んで受けようという気持ちは、なかなか起こらないものだ。
 
それでも、友情というものは、敢えて友に苦言を告げるという場合があるだろう。そのようなことを教えてくれるのは、表面的な関係の間柄では、なかなかないものだ。友だからこそ、踏み込んだことに言い及ぶ。だから、その言葉をありがたく思う、いうことがあるだろうと思う。それは、その友との間に信頼関係がある

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いつでも正義が悪を成敗することを前提する

いつでも正義が悪を成敗することを前提する

最近またドラマでもあったが、「悪いこと」をした人の家の前に集まり、なんてヤツだと声を挙げる。「悪者」はどのように成敗をされてもよいのだ。群衆はそのうち言葉を投げるだけではなく、石をも投げる。ガラスが割れても、投げた方が罪に問われることなどない。
 
戦時中、海外から届いた絵はがきをもっていただけで、石を投げられたというような場面も物語であったかと思う。
 
聖書の福音書にあった、イエスへの怒号もそ

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