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現職に『不満』はないけど『不安』はある人のための“兆し”を戦略的に作る方法

こんにちは。株式会社シンシア・ハート代表の堀内猛志(takenoko1220)です。
前々回のnoteでは、私の経験から「”キャリア棚卸し”の簡単3ステップ」について解説しました。

こちらのnoteを書いての反響で面白かったのは、「兆し」をどうやって作るのか、「兆し」であると気づくにはどうすればいいのか、という質問を多く受けたことです。

非常に面白いと思ったので、今回は「兆し」の戦略的な作り方について解説したいと思います。


“兆し”とは何か?

①兆しは『出会い』の中から生まれる

まず「兆しとは何か?」ということですが、前回の棚卸しnoteでは、以下のような公式にまとめています。

兆しを逃さないことは挑戦をするうえで重要

専門力:自分の中に貯まっている得意技
価値観:自分の中の大切なモノであり、無意識に判断するときの基準
兆し :トリガーとなる出来事

専門力と価値観がはっきりしていれば、それを使って社会や顧客に貢献できるので、ファイナンス的にも、自分のやりがい的にも一定期間は満足できると思います。しかし、人間には飽きと慣れという敵がいて、ずっと同じことをし続けていると『このままでいいのか?』という想いにかられるようになります。これが「『不満』はないけど『不安』はある」という状態です。

30代までに専門力を磨き、業務、仲間、報酬を一定以上のレベルで享受し、会社に不満がないにも関わらず、何とも言えない焦燥感に襲われる人は、上記のような状態なのです。そして、そういう人にこそ「兆し」を活かすことが必要になります。

兆しとは、ものごとが始まるトリガーとなる出来事のことです。何かが動き出すときには常にトリガーがあります。しかし、自宅から職場への往復、変わらない人間関係の中ではトリガーとなる出来事が起こることはほぼないでしょう。ゆえに、トリガーが起きるような環境に身を置く、または普段の生活リズムを少し変える必要があるのです。それが『出会い』です。

②出会いを作るために必要なのは『好奇心』

人間の脳は現状維持を好みます。だからこそ、人は同じ行動を繰り返すのです。この脳の機能をうまく活用するのがルーティン化です。最初はおっくうだった努力もいつしか習慣化されたことで、意志の力を使わなくても脳が無意識に行ってくれる状態になります。大変な努力をいかにルーティン化し、自身の脳をオートパイロット化することは大切なのですが、一方で、この脳の機能を使いすぎると習慣化の鬼になり、新たな出会いを求めなくなってしまうという弊害も起きます。

新しい場所に行く、新しい人に会う、新しい勉強を始める、等、新しい何かを始めるにあたって大事になるのが「好奇心」です。好奇心があるからこそ人は新しい出会いをポジティブに考えることができます。しかし、子どもの頃に比べ、大人になるに連れてだんだんと好奇心は薄れていくんですよね。好奇心が薄れることについて、ひろゆきさんが書いている文章がわかりやすいので貼っておきます。

「退屈だな」と感じる人は、「あなた自身が退屈な人」なのです。「テレビがつまらなくなった」という人は、「テレビを楽しむことができなくなったつまらない人」です。「ごはんがおいしくない」と感じる人は、「ごはんのおいしさに気づけなくなったつまらない人」なのです。

毎日がつまらないと思っている人は、世の中を悟ってしまって生きていると言えます。

 どういうことでしょうか。

 それは、未知のことに「ワクワクすること」を無くしてしまっているのです。新しい食べ物は、「どうせ、あの味だろう」と思って食べてしまいます。新しい映画は、「どうせ、あの映画のオマージュだろう」と思って観てしまいます。新しい人は、「どうせ、あいつと同じような奴だろう」と思って接してしまいます。

 いずれも、「先入観」が出すぎているんですよね。

 人生経験を積むということは、先入観をどんどん作り上げて、好奇心を無くしていくことでもあります。そういったマイナスの側面があるんです。

 だから、老人はどんどん考えが狭くなっていきます。

DIAMOND Online 「ひろゆきが「毎日がつまらない」と感じる人に好奇心を取り戻させる方法・ベスト1」より引用

つまり、大人になるにつれて知識が増え、先入観が生まれやすくなり、新しいものに出会うことを楽しもうとする好奇心が薄れていく、結果として自分自身がつまらない、退屈な人間になる、ということですね。

怖いですね。
後戻りができなくなるほどつまらない退屈な人間にならないように、日々、好奇心を磨く必要があります。そのために重要になるのが、小さな出会いを受け入れることです。「どうせ変わらない」「どうせこんな感じだろう」ではなく「何かが起きるかもしれない」「何かを起こそう」という意志を持って行えば、何かは起こるし、何かを起こすことができます。

大きなことを起こすのも最初のトリガーである出会いからです。出会いの機会を多く持っている人ほど、出会いをトリガーに変えることができるのです。

兆しが走ると書いて『逃げる』という字になり、兆しを手にすると書いて『挑む』という字になります。トリガーを出会いで生み出し、気づき、逃がさず、掴むと、そこから挑戦が生まれるのです。あなたの中にある少しの好奇心に蓋をせずに、最初の一歩を踏み出して出会いを自らの手で作りましょう。

③『コミュニティ』を作り自分をPRし続ける

毎度自分で出会いを作るのはなかなかパワーがいります。なので、受動的でも出会いが勝手に集まってくる仕組みを利用しましょう。その仕組みこそが「コミュニティ」です。

コミュニティとはそんなに難しいものではありません。趣味、習い事、ボランティアなどのコミュニティが常に新メンバーを募集しています。募集サイトを見ながら応募してみて合いそうなら続ける、という気楽な感じで探してみましょう。「趣味」というとハードルが高いと感じる人は、近所でコーヒーを飲むだけ、サウナに一緒に行くだけ、みたいなカジュアルなグループからでも大丈夫です。オンライン上にも様々なコミュニティがあります。忙し人や対面が苦手な人はオンラインの方がやりやすいでしょう。

コミュニティに入ったら勝手に誰かが自分に面白い話を持ってきてくれるわけではありません。そのコミュニティでやるべきなのが『自分のPR』です。PRと言っても難しいことではありません。自己紹介に自分の好きなことや得意なことを書き、定期的に自分の好きなものについて投稿するだけです。ラーメンが好きな人なら食べたラーメンの記録や新店舗情報みたいなものでも良いと思います。続けることで「●●さんと言えばラーメンに詳しい人」という印象を持ってくれます。

印象を持ってもらえればこちらのものです。ラーメンについての何かを誰かに聞きたいと思った人は、まずはあなたを想起するようになるでしょう。そう、PRとは第一想起してもらうための種まきなのです。こうすると自分から出会いを探さなくても誰かがあなたの好きなキーワードについての何かを持ってきてくれます。質問、相談、お誘い、提案、このような話を前向きに聞き、最初はすべて断らずに受けることで、誘いやすい人、声をかけやすい人、相談しやすい人、という印象を持ってもらえ、より出会いは増えていきます。

スタバは自社のことをサードプレイスだと言いますが、私は本当の意味でのサードプレイスは、家族と会社以外のコミュニティだと考えています。3つ目の場所があるだけでは何も生まれません。そこにコミュニティが存在することで、新しい出会いが生まれます。そうやって自分を成長させる兆しが生まれたり、その兆しを活かすことで自尊心を高めてくれる仲間がいる場所こそがコミュニティであり、サードプレイスと呼ぶに足る場所だと思います。

“兆し”を戦略的に作る

①兆しとは『セレンディピティ』

前の項までで兆しの作り方は理解いただけたかと思います。家族と会社以外のコミュニティがない人は、まずはサードプレイスであるコミュニティを作りましょう。ただし、いつも同じメンバーに向かってPRをしているだけでは兆しもかなり限定されてしまいます。

だからこそ、コミュニティの活動を拡げていくことが大事です。コミュニティを大きくする、または、もうひとつ別のコミュニティに入る、自分からコミュニティを作るなどの活動を続けることが大事です。

また、同じくPRの範囲も拡げていきましょう。自分にとって心理的安全性の高いコミュニティでのPRに慣れた人は、コミュニティ外の人に向かってPRを始めていきましょう。このnoteやSNSなどがわかりやすい拡散型PRツールです。これらを使えば自分を知らない人にも自分のPRコンテンツをリーチすることができます。

そこですぐに何かが起こるわけではないのですが、継続することでいつか生まれるものがあります。それが『セレンディピティ』です。セレンディピティとは幸せな偶然という意味の言葉です。幸せな偶然が訪れる人は運が良いだけの人だと思っていませんか?それはNoです。幸せな偶然が定期的に訪れている人は、実は、幸せな偶然を生むための努力をしている人なのです。

②幸せな偶然を戦略的に生み出すために『種』をまき続ける

幸せな偶然を生むための努力とはなんでしょうか?おそらく、これができている人も、セレンディピティを生むために活動しているという意識は持っていません。無意識に継続している何かによって、勝手に兆しを引き寄せていて、それらが偶発的に起きているように見えるのでセレンディピティのように感じてしまうのです。

その努力こそがPRです。PRという言葉にハードルの高さを感じるのであれば、「発信」程度に思ってもらえればいいです。自分のことを発信し続けることこそがセレンディピティを生み出すための種なのです。

皆さんが何かに興味を持った時にググったり、タグったりしますよね。最近だと企業の記事や情報よりも、個人が発信する情報の方が信憑性を持ち、人が集まっていることに気づくと思います。そして、探して見つかる情報は決して最新の情報ではない場合もあると思います。そう、ネットに発信し続けるとネットに自身のコンテンツとして残り続けるのです。これはネット上に自分が持つ『情報資産』が貯まっているようなものです。情報資産が貯まっていれば、時を経て見つけてもらうこともできるのです。

私自身も昔に投稿したブログやSNSを見たと言って連絡をもらうことがあります。自分でも投稿したことを忘れていたようなものですら、ネットに情報資産として貯まっていれば、見つけてもらう可能性があるということです。これが自分の頭の中やデスクトップに置いているだけの情報ならば、見つけてもらいようがありませんよね。情報資産と言う種をまき続けることが、いつか人の目に止まり、自分に戻ってくる、この流れがセレンディピティが生まれ続ける人の好循環なのです。

運が良い、運が悪い、と言う言葉で片付けて、運がよくなることを祈る暇があれば、1日1回でも発信しましょう。それが貯まれば貯まるほど、セレンディピティの発生確率は上がります。

③『上達』と『成長』は違う。“兆し”を活かすことで真の意味で成長する

兆しがなくても自分は成長できていると思っている人もいるでしょう。本当にそうでしょうか。同じ場所で同じ業務を行っていることで、慣れてきていませんか?そして、飽きてきてはいないでしょうか?

前述した「本業に対して『不満』はないけど『不安』はある」という人は、成長と上達を間違えていることが多いです。同じ業務を続けていると当然その業務スキルは上がります。しかし、それ以上その業務スキルを上げて意味はあるのか?ということを自分に問いてみてください。職人のように業務スキルは上がっていても、その職人技は本当に必要なのでしょうか?ひとつのスキルを職人レベルまで昇華させるよりも、ふたつ目のスキルを身に着けた方が良くないでしょうか?

当然それは人ぞれぞれだと思いますが、クリアしたドラクエをさらにレベルアップすることだけを目的としてやり続けている状態の人は、早く次のゲームに移った方がいいでしょう。その行動で自己満足につながっていればいいのですが、終了後にどこか虚しさを覚えているのであれば、ゲームの変え時です。新しい兆しを活かし、新しいゲームルールの中で新しいスキルを身に着ける努力を始めましょう。それこそが成長です。

終わりに

いかがでしたでしょうか。今回は兆しについて解説しました。やるべきことは「発信」のみです。とは言え、次は何を発信すればいいの?と考える人がいるでしょう。それは自分自身が何屋さんかを見極められていない証拠です。自分が何屋さんか、何屋として人から見られたいのか、何屋さんとして生きていきたいのか、これらが決まれば軸が生まれ、発信にも一貫性が生まれます。そこで次回は「自分の中にある『●●屋さん』の見つけ方」について解説していきたいと思います。

noteを読んでもっと詳しく知りたいと思った人は下記よりご連絡ください。

それでは今日も素敵な一日を!

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