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村上春樹は一体どこがすごいのか?見習うべき2つのこと。

今月13日に、村上春樹さんが6年ぶりの最新長編1200枚の小説(672ページ)を発売され、”ハルキスト(村上春樹の熱狂的ファン)”をざわつかせています。

毎回、発売前後はお祭り騒ぎのように世界中で注目され、ファンを熱狂させている村上春樹さん、いったいどこがすごいのでしょうね?

今日は、村上春樹さんから何が学べるか?という視点で思考を整理していきたいと思います。

※この投稿で本そのものの論評はしません。
※また、前提として、僕は村上ワールドにあまりひきこまれないタイプでファンではありませんが、アンチでもありません。あれだけの結果を出す職業人としてリスペクトの対象です。

あ、ちなみにタイムリーにこのような記事も出ていましたよ。(有料会員しかすべては読めませんが)


1.本よりも注目すべきこととは?


僕は何かの商品やコンテンツがヒットしたら、中身だけではなく背景や作り手の意図、または作り手の人物をたどっていきます。

作り手はどんな人なのか?どんな思いや背景があって作ったのか?なぜ、このタイミングなのか?を探求することで、その世界観の理解が深まるからです。

仮に世界観に共感できなくても、ヒットという結果の前では素直にリスペクトし、学べる点はないだろうか?と考えることも自分の肥やしとして大切だと思うんですよね。

というわけで、村上春樹さんの本に関しても、本のストーリーそのもの以上に、作り手の人生ストーリーや、そこに至るまでの”文脈”から学べる点を整理してみました。

特に、ビジネスパーソンが学べる点は2つであるというのが結論です。

2.その一)直感から始めるキャリア


村上春樹さん(以下村上さん)は、知る人ぞ知る元々ジャズ喫茶の経営者なんですよね。

で、それなりに繁盛もしていたようですが、小説家になるために閉店したという経緯があります。

では、なぜジャズ喫茶の経営者がいきなり小説家に転身することになったのかというお話ですが・・・

ジャズ喫茶は7年かけて卒業することになる大学在学中の25歳で開業したそうなのですが、そんなある日のことです(1978年4月1日)。

明治神宮野球場でプロ野球開幕戦、ヤクルト×広島を外野席の芝生に寝そべり、ビールを飲みながら観戦中に小説を書くことを思い立つ。それは1回裏、ヤクルトの先頭打者のデイブ・ヒルトンが左中間に二塁打を打った瞬間のことだったという。それからはジャズ喫茶を経営する傍ら、毎晩キッチンテーブルで書き続けた。

引用:『走ることについて語るときに僕の語ること』文春文庫

この後、専業作家になることを決意し、ジャズ喫茶は閉店。その1年後には新人賞をとるに至ったとのこと。

こんな進路の決め方ってあり?
本当にそんな進路の見つけ方ってあり?

と、思うのですが僕はこれもありだと思います。

理屈で考えたところで、給与はいくらか、市場性は?世間体はいいか?などとどこか自分の本心ではないキャリアを描いてしまうこともあるでしょう。

でもね、なんだかわからないけど、ひらめいた!というのであっても、それが次なるキャリアの扉になるのであれば、過去のキャリアの”文脈”なんて無視してもいいと思うんですよね。

ここにロジカルな話などなくていいし、キッカケがあればそれがひらめきや稲妻が走る経験でも、いいと思うのです。

それでも、「動いてみよう!」という衝動が走るのであれば天職につながっているかもしれないからです。

村上さんのように、突然起きる変な衝動でも大事にすることは、自分に素直になって「やりたいこと」を見つける一番の方法じゃないかな。

「やりたいことが見つからない」と嘆く人は、自分の衝動にフタをしてしまっている可能性を考えることも一つかもしれませんよ。


3.その二)ルーチンが偉業をつくる


村上さんといえば、毎日のルーチンを決めて規則正しい生活の中で作品を生み出すことで有名な作家さんです。

専業作家になることを決意してから禁煙し、早寝早起き、5~6時間執筆に集中したら、ランニングや水泳で体を動かし、残りの時間は趣味にあてるリズムのようです。しかも、ランニングはフルマラソンやトライアスロンに出場するレベル。

またまた、『走ることについて語るときに僕の語ること』文春文庫より以下引用を。

ヘタな自己啓発書を読むよりも説得力がありますよ。

専業小説家になり、直面した深刻な問題は、体調の維持だった。専業小説家になって何よりも嬉しかったのは、早寝早起きができることだった。朝5時前に起きて、夜の10時前には寝るという、簡素にして規則的な生活が開始される。

一日のうちでいちばんうまく活動できる時間帯というのは、僕の場合、早朝の数時間。その時間にエネルギーを集中して大事な仕事を終えてしまう。その後の時間で運動をしたり、あまり集中を必要としない仕事を片付けていく。

日が暮れたらのんびりして、もう仕事はしない。本を読んだり、リラックスして、なるべく早いうちに寝てしまう。おおよそこのパターンで今日まで日々を送ってきた。

本当に若い時期を別にすれば、人生にはどうしても優先順位というものが必要になってくる。時間とエネルギーをどのように振り分けていくかという順番作りだ。

ある年齢までに、そのようなシステムを自分の中にきっちりとこしらえておかないと、人生は焦点を欠いた、めりはりのないものになってしまう。

引用:『走ることについて語るときに僕の語ること』文春文庫

このようにメリハリをつけた生活リズムと、もっとも大切なことに最大限の集中力が発揮できるようにすることのこだわり(=ルーチン)は、積み重ねると大きな偉業を生むというわけです。

僕の好きな言葉に、かつての鉄鋼王と呼ばれたアンドリューカーネギーさんの言葉があります。

成功の秘訣とは、平凡なことを非凡なまでに行うことである。

まさに、ささいなルーチンであっても、大切なことに集中できる環境と生活リズムをつくり、非凡なまでに積み重ねると、必ずいつか大きな成果になって返ってくる。

村上さんは生き証人とも言えますね。

調子が良い時にだけ頑張るのは誰でもできること、調子の悪い時でも関係なく、ムラをつくらず淡々とやりきる地味な行為は、やがて派手な結果を創り出すことになる。

村上さんの事例からも僕の持論は裏付けられた気がします。

職業人 村上春樹としての実態は、以下の本にも詳しいので、ファンでなくとも必見ですよ。

というわけで、直感とルーチンを来週の強化テーマにしようと週末に考えてみました。

おしまい。

さて、今回の内容は
いかがだったでしょうか?

少しでもお役に立てば幸いです。

それでは、また会いましょう!

著者・思考の整理家® 鈴木 進介

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