見出し画像

ガラパゴスで何が悪い。日本の缶酎ハイは世界一

欧米発のRTDをはね除ける国産酎ハイ

欧米でブームとなった「ハードセルツァー」というお酒のジャンルをご存知でしょうか。セルツァーとは炭酸水のことです。ハードは、ソフトドリンクに対する表現で、アルコール入りの炭酸水を表しています。

「なんだ、酎ハイじゃん」
はい、その通り。酎ハイです。きっちりとした定義がなく、ベースのアルコールはウォッカなど様々。日本の酎ハイが「ウォッカ」や「焼酎」ベースなのに対して、ハードセルツァーは「サトウキビ糖蜜」や「とうもろこし」由来であることが違いだと解説するWEBページが多々かありますが、日本の缶酎ハイ(乙類焼酎ベースなどを除く)も原料は同じですから説明になっていません。

八代のメルシャンの連続蒸留器も、日本有数のアルコール蒸留施設である宝酒造松戸工場でも、ベースとなる粗留アルコールはサトウキビやとうもろこし由来です。世界観こそ違うものの、日本がガラパゴスで進化させた酎ハイと、欧米の炭酸アルコール飲料に大きな違いはありません。

メルシャン八代工場内で育てられている、キリン各種チューハイ原料であるサトウキビ

日本にはすでに酎ハイがあるとはいえ、欧米の大ブームの影響を受け2022年頃より日本国内の大手ビール3社は国産ハードセルツァーを開発しました。また、本場アメリカの人気商品も日本へ上陸。酎ハイそっくりさんの新カテゴリー「ハードセルツァー戦争」が始まったのです。いえ、正確には企画倒れだったと言えるかもしれませんが…

  • アサヒFRUITZER(終売)

  • キリンスミノフセルツァー(終売)

  • サッポロWATER SOUR(終売)

  • オリオンDOSEE(終売)

  • 輸入品 Truly ハードセルツァー(日本国内終売)

ここから先は

3,143字 / 13画像
この記事のみ ¥ 300
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?