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【日記エッセイ】「木造の寮編① 四畳半神話体系の現実」

僕は京都の大学に行くことになり、お金がなかったため、大学が募集していた築年数56年の木造の自治寮に住むことになる。

四畳半の畳の部屋、荷物を入れると部屋はパンパンになった。窓はボロボロで、隙間をテープで止めてある。古いタイプのエアコンで、リモコンを押してもつかない。壁には穴が開いている。共同の風呂から上がって、半裸になって、そこにとりあえず横になって天井を眺めた。この先、僕は一体どうなるのだろうかと考えてみたが全くわからなかった。僕はそのまま眠りについた。

朝、起床すると、

異常なほどの痒みが背中を走った。

何事かと思って、僕は鏡で背中を見た。

すると、背中が真っ赤になっていた。

僕の背中は無数のダニに噛まれて真っ赤になっていた。

京都の四畳半の畳の部屋で黄昏れる理想はダニによって粉砕された。

現実はダニなのである。

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