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天声人語の「写経」を1カ月続けて得られた、3つの学び

天声人語の「写経」を1カ月続けて得られた、3つの学び

私は3月12日から、朝日新聞の「天声人語」を毎日ノートに書き写している。いわゆる「写経」というやつである。そして開始から1カ月が過ぎた今、「この習慣を続けて良かった!」と心底感じている。

写経を始めたきっかけは、ライターのさとゆみさんが「CORECOLOR」で書いていたコラムだ。一日限定公開だったので記事はもう残っていないのだが、そこではさとゆみさんの「ビジネスライティング道場」に参加した、ある

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松の木を見ると、

松の木を見ると、

松の木を見ると、思い出すことがある。大学生のときにアルバイトしていた学童での出来事だ。

4年生になり、大学へ通う頻度が減ったころ、自宅から自転車で30分ほどの場所にある学童で週2回ほど働いていた。時給もそこまで高くないのに、なぜ学童を選んだかと言うと、思い切りドッヂボールがしたかったからだ。バスケやバトミントンは近所の公園でできるけれど、ドッヂボールができる場所は学校の校庭くらいしかない。何より

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クリスマスのお裾分け

クリスマスのお裾分け

クリスマスと言われても、あまりピンとこない。家にクリスマスツリーはないし、チキンやケーキを食べることもない。

クリスマスだけではなく、我が家にはバレンタインや誕生日、お正月もない。チョコやプレゼントを贈りあったり、おせちを食べて初詣に行ったり......なんてことはせず、いつも通りに各々過ごす。夫も私も、イベントごとに興味がないのである。

とはいえ11月も半ばになると「もうすぐクリスマスだし!

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福岡グルメ旅(雑記)

福岡グルメ旅(雑記)

朝、肌寒くて目が覚めた。窓を開けると、小雨が降っている。
汗がだくだく出るような暑さよりはマシだけど、「福岡の天気はどうかなあ」と少し心配になった。

空港が好きだ。窓際には飛行機を見ている子どもがちらほらいるけれど、恥ずかしげもなくそこに混ざって写真を撮る。少し離れた場所で、夫がスマホを眺めながら待っている。

福岡に到着した。約2時間。うとうとしていたら、あっという間についた。ホテルに荷物を置

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ぽっちゃんが教えてくれたこと

ぽっちゃんが教えてくれたこと

数ヶ月前、我が家に子猫がきた。
名前は「ポー」といって、ブルーグレーの毛並みが綺麗な男の子だ。

性格は超がつくほどのビビリで、いたずらっ子で甘えんぼ。
わたしが寝たふりをするとソーッと近づいてきて、顔面に突進、「にゃっ」と言って脅かしてくる。

ぽっちゃんはツンデレが激しい。近づいてきてヘソ天するから撫でてやると、「今じゃない」と言わんばかりに去ってゆく。

かと思えば、忠実な一面も見せる。ぽっ

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「HELP EVER ARENA TOUR」に行ってきたレポ

「HELP EVER ARENA TOUR」に行ってきたレポ

10月2日、横浜アリーナで行われた藤井風さんの「HELP EVER ARENA TOUR」に行ってきた。控えめにいって最高、なんて言葉じゃ足りないくらい、涙、涙のライブだったので、この気持ちを書き留めておきたい。

9月某日、「HELP EVER ARENA TOUR」の開催が発表され、それはもう高揚した。ただ藤井風さんは、今やyoutubeチャンネル登録者数が100万人を超える人気アーティストで

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フリーライター・中村洋太さんのコンサルを受けて

フリーライター・中村洋太さんのコンサルを受けて

先日、フリーライター・エッセイストとして活躍されている中村洋太さんのコンサルを受けた。まだ2回しかお話ししていないが、自分のなかで大きな気持ちの変化があったので綴りたい。

フリーライターになって1年、私はずっとSEO記事を書いてきた。月に20〜40件、主にクラウドソーシングサイトでお仕事を受注しながら。

収入もある程度安定してきたし、駆け出しの頃から比べると文字単価も上がっていた。クライアント

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見知らぬ人の優しさに救われた日

見知らぬ人の優しさに救われた日

就職活動では、たくさんの苦い経験をした。何度泣いたかわからないほどだ。

特に、大学職員は内定までの道のりが長い。SPIに小論文、面接は4〜5回が当たり前。最終面接で落ちた日には、それまでの頑張りがパーになったと、深い絶望に襲われる。

あの日もそうだった。

「資金収支予算書をホームページで公開してるの知ってるよね?うちの経営状況についてどう思う?」

わたしの自己紹介が終わった瞬間に、経理課長

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私の上司

私の上司

「異動したくありません」

そう言いながら、わたしはポロポロと涙を流した。

新卒で勤めた大学では、学生対応を担当する教務課に配属されたのだが、入職から半年、早々に異動を言い渡されたのだ。産休に入る先輩の後任として。

同じ課内で係だけの異動だったので、業務内容がガラッと変わるわけではない。それにも関わらず、私の心は穏やかではなかった。

異動先の上司であるAさん(男性)がめちゃくちゃにこわいのだ

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ピンク色のゾウ

ピンク色のゾウ

3つ年上の兄には、色覚異常がある。色覚異常とは、一般的に見えている色とは異なった色に見えている状態のこと。

たとえば正常な人が見ている信号の色は、赤・青・黄色だが、色覚異常の人にはそう見えていなかったりするらしい。

日本人では、男性の20人に1人、女性では500人に1人の割合で色覚異常の人がいるといわれている。(出典:日本眼科医会)

度合いにもよるが、日常生活に支障をきたすこともあるという。

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「チャレンジ精神」のルーツ

「チャレンジ精神」のルーツ

私は昔からすぐ諦める子どもだった。

中学で入部したテニス部も、レギュラーになれないからといつの間にか行かなくなり、習い事のピアノも楽しくないからと数ヶ月で辞めた。

そんな私が「継続は力なり」という言葉の意味を、身を持って実感した出来事がある。それが大学受験だ。



私が通っていたのは私立の進学校で、進学しないという選択肢はなかった。高校2年生になると、周囲は受験モード。周りの友達は予備校に

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