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#失敗

「成功体験」考

失敗を楽しんで観察するとよい、と提案すると、「成功体験を積むことも大切」という指摘を頂くことが多々。私も成功体験を積むことには賛成。でも、指導する側が成功体験を積むことに意識をフォーカスさせることは、いろいろ不都合が起きやすいと考えている。

成功体験を積ませようと指導者が意識すると、子どもからしたら成功を急かされる感じになりやすい。指導する側も、早く成功させようと急かしたくなる気持ちになり、失敗

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失敗を楽しむから失敗しなくなる

おねしょを直す方法として、面白いアプローチを聞いたことがある。寝る前に水分たっぷりとって、「ジャンジャンおねしょしよう!」と伝えることだという。すると、病気が原因などは違うだろうが、程なくしておねしょしなくなるという。この話は人間心理を考える上で興味深い。

私達は失敗したとき、「失敗しちゃいけない」と考えがち。失敗を禁止事項として伝えれば失敗せずに済む、と考えがち。だから子どもや部下に「失敗しち

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「気を遣う」と疲れる、「気が利く」のは楽しい

FB友が「気を遣うと損をする、気が利くと得をする」という言葉を紹介。大変面白い。「気を遣う」と「気が利く」はよく似ているのに、なるほど、違いがあるように思う。
「気を遣って疲れた」という言葉をよく聞く。なぜ疲れるのかを考えると、自分が相手にどう見られるかを心配しているからかも。

こんなことをしたらどう思われるだろう?あんなことをしたら変に思われるかな?と、自分の見え方を気にしているのが、この場合

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失敗は仕組みの理解の母

今回Twitterでバズったことで、失敗を恐れる人が多いのがよく分かったけど、私は失敗しないことの方が恐い。失敗せずにすんなり成功してしまうと、私の目が離れ、慣れてきたときに大きな失敗しそうで恐い。だから、私が見てる新人指導のうちに失敗してもらいたい。

新人がすんなりうまくやってしまった場合、あえて「こうしなかった理由って何かある?」と、失敗する方法をとらなかった理由を尋ねる。そうすると仕組みを

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失敗への恐怖、呪いの解除法

もうその方法はうまくいかないことが分かっているのに、同じやり方を頑なに続ける人がいる。何十回も。そうした人は「頑張り無罪」に逃げている可能性がある。過去に失敗を責められ過ぎたために、たとえ失敗であろうと繰り返すことで「俺、頑張ってる、だから責めないで」という論理に。

私は学生やスタッフを指導する時、「失敗を楽しむ」ようにしている。あえて失敗するであろう実験をやってもらい、それで起きる意外なことを

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無駄と失敗が成功の輪郭を浮き彫りにする

先日、鳥取大学の人たちに講演した時の参加者から、質問が来た。「点数に結びつかない遊びとかの「余計なこと、無駄なこと」に理解を示さず、ただひたすら勉強してほしい、という期待を親は持ちがち。「余計なこと、無駄なこと」の大切さをどう伝えたらよいですか?」というもの。ちょっと考えてみる。

ロボットアームにいろんな形の荷物を持ち上げさせる、という課題を人工知能に与える実験。これで大切なのは、たくさんの「失

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失敗したら叱責は必要か?

子どもや部下が失敗すると厳しく叱責すべきだと考える人がいる。育児書や部下育成本でもそう推奨している本を見かける。叱られて嫌な思いをしたら失敗することがイヤになり、失敗しなくなるだろう、という発想なのだろうか。
しかしそれは、「失敗」と「危険」を混同してる気がする。

失敗を叱られた人は、私の見るところ、「ああ!すみません!」と言って、もうそのことには関わらないようにしよう、と拒否感を持ってしまうこ

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