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塩見なゆ/Syupo公式
2024年9月25日 14:59
地方を旅行中、列車の乗り継ぎに60分時間があけば「えいや!」と覚悟を決めて、早足で改札を抜け、Googleマップ片手に飲み屋を目指します。名付けて、「乗り継ぎハシゴ酒」店に到着した時点で、残り50分。このときこそ使いたい言葉「とりあえず生で」と前のめりでオーダーし、料理を2品を決める。こういうときに限って料理が遅いもので、料理が揃った時点で、残り30分。その土地のお酒をぐっとお腹に流し込んでお
2024年9月13日 15:35
大衆食堂よりも、ファミレスの方が落ち着かない。いぶし銀の赤ちょうちんよりも、チェーン居酒屋の方が溶け込めない印象がある。飲食店で一人飲みをするようになって20年。いぶし銀の百年酒場から、アメリカのスピークイージー、ロンドンのドアマン付きのバーも臆することなく一人利用するようになりましたが、最初からそうであったわけではありません。今回は「大衆酒場の入り方」と題し、一般的な個人経営の酒場を訪ね
2024年9月3日 12:14
人、食、酒。そして店の歴史や街の雰囲気も含めて、居酒屋の価値だと思います。私は茶道に近い価値観だなと常日頃感じています。あえて、質素(侘び寂び)な店へ入り、店主や常連さんと会話し、ともすれば非効率と言われそうな時間を過ごす。「お点前、頂戴致します」「美味しく頂戴いたしました」なんて、口にしてしまいそうです。これは、純粋に料理の美味しさで良し悪しを決める他の一般的な外食ジャンルと大
2024年8月16日 16:23
寺町・門前町には法事に使える和食店や仕出し屋だった食堂がある。製鉄や港湾の街は、夜勤明けの人が利用する角打ちが朝から営業している。官庁街に隣接する飲み屋街には、腕の良い板前がいる名酒場がある。漁師町には、盛りのいい海鮮飲み屋がある。(漁師の家族が営んでいる)街の個性と酒の場はリンクするものです。遠方からわざわざ訪ねる人は少数派で、基本的にはその街を構成する人々が利用するから当然とい
2024年7月31日 18:19
味、歴史的背景、居心地、第三の居場所、そしてコスパ。居酒屋に求める価値に個人店もチェーン店も関係ありません。自分に合えば、そこが私にとっての名店です。はんこで押したように増加するチェーン店にも、どこかに心に刺さる店舗があるはず。多数の支店を開き、チェーン店へと成長するキッカケとなった本店にこそ、チェーン店を楽しむヒントがあるのではないでしょうか。ということで、今回は居酒屋チェーンの1号店を中心
2024年7月19日 15:56
マニアックだけどおもしろい各社の表記違い言葉を発信するという仕事をしていると、同じ意味でも表記が微妙に異なるものに注意するようになります。ボージョレヌーボーなのか、ボジョレー・ヌーボなのか。このように、外来語ではとくに"揺れ"が多く存在します。アサヒ:ボージョレ・ヌーヴォキリン:ボージョレ ヌーヴォーサッポロ:ボージョレ・ヌーボーサントリー:ボジョレー ヌーヴォーそんなのは、書き
2024年7月2日 15:57
学生時代に専攻した理系の分野とは全く無関係の「酒」の世界に浸っているので、学友とは疎遠になっていた。それでも、皆がマジメな道を歩むわけでもなく、酒にハマり、私が文字通り浸っている酒と酒場の世界にやってくる人がときどき居る。(無論、酒が不真面目だと言うつもりはない。ただ、なんとなく酒飲みのほうが肩肘張らずに付き合えるから好き)元気だった?今何しているの?昔から酒好きだったよね。そういう基本
2024年6月19日 15:56
サントリー傘下の飲食部門を担当する株式会社ダイナックの秋山武史社長が、「大衆すし酒場 スシマヅメ」 オープン時に話した言葉です。野毛だけでなく、赤羽や立石、大阪の京橋、天満も、酒場の聖地と呼ばれるようになり、休日は若い世代を中心に、お昼から梯子酒を楽しむために遠方からもどっと押し寄せるようになりました。すっかり観光地です。もともと街の飲み屋さんは文字通り「大衆の酒場」で、仕事帰りに一杯
2024年6月8日 12:28
欧米発のRTDをはね除ける国産酎ハイ欧米でブームとなった「ハードセルツァー」というお酒のジャンルをご存知でしょうか。セルツァーとは炭酸水のことです。ハードは、ソフトドリンクに対する表現で、アルコール入りの炭酸水を表しています。「なんだ、酎ハイじゃん」はい、その通り。酎ハイです。きっちりとした定義がなく、ベースのアルコールはウォッカなど様々。日本の酎ハイが「ウォッカ」や「焼酎」ベースなのに対し
2024年5月24日 17:45
常々、大衆酒場は属人的商売の極みだと思っています。「対話を大事にするバーのほうが人柄はでる」「いや、ありふれた大衆酒と乾き物で楽しませられるスナックのほうが属人的だ」などの意見もあるかと思いますが、日常の延長で考えれば酒場が一番ではないでしょうか。アフターコロナで売上を回復させたのは個人経営の大衆酒場でした。チェーン店はいまだに2019年比で80%程度にとどまっているところが多いと聞き
2024年5月1日 15:41
膨大な軒数の居酒屋を取材したことで、だんだんと「続く店」、「淘汰される店」の傾向が見えてきました。帝国データバンクによると、2023年の居酒屋・カフェ倒産件数は過去最多。そもそも需要に対して店が多すぎると言われている居酒屋ですが、さらに酒類を含む仕入れコストの高騰、人手不足など、コロナ禍以前よりも経営環境は厳しさを増しています。それでいて利用者は、コロナ前の水準で"コスパ"をみてくるため、増加
2024年4月20日 10:58
私が考える最高の角打ちとは、地域の人のたまり場になっている店です。近所の人が集まり、ちょっとしたコミュニティができている店は、飲みに行く価値があります。なぜなら、私が酒場や角打ちを選ぶ理由は、その場所が持つ「地域性」にあるからです。地域性と言っても、アンテナショップが意図的に作り上げた“土地の色”とは異なります。 アンテナショップは、ハイクラスの地酒や地元の珍味を取り揃え、丁寧な接客の店員
2024年4月1日 16:16
口コミ情報サイトの上位掲載の店に向かったら、予約で満席だった。誰もが一度は経験することです。インターネットでお店を探すことが当たり前になった今、考えることは皆、同じです。良いお店をみんなで共有できることはとても良いことですが、その分、お客が集中するようになり、繁盛店とそれ以外の差が開いてきました。その傾向はこれからも続くでしょうが、誰も幸せにならないように思います。口コミが集まる居酒
2024年3月15日 16:30
「文は人なり」は、文章に書き手の人となりがわかるという意味ですが、これは酒場にも当てはまると思いませんか。几帳面な大将の店は、店先から店内までピシッとしています。醤油差しに入る醤油は常に補充されていて、液垂れなんて皆無。暖簾はアイロンがかけられ、品書きの文字も丁寧です。そうした大将の人柄を感じてか、客層もピシッとしたタイプが多く、全体的に引き締まった雰囲気に包まれていきます。いい酒場は、い