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日記エッセイ

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大学時代の主に映画サークルで起きた出来事を書いています。
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#大学

【日記エッセイ】「木造の寮編⑥ 音の正体」

【日記エッセイ】「木造の寮編⑥ 音の正体」

僕は大学生の頃、木造の寮に住んでいた。寮は2階まであった。

ある日のことである。夜、寝ようと思っていたら、部屋中に不気味みな音が鳴り響いた。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

僕はその不気味な音が気になって全然寝れない。

その音の正体は、

寮の中を駆け回るネズミだった。

あの

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【日記エッセイ】「木造の寮編⑤ お風呂に入らない!」

【日記エッセイ】「木造の寮編⑤ お風呂に入らない!」

大学時代、京都の自治寮で暮らしていていた。共同風呂の影響で僕は風呂にどんどん入らなくなる。毎日入っていた頃が嘘かのように入らなくなる。

5日連続で風呂に入らない日があった、頭と身体を5日間放置し続けた。

3日目ぐらいで頭が痒くなってくるのである。
4日目になると身体も痒くなる。
5日目になるとペットショップに入った時の匂いが全身からしてくるのである。

自分の身体からペットショップに入った時の

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【日記エッセイ】「木造の寮編④ お風呂に入らない!」

【日記エッセイ】「木造の寮編④ お風呂に入らない!」

私は大学生の頃、木造の寮に住んでいた。20人くらい寮生がいたのだが、共同の風呂が1つだったため、自分の入りたいタイミングでなかなか風呂に入れなかった。

2人くらい順番待ちをしていたら、結構な時間待たないといけない。

横になって風呂が空くのを待っていると、次第に眠たくなってきて、寝てしまうことが多々あった。風呂に入らない日の誕生である。僕は、高校生まで風呂を欠かしたことがなかった。病気でしんどい

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【日記エッセイ】「木造の寮編② 四畳半神話体系の現実」

【日記エッセイ】「木造の寮編② 四畳半神話体系の現実」

大学1年生の時に、僕は木造築56年の自治寮の畳の四畳半に住んでいた。部屋の窓は綺麗に閉まらず、常に隙間が空いてた。

夏のある日である。

僕は寮に帰宅して、自らの部屋の引き戸を横にガラガラと開けた。

開けた途端、視界が一瞬、真っ黒になった。

何事かというと、

窓の隙間から、羽蟻が30匹くらい侵入して四畳半の部屋を飛び回っているのである。

羽蟻のあまりの数に、僕は一瞬外かと思った。

羽蟻

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【日記エッセイ】「木造の寮編① 四畳半神話体系の現実」

【日記エッセイ】「木造の寮編① 四畳半神話体系の現実」

僕は京都の大学に行くことになり、お金がなかったため、大学が募集していた築年数56年の木造の自治寮に住むことになる。

四畳半の畳の部屋、荷物を入れると部屋はパンパンになった。窓はボロボロで、隙間をテープで止めてある。古いタイプのエアコンで、リモコンを押してもつかない。壁には穴が開いている。共同の風呂から上がって、半裸になって、そこにとりあえず横になって天井を眺めた。この先、僕は一体どうなるのだろう

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【日記エッセイ】「違和感のある電子辞書」

【日記エッセイ】「違和感のある電子辞書」

大学1年の授業が始まったばかりの頃である。ある英語の授業で、電子辞書が必要だと言われた。しかし、僕は電子辞書を持っていなかった。持ったことすらなかった。調べると、電子辞書というのは案外値段が高い、僕の手持ちのお金ではなかなか手が出せない。どうしようかと考えていると、ふと、実家にあるかもしれないと思った。見たことも使ったこともなかったが、なんだかんだ、親が昔使っていたとかで家のどこかにあるんじゃない

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【日記エッセイ】 「Kと銭湯とNetflix」

【日記エッセイ】 「Kと銭湯とNetflix」

4月から僕は京都の大学生になった。映画サークルを入りそこでKと出会う。その時の話は以下から読めます。

僕は出会った次の日にKの家に行った。4月3日とかの話である。丸でも四角でもないテーブルに手ぬぐい敷いてその上に近くのフレスコというスーパーで買った助六とKお手製のうどんを並べて食べた。美味かった。その後に銭湯に行ってあそこを晒し合った。裸の付き合いである。僕はこんなにもすぐにあそこを晒し合う友達

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【日記エッセイ】「新歓!Kとテニスサークル」

【日記エッセイ】「新歓!Kとテニスサークル」

以上の話から僕は大学に入学して映画サークルに入ることを決めるが新歓の時期はまだ続いており、僕はKと一緒に他のサークルも見て回ることにした。新歓の時期はタダ飯を食えるというのも耳にしていて、お金を全く持ってなかった僕はタダ飯を食うつもりでもあった。僕たちは手当たり次第に様々なサークルの新歓に行った。

そんな中でもテニスサークルに行った時の話である。

それは王道テニスサークルの「アーモンド」である

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【日記エッセイ】「未知との出逢い ①」

【日記エッセイ】「未知との出逢い ①」

僕は大学に入学してサークルを探していた。4月の初めは各サークルが僕たち新入生をサークルに勧誘する期間である。人がごった返していて、ビラを何枚ももらう。僕はどのサークルに入るか全然決めてなかった。

選択肢があり過ぎて迷っていると、背の高い、カッコいい男の人にビラをすっと渡された。そのビラには『自主制作映画サークル』と書いてあった。映画を自分たちで作る、僕の心は確かに踊った。

ある程度勧誘を受けた

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