記事一覧
「量子サッカー」とは「キバハゲデュエル」である。【『しあわせの理由』(グレッグ・イーガン)ネタバレ有感想】
はじめに グレッグ・イーガン(Greg Egan)はオーストラリア出身のSF作家で、『ディアスポラ』や『順列都市』などハードSFの作品で知られている。今回はそのイーガンの短編集『しあわせの理由』の各短編の感想記事だ。
SF短編小説のオールタイムベストにも選ばれるような短編集だけはあり、収録されている作品はどれも珠玉のものばかり。「SF小説」というフォーマットで「愛」や「幸福」、「死」といった人間
『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』
人間は愚かである 「30%オフ!」の文字に釣られて余計な買い物をしてしまったことはないだろうか?夏休みの宿題を慌てて最終日に片付ける羽目になったことは?マッチングアプリのプロフィールがいつも実物よりほんの少しだけ魅力的に書かれるのはなぜ?
今挙げた例はどれも私自ら経験したことだ(最後の例に関しては、プロフィールでは45kgとあったのに実際に会ったら70kgだったから「ほんの少し」の範囲を「ほんの
「自由」と「希望」の紡ぐ圧倒的カタルシス。『ショーシャンクの空に』【映画感想文】
※ネタバレ注意
あらすじ 有能な銀行員であったアンドリュー・デュフレーン(アンディ)は、無実の罪でショーシャンク刑務所に投獄される。罪状は妻とその愛人の殺害で、刑期は終身刑。
刑務所は劣悪な環境だったが、囚人・看守との交流や苦難を経験しながら、自分の信念と希望を失わずに生きていく。アンディは刑務所内で財務や図書館の仕事を担当し、知性と機転で多くの人々から尊敬されるようになる。一方、彼の親友で刑
作者が1番面白い。「逆境ナイン」(1話目前半)
マンガワンで「逆境ナイン」が読める。3月18日までだけれど。
私は結構な島本のファンで、「燃えよペン」「吼えろペン」「新吼えろペン」「アオイホノオ」のシリーズがとても好きだ。一時期、これを読むためだけに漫画喫茶に足繁く通っていた。
しかし他のシリーズはそこまできちんと読んだことがなかった。「逆境ナイン」も読んだような……読んでないような……というあやふやな記憶しかなかった。
読んでいて
一国の経済を建て直したハイパーメンタルつよつよおじさん『ルワンダ中央銀行総裁日記』【読書メモ】
基本情報題名:ルワンダ中央銀行総裁日記
著者:服部正也。1947年に日本銀行に入社。1965年から71年にかけてルワンダ中央銀行総裁を務めた経験から本書を執筆し、本書により72年に毎日出版文化賞を受賞。その後世界銀行副総裁などを務め、99年に没する。
出版:2009年11月25日(増補版)初版は1972年
発行:株式会社中央公論新社
読書の時期
開始:2023/02/07
終了:2023/02/