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『キャリアはどこへ向かえば正解?』成長の種類を知り方向づけることで、イチイチ迷う自分とオサラバする方法

こんにちは。株式会社シンシア・ハート代表の堀内猛志(takenoko1220)です。
前回のnoteでは、私の経験から「現職に『不満』はないけど『不安』はある人のための“兆し”を戦略的に作る方法」について解説しました。

「不満」はないが「不安」はある人は、慣れや飽きによる停滞が原因であることについて解説しました。この慣れや飽きから脱出するひとつの方法が”兆し”を作り、活かす、ということですが、そもそも停滞する人は、成長と言うプロセス自体が目的になっているケースが多いです。成長してどうしたいのか、どこに向かって成長するのか、ということが曖昧であり、そもそも「成長とは何か」という問いに、本質的な答えを出すことができません。

よって今回は、どこに向かって成長すると自分らしいのか、ということを読んでいる人に見出だしてもらうために、『成長の方向性』について解説します。成長の方向性がわかれば、自分はどの成長をすべきであり、どこに向かうべきか、という答えを出すヒントが見つかりますよね。

それでは、スタートです。


成長の方向性は3つある

キャリアに悩む理由はキャリアのオプションが増えたことです。増えた理由は以下の通りです。

・3次産業の拡大とともに、選択できる職種が増えた
・多様性の広がりとともに、幸せのあり方がひとつではなくなった
・SNSの台頭とともに、他人と否が応でも比較するようになってしまった

これに加えて、日本は階級社会、学歴社会ではないことや、ジョブ型ではなくメンバーシップ型の採用が一般的であるということが、成長オプションが広いという要因になっています。

つまり、どんな家庭に生まれても、どんな学校を卒業しても、どんな会社に就職しても、その後の自分の努力によって、お金や地位や幸せを手に入れることができるということです。これが諸外国に比べて日本がどこよりも実力主義であると言える理由だと私は考えています。

一方で、単民族らしい同調主義的な思考特性があり、できる人よりもできない人をサポートすることが公平のような社会規範のため、天才は現れずに社会全体で低位均衡し、結果として全員で思考停止、そして貧乏に向かっているわけですが、この辺りは本noteの趣旨ではないので、また別のnoteにまとめたいと思います。

いずれにせよ、「未来の成長」に目を向ける前に「現状の不安の真因」に目を向けることが大事です。言葉を選ばずにはっきり言うと以下のような人が多いと思います。

想定的に見て、偏差値の高い学校を卒業し、
相対的に見て、難易度が高いと言われるブランドのある企業に入社し、
想定的に見て、会社の同期の中では早めに出世をして、
想定的に見て、同世代よりも高めの年収を手にし、
想定的に見て、レベルの高いパートナーと結婚したので、
想定的に見て、自分は幸せな分類だと安心していたが、

自分よりも学歴が低いと思っていた旧友がSNSで成功していたり、
自分よりもブランドの低い企業に入社した旧友が役員になっていたり、
自分よりも出世が遅かった同期が独立してイキイキしていたり、
さらに、それらの人の生活が自分よりも豪華で、楽しそうに見える。。

こうなると思考オプションが、
・よりレベルが高く難易度の高い企業に転職して「ブランド優位」に立つ
・独立する、自社の新規事業に関わるなどして「王様感」を手にする
・専門性の高い分野の勉強をすることで「有能感」を味わう


このあたりに陥ると思います。

つまり、不安の原因は「劣等感」なんですよね。裏返すと、「優越感が味わえる場所」に自分を置くことによって自分の劣等感を消したいわけです。

かなり厳しい話をしていますが、表面的にきれいに取り繕って成長意欲という言葉に逃げると、本音中の本音を見失い、間違えた対策を講じてしまいます。間違えた回答を出すのは、解くべき問題が間違えている場合がほとんどなのです。

ギクリとした人も多いと思いますが普通です。人間ですから。特に日本は相対的な社会なので、こういう人を多く生み出しています。本当の意味でのgoing my wayな人は日本では希少種でしょう。大事なのは、自分の中にある恥部に真正面から向き合うことです。それが成長のオプションを選ぶ前のスタートラインです。

正しいスタートラインに立たずにスタートを切ろうとするのは愚の骨頂ですが、さらに、ゴール(目的地)を決めずに走ろうとするので、走りながら迷い続けるのは必至です。走ると疲れます。また、ゴールがどこかわからずに走るのはもっと疲れます。このレースを永遠に続けますか?辛いですよね。

なので、自分の恥部に真正面から向き合った人からゴールを決めましょう。ゴールを決めるうえではコーチングが役に立ちます。ゴールは一人で作れないものなので、是非コーチングにお申し込みください。

スタートラインにつき、ゴールを決めた人は、以下の成長の方向性をどこにするかを選ぶことができます。

1.拡げる

『拡げる』とは以下のように定義されます。

①ビジネスのバリューチーンを押さえる
②MBA的にビジネス全体を網羅する

①のバリューチェーンは製造業だとわかりやすいですよね。こんな感じで図解すればわかりやすいと思います。

購買物流からスタートし、製造、出荷物流、マーケ・販売、そしてサービスと続く価値の連鎖のことです。

これは製造に限ったことではありません。例えば、人事だと採用から始まり、育成、定着、エンゲージ、開発、リテンションと続きますし、マネジメントだと、バリュー、戦略、PDCA、ヒューマンと続きます。これらに正解はないです。事業モデルや個社別の職種特性によって多少の変化はあると思いますが、「お客様に価値を提供するための流れ」と大きく捉えておくと間違いないでしょう。

例えば、フィールドセールスからキャリアをスタートした営業パーソンが、インサイドセールス、カスタマーサクセス、という形で営業としての機能を増やしていくイメージです。小規模企業なら一気通貫で一人で行う場合もあるでしょうし、大規模企業なら職種別にチームが分かれている場合もあるでしょう。人事も採用担当からスタートして、教育担当を経験し、労務担当を経験し、という流れで、自分の中にある職種機能のラインナップを増やしていくようなキャリアの積み上げ方になります。


対して、②はMBA的なキャリアの積み上げ方です。

MBAの科目 ※グロービス経営大学院より引用

MBAを取得することを言っているのではなく、MBAで必須とされるようなビジネスの科目を一通りできるようになることです。経営戦略、ファイナンス、アカウンティング、マーケティング、人材組織、データ分析、テクノロジー、グローバル戦略、アントレプレナーシップ等を網羅的に抑えるキャリアです。それぞれ専門レベルまで伸ばそうとすると相当時間はかかりますが、経営戦略や事業戦略を任される事業で、所属企業、所属部署におけるビジネスの全体像を網羅的に理解することはできます。

組織マネジメントへの興味関心がない人でも、ビジネス全体をマネジメントしたいという人はかなり多いです。その場合は、経営者や事業責任者の横で、経営戦略、事業戦略を作る人になるキャリアを選ぶと良いでしょう。MBA取得に来る大企業出身者は、このようなキャリアを狙っている人が多い印象です。

2.高める

『高める』とは以下のように定義されます。

①レベルの高いアウトプットを出し続ける 
②今の自分よりも高い視座視野で仕事をする

①はそのままですね。現状の自分よりも高いレベルのアウトプットを出すことです。営業ならより高い成果を出すことですが、そのために、大きな予算を持つ企業の担当になったり、自分の担当する地域やドメインを担当することが必要になります。または、より難易度の高い企業を担当することで、ソリューション営業からコンサルティング営業にアウトプットを変化させていくこともアウトプットレベルを上げるキャリアの変化のひとつです。

他にも、経理であれば、所属企業のみならず子会社含めた連結決算を行ったり、上場企業であれば開示作業を行ったりすることが『高める』に当てはまります。

②もわかりやすいですね。勘違いしてはいけないのは、単に所属企業での役職を上げるだけでは『高める』意味を誤ってしまう、ということです。というのは、役職の階層は企業によって違い、また、その役職に求められる職能も企業によって違うからです。世の中一般的な管理職としての職能を身に着ければ、そのマネジメント能力や職務スキルはポータブルスキルとして転職時に優位になります。つまり、業界や職種が変わろうが、転職先に横スライドできるということであり、年収の維持、または向上に繋がります。しかし、世の中一般的な管理職としての職能を身に着けずに、所属企業における役割を果たすだけの管理職では、企業が変わると持ち運べなくなる場合があります。

管理職に求められる能力例 ※uniposより引用

特に、現在は人的資本の観点が加わったり、若手マネジメントの難易度が上がったりすることで、管理職に求められる能力が変化しています。どんな能力は保有しているだけでは役に立ちません。発揮して初めて価値を生み出すことができます。ゆえに、時代や環境の変化によるマーケットからの能力要請は常にキャッチアップしておきたいところですね。

3.深める

『深める』とは以下のように定義されます。

①業務のさらなる改善ではなく、インプットのレベルを上げること
②体験過程で内省し、自分の仕事の意味を再定義していくこと

『高める』と『深める』は似ているようで、似て非なるものです。シンプルに言うとアウトプットの時間軸が違います。

『高める』は価値提供先が変わることで、否が応でも能力が高まります。繰り返しになりますが、能力はアウトプットしてなんぼ、なので、価値提供相手(=アウトプット先)を今の自分では応えられないような相手に変えれば、能力は強制的に上がるのです。そして、相手がいるわけなので悠長な時間はとれません。即効性のある成果を求められるため、アウトプット速度は速くなり、また、成長実感を得られるのも早いです。

一方で『深める』は、高いレベルのインプットやスループットが伴います。例えば、営業職であれば、単純に接触できる数や頻度を上げることで成果を出していたフェーズから、営業の根本的な意味や意義を考え、顧客は誰か、インサイトは何か、購買行動のトリガーは何によって引き起こされるのか、などを考えるフェーズに移るようなイメージです。具体的には、ダイレクトセールスからインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスが生まれたり、データを用いたデジタルマーケが生まれたり、ファンマーケからコミュニティーマーケに変化したり、カスタマージャーニーを検討したり、UIUXの概念が生まれたり、心理学から行動経済学に発展したり、、、と、具体事例を挙げればきりがないくらいありますね。

営業という職種のあり方をクリティカルに考え、真の価値を自分の中で問い続けることで、新しい価値や意味や意義を見出すことができます。上記で示したような具体事例は今でこそ当たり前ですが、このような概念や手法が最初から受け入れられたわけではありません。思考錯誤し、成功事例が生まれ始めてようやく広がっていきます。営業とは何か、顧客は誰か、インサイトは何か、、と問い続け、思考し続けることも時間がかかりますが、成功事例が生まれ、世の中に広がるまでも相当な時間がかかります。ゆえに、『深める』という成長を期待する場合は、相当な時間軸を使う覚悟が必要なのです。

世の中にはプロや専門家を名乗る人が多いですが、本当の意味でのプロや専門家は、このような『深める』ことに多大なる時間を費やしているからこそ、その人のオリジナルと呼べる深い考察や手法を持っているのです。本物と偽物のプロの違いはアウトプットの深度によって全然違います。偽物のプロに騙されたり、偽物のプロを目指さないようにしてくださいね。

成長の方向性の先にある人材をイメージする

さて、成長の方向性について解説したところで、では、その成長の先にはどんな人材になるのか、ということをイメージしていくといいでしょう。これから5つの人材タイプを解説するので、自身が目指す人材タイプをイメージしてもらえればと思います。

1.専門性を高めるI型人材になる

『I型人材』とは、ひとつの特出した専門性を持つ人材のことです。会社人にしろ、フリーランスにしろ、「自分は●●屋です」と自信を持って答えられるような専門性のあるスキルを極めましょう。

そのために重要なアプローチは『高める』と『深める』です。営業のプロ、マーケのプロ、人事のプロ、と名乗れるだけの知識を深め、日々、今の自分よりも高いアウトプットを出せるポジションを目指しましょう。

専門性を極めるという意味では、より具体的なスキルにフォーカスし、そのスキルのみを磨き上げることも重要です。例えば人事で言うと、以下のようにスキルをブレイクダウンできます。

人事のプロ

採用のプロ

中途採用のプロ

中途エンジニア採用のプロ

中途エンジニア採用のためのスカウト送信のプロ

具体になればなるほど自分のスキルや社会に価値を提供している機能が明確になりますね。スキルをシャープにしていくと自分のスキルが活かせるマーケットは減っていきますが、その分、相手の求めるニーズへの対応価値はクリアになります。採用全般できる、と言いながら「エンジニア採用は苦手」「スカウトは自分では打っていなかった」となると採用のプロと名乗るのは誇大広告だということがわかると思います。

つまり、職種における専門家(人事のプロ等)と名乗ることは、狭いようで広すぎるのです。自分の強みがわからない、自分が何屋かわからない、営業をやってきたけど営業のプロと名乗るのははばかれる、、という人の多くは、該当の職種経験はあるものの、自分のスキルをシャープにして言語化できていない、または、実際にシャープにスキルを鍛えられていない、という状況にいるはずです。

まずは、自身が社会に提供しているスキルや機能を明文化することから始めましょう。そのスキルや機能に対して、自分が心からやっていて楽しいと思うのであれば、それを高めたり、深めたりするといいでしょう。高める、深める、両方のアプローチをしているうちに、そのスキルや機能のプロに名実ともになっていきます。

▼I型人材の具体的キャリア
・会社組織の中で「●●のスキルと言えばあなた」と言われる専門家
・職種特化型の機能マネージャー(例:営業マネージャー)
・「●●屋」としてスキルや機能価値が明確な個人事業主

2.専門性を複数持ったπ型人材になる

『π型人材』とは、特出した専門性を2つ以上持っている人材のことです。能力を高め、深め、I型人材として「●●のプロ」「●●屋さん」と自信を持って名乗れるようになったら、もう1本の専門性を高めたり、深めたりするのもありでしょう。

組み合わせの掛け算は無限にあります。

営業 × 人事 ☛ 戦略人事やHRBPへ
営業 × マーケティング ☛ 事業戦略や営業企画へ
労務 × 経理 × 財務 ☛ 管理部長へ
庶務 × データ分析 ☛ アナリストやBPRへ
プログラミング × AIツールhack ☛ PMOへ

職種が複雑化した現在では、複数の専門性を磨き組み合わせることで、かなり希少な人材になれます。I型人材と言っても、誰よりもできるというレベルを目指すのは5年以上かかるでしょう。しかし、100人に一人くらいのレベルを目指すのであれば1~2年で十分です。そして、その力を掛け合わせれば1万人に一人の希少性になります。

パターン①10,000人に一人のレベルで突き抜けた経理のプロになる
 ☛時間がかかるし、難易度は高い(労働市場での競争が激しい)

パターン②経理:1/100×労務:1/100で10,000人に一人のレベルになる

 ☛複数を掛け合わせている人材の方が希少性が高く、競争が少ない

この自分が持つ能力の掛け合わせに関しては。ブルーロックと言う漫画を読むとわかりやすいと思います。

サッカーという熾烈な競争社会で勝ち抜くためには、全方位的に無敵な人材になるよりも、自分の得意能力を掛け合わせて戦った方が効果的であることがよくわかります。

ブルーロックより引用


タイパが求められる現在では、十数年の努力で一つの能力の極みを目指すよりも、得意を掛け合わせるほうが確実に早く、そして戦いやすいですね。

▼π型人材の具体的キャリア
・社内プロジェクトや新規事業のメンバー招集の際に真っ先に名前が挙がるユーティリティプレイヤー(例:PMO)
・中規模のプロジェクトをまるっと引き受けることができるコンサルタント

3.ビジネスを包括するT型人材になる

『T型人材』とは、ひとつの特出した専門性と、その専門性が活きるバリューチェーンを包括する総合力を掛け合わせた人材のことです。ひとつの専門性を『高め』、『深め』た後に、さらに『拡げる』ことを行っています。

ゆえに、I型、π型になるよりも圧倒的に時間がかかります。πのような複数の専門職を持つか、T型を目指すのかが議論の分かれ道になりますが、タイパを考えるなら圧倒的にπ型です。前述したように、π型であれば希少性の高い分野を選び、ドンピシャのポジションを探せば最短で一風変わった「●●屋さん」を名乗れることができます。

例えば、あるSFA導入に関してはめちゃくちゃ詳しいとか、Chat-GPTの利用の鬼になるとか、ある分野のあるツールに関してめちゃくちゃ強いというものがあれば、その分野では絶対に必要とされますよね。しかし、逆に言うと、その分野以外では全く必要とされないということもあり、長期で見たときにそこの分野にベットするのが良いのかどうかは、きちんと検討する必要があります。

一方で、T型人材の能力は、業界や職種を包括する能力であり、基本的にはどこでも使える力です。業界や職種が異なっても、経営の抽象度を上げれば、基本的にどこでも同じになりますし、人事や管理といった分野は、どの企業でも必要とされます。ゆえにポータブルでつぶしの効く能力と言えますが、一朝一夕で鍛えることはできない能力です。

I型人材やπ型人材の戦いは、スポーツで例えるなら地方大会みたいなものです。勝てる地域を選べば1位を獲ることができます。π型は特に希少性の高い分野のスポーツを選べば日本一にもなれます。野球やサッカーではなくセパタクローを選ぶようなイメージですね。しかし、T型の戦いは野球やサッカーなどの王道スポーツの全国大会のようなものです。全国の競合が集まっている総当たり戦みたいなものですので、偽物の総合力だと確実に負けてしまいます。

時間はかかりますが、キャリアを長期の線で捉え、人生をかけてビジネスパーソンとしての地力を高めていきたいのであれば逃げることはできません。じっくりと高め、深め、そして拡げていきましょう。

▼T型人材の具体的キャリア
・複数の職種機能を持った人材を束ねる事業部長
・複数の職種機能を束ね、自身の持つ専門性を使ってアウトプットを出す参謀職種(例:経営企画)
・価値提供サービスが明確な中規模の会社代表

4.二つの異なった専門性を接続して機能させるH型人材になる

『H型人材』とは、大規模な組織を動かす経営人材だと思ってもらえるとわかりやすいでしょう。H型人材の捉え方は人によって解釈が違うのですが、僕はH型よりも虎型というのが正しいのではないかと思っています。

イメージはこちら。

そう、虎とは阪神タイガースのことで、TとHが重なっているイメージです。つまり、前提として地力のあるT型人材だからこそ、I型やT型の人材を繋げ、チームや組織として機能させることができると思っています。

卓越した専門スキル集団や、大きな事業・組織を巻き込むリーダーを想像してください。その人材は、巻き込むすべての人材が持つ専門性を持ち合わせていないといけないでしょうか。現実的にはそれは不可能だと思います。しかし、リーダーとしてチームや組織をけん引する必要があります。よって、T型にさらにH型のスキルを持ち合わせることで可能になるのです。

T型人材が横に伸ばしている総合力は、人材をマネジメントする能力もあれば、プロジェクトをマネジメントする能力の場合もあります。一昔前は、その二つをマネジメントする力はイコールとされてきたので、「管理職=人とプロジェクトをマネジメントする人」でしたが、ヒューマンマネジメントの難易度が上がっている昨今においては、これら二つを切り離している企業も増えてきました。

PM理論

Pはパフォーマンス、Mはメンテナンスです。成果をコミットするのがパフォーマンス(プロジェクト)マネジメントで、組織にいる人材の維持・成長をコミットするのがメンテナンス(ヒューマン)マネジメントです。

つまり、虎型とは、PもMもマネジメントできるPM人材でなければならないということです(上図の右上)。よって、若くしてこのポジションを担える人は相当少なく、偉大な経営者がどうしても年配者になるのは、虎型人材には簡単になれないということからもご理解いただけるのではないでしょうか。

たまにT型人材としての能力を持ち合わせていないH型人材の経営者もいます。しかし、そういう人材はギフテッドとも言える魅力的な人格(カリスマ性)を持ち合わせていることが条件であり、このnoteを読んでいるような人はT型からの虎型を目指す方が正着でしょう。

イメージはワンピースのルフィです。彼はPもMも持ち合わせていないと思いますが、その人柄がゆえに仲間が集まってきていますよね。しかし、一般人がルフィーを目指すのは無理があります。あれこそカリスマ性を持つギフテッドの象徴です。

ギフテッドに生まれている人は羨ましくも思えますが、属人的で再現性がないために、真似できる人がいないこと、ついていく人が限られてしまうので組織スケールができないことが難点です。人生は100年近くあります。ギフテッドのようなカリスマ性がなくてもきちんと積み上げた能力で虎型になれます。コツコツ頑張りましょう。

▼H型人材の具体的キャリア
・大規模事業を複数束ねる事業本部長、執行役員
・大規模プロジェクトをマネジメントできる戦略コンサルタント
・複数の事業を持つ大規模の会社代表

終わりに

いかがでしたでしょうか。今回は成長の方向性について解説しました。書いていて思いましたが、『拡げる』『高める』『深める』というリスキリングの方法や、どんな掛け合わせが有効か、希少性が高いか、虎型になるためにはどんな経験を積むべきか、どんな企業だとそれができるのか、などがわからない人が多いのでしょう。これは労働市場に詳しくないとどうしてもわからないことが多いと思います。

そのために、私のようなキャリアのプロである、キャリアデザイナーがいます。noteを読んでもっと詳しく知りたいと思った人は下記よりご連絡ください。

それでは今日も素敵な一日を!


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